駅名一覧の編集作業
私が関わった「東海」以降の話になりますが、現行の事業者については、JTB発行の『私鉄時刻表』、国土交通省監修の『鉄道要覧』等、廃止事業者については先述の『私鉄史ハンドブック』や『鉄道停車場一覧』を元に凡その駅名一覧を作表できます。
また、最近の改廃履歴は、『旅』2002年8月号付録の「日本の鉄道全駅駅名総覧9820」を参考にしました。私鉄のキロ程が分かるものとしては、17号まで発行されたJTB(日本交通公社)の『運賃表』があります。
これらの資料を元に駅名の変遷が分かるように一覧を作成しますが、特に軌道は『鉄道省文書』や『内務省文書』に特許地点の地名が掲載されていても、駅名が判明しないものが多数あります。このような場合は、社史や当時市販されていた市街地図、新聞、時刻表等を参考に、凡そいつ頃に停留場が存在し、改称や廃止があったのかを推定し、例えば「1917〜22」などと表記しました。
『日本鉄道旅行地図帳』で、例えば大沼電鉄や銚子電気鉄道、富山地方鉄道笹津線のように廃線敷きを利用して開業させた鉄道を一つの表にして一括掲載したり、一度廃止された駅のほぼ同地点に再度駅が開業した場合、復活という扱いで「復」としていますが、これは監修者が「実質本位」を重視した編集方針によるものです。
しかし、鉄道フォーラムでの「追加・訂補一覧」公開に当たっては、一次資料の原文に忠実に従って、可能な限り厳密にデータの公開をしたいと考えております。
また、『日本鉄道旅行地図帳』はあくまで地図帳であって、駅名一覧は地図の付録という位置づけですので、掲載スペースの関係もあり、適宜掲載法を変更したり取捨選択をしております。キロ程を掲載せず、駅名を「/」で繋いでいる表などもその一例です。
←前(3.駅名一覧作成に当たっての参考文献.私鉄駅名研究の歴史)へ戻る|次(5.最後に)へすすむ→