NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.9585 (Re:9584) 【JR西】専用テストコースにおける要素技術の検証試験の実績
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2023-09-16 15:15:36
別 紙

     専用テストコースにおける要素技術の検証試験の実績

(1)バスの自動運転技術

@連節バスの自動運転
 3軸目を駆動輪とする連節バスの自動運転に成功しました。乗車定員が多い連節バスの自動運転により、1台の車両で大きな輸送力を実現できます。

ARTK-GNSSおよび磁石を使用した自己位置推定
 RTK-GNSSおよび磁石の読み取りによる2種類の自己位置推定技術を場所によって切り替えて、最高速度40km/hでの自動運転・隊列走行時に横ぶれ幅を平均±20cm以下、最大±30cmに抑えるという目標を達成しました。社会実装時には、場所により自己位置推定方法を変えることで、自動運転・隊列走行の安定性を向上できます。


(2)バスの自動運転・隊列走行技術

@異なる車種の組み合わせによる自動運転・隊列走行
 3車種(連節・大型・小型)のバスをさまざまな組み合わせや順序にして、先頭車はレベル3、後続車はレベル4相当で専用道を自動運転・隊列走行できることを確認しました。これにより、運行区間ごとに隊列の形成・解除を行って車両編成を柔軟に変更することで、後続車のドライバーの増員を抑えつつ、需要に応じた輸送力を確保できます。

A先頭車のドライバーの操作による、隊列内の全車両のドア開閉、車内アナウンス
 ドライバーがいる先頭車から安全に後続車のドア開閉ができることを確認しました。また、先頭車から後続車の車内アナウンスを実施することに成功しました。後続車にドライバーを配置しない場合にも、先頭車のドライバーが後続車へ必要な情報提供を行うことができます。


(3)信号・踏切連携

@車両の位置情報に基づく専用道単一車線区間での交互通行制御
 車両の位置情報に基づく信号制御により、車両が単一車線区間への進入可否を自動で判別し、対向車がいる場合にも安全に交互通行する技術を実現しました。

A専用道と一般道の交差部を想定した信号・踏切制御
 専用道と一般道の交差点で、専用道を走行する車両の位置情報に基づき、車両の接近や通過に合わせて交差点の信号を制御することに成功しました。さらに、専用道と鉄道が並走する場合に、専用道を走行する車両に合わせて既存の踏切を同様に制御することにも成功しました。また、一般道側の信号が停止表示になった後から自動運転車両が通過するまでの間に、当該交差点の専用道内に一般車などが取り残されている状態を検知した場合に、信号システムが自動運転車両を停止させる技術の開発を行いました。これにより、「自動運転・隊列走行BRT」の安全性と定時性を向上することができます。


(4)運行管理・指令

@運行管理・指令システムからの指示による隊列形成・解除
 運行管理・指令システムの指示により、運行ダイヤに基づき所定の場所でバスの隊列を形成・解除する技術を開発しました。これにより、ドライバーの増員を抑えつつ、走行区間が異なるバスを途中駅で組み入れたり外したりすることができ、需要に応じた車両編成での運行が可能になります。

A遠隔地からの車内監視
 バスに設置したカメラおよび通信機器により、運行管理を行う遠隔拠点から、自動運転中の車内映像や車両情報などを監視できることを確認しました。これにより、車内の安全性や乗客の安心感を向上させることができます。

B車両位置に応じた乗客向けの案内表示・アナウンス
 運行ダイヤと車両の位置情報に基づいて乗客向けの案内表示とアナウンスができることを確認しました。また、緊急停止などの際は、運行管理を行う遠隔拠点から、乗客向けにアナウンスするための技術開発を行いました。これにより、乗客の安心感を向上させることができます。

C駐車場への入出庫制御
 駐車場に到着した車両が、隊列解除後に各車の所定駐車位置(車室)へ自動で入庫したり、運行前に各車が自動で出庫して所定の場所まで移動したりするための技術開発を行いました。これにより、入出庫にかかるドライバーの負荷軽減を図ることができます。


(5)通信技術

@高い安全性・低遅延のプライベート5Gを使った車車間通信
 閉域接続で車車間通信を行うことができ、LTEと比べて遅延時間が約3分の2のソフトバンクの「プライベート5G(共有型)」(2023年3月29日提供開始)を車車間通信に用いて、自動運転・隊列走行ができることを確認しました。

 ※ 専用テストコース(滋賀県野洲市)での実測値

A光無線を使った車車間での直接通信
 光無線通信機と通信相手をトラッキングする装置を車両に装着し、基地局などを介さずに車車間で光無線通信を直接行い、超低遅延(0.3〜0.6ms)で広帯域(100Mbps)の通信により自動運転・隊列走行ができることを確認しました。今後、装置の小型化など社会実装に向けた改良を図ります。