ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2023-06-09 01:09:51 |
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省 Press Release Ministry of Land,Infrastructure,Transport and Tourism 令和5年6月 8日 総合政策局運輸審議会審理室 「東京モノレール株式会社からの鉄道の旅客運賃の 上限変更認可申請事案」に関する答申について 運輸審議会は、標記事案について認可することが適当である旨、本日、国土交通大臣に対して答申しました。 令和5年4月7日付けで国土交通大臣から運輸審議会に対し諮問がありました標記事案について、審議の結果、認可することが適当であるとの結論に達し、本日、国土交通大臣に対して答申しました(事案の内容、答申結果等は別紙のとおりです)。 審議における配付資料及び議事概要は以下のURLで公表予定です。 https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/unyu00_sg_000021.html ○運輸審議会について 運輸審議会は国家行政組織法第8条に規定する審議会で、個別法の規定に基づき、国土交通大臣の行う許認可等の個々の行政処分等の適否について諮問を受け、これに対して、公平な立場から各方面の意見を汲み上げ、公平かつ合理的な決定を行う常設の機関です。 当該事案については今後、国土交通大臣が運輸審議会の答申内容等を踏まえて処分を行う見込みです。 別紙 申 請 者 東京モノレール株式会社 事案の種類 鉄道事業における旅客運賃の上限変更の認可 事案の内容 ○改定率 10.8% (概要) 普通旅客運賃 7.3% 定期旅客運賃 通勤 25.2% 通学 据置 ○初乗り運賃(上限運賃) 1.5キロまで: 1円単位 157円 →177円 10円単位 160円 →180円 運輸審議会答申 認可することが適当 国運審第23号 令和5年6月8日 国土交通大臣 斉藤 鉄夫 殿 運輸審議会会長代理 和田 貴志 答 申 書 東京モノレール株式会社からの鉄道の旅客運賃の 上限変更の認可申請について 令5第4004号 令和5年4月7日付け国鉄事第6号をもって諮問された上記の事案については、審議した結果、次のとおり答申する。 主 文 東京モノレール株式会社からの申請に係る鉄道の旅客運賃の変更については、別紙に掲げる額を上限として認可することが適当である。 理 由 1.申請者は、平成11年4月24日から、消費税に係る運賃改定を除いて24年余にわたり、現行運賃を実施しているものである。その間、羽田空港アクセスに関する他の鉄道事業者等との競合が厳しさを増す状況ではあったが、快速運転の実施による速達性の向上等のサービス改善に取り組むとともに、羽田空港に発着する航空機の利用者数(以下「空港利用者数」という。)が大幅に増加したこともあり、申請者の運営する鉄道の利用者数(以下「鉄道利用者数」という。)も一定程度は確保できる状況にあった。 しかし、令和2年当初からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発出等により、外出自粛や通勤客のテレワークへの移行といった行動様式の変容に加え、空港利用者数の激減がみられたことなどから、令和2年度には鉄道利用者数が前年度に比較して約52%減少するなど、申請者の経営状況は大幅に悪化した。 また、令和2年度決算において固定資産の減損処理を行ったことにより、減価償却費が圧縮されるとともに、令和3年度には鉄道利用者数が回復に転じたものの、同年度の収支率は69.4%に留まっている。 今後についても、申請者は、競合事業者との運賃面での格差が生じていることや、テレワークといった新たな行動様式が一定程度定着すると見込まれることなどから、経営環境は厳しいものとなるとしている。そのような状況において、申請者は、安全・安定輸送の確保のための対策を絶え間なく実施するとともに、施設の計画的な老朽化対策やサービス向上施策を実施していく必要があり、事業運営に要する経費の削減のみでは、上記の施策の実施を含めた中長期的な事業運営の原資を生み出すことは極めて困難であるとして、旅客運賃の上限変更認可を申請したものである。 2.国土交通大臣は、鉄道運送事業者からの旅客運賃の上限の変更の認可にあたっては、鉄道事業法第16条第2項に基づき、当該旅客運賃の上限による総収入が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであることを確認の上、鉄道事業法第16条第1項の認可をするものとされている。 3.当審議会は、本事案の審議にあたり、当審議会に提出された資料、所管局から聴取した説明等に基づいて検討を行った。その結果は次のとおりである。なお、本件については公聴会の開催申出がなかったことから、公聴会は開催していない。 平年度(原価計算期間)である令和6年度から令和8年度までの3年間の収入算定の基礎となる現行運賃を維持した場合の総収入は合計36,316百万円、適正な総括原価(能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの)は41,421百万円と推定されるので、差引き5,104百万円の不足を生ずるものと見込まれる。 これに対して、旅客運賃の上限を主文のとおり改定した場合、総収入は40,067百万円、適正な総括原価は41,421百万円と推定されるので、差引き1,353百万円の不足を生ずるものと見込まれる。 4.申請者は、令和2年当初からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた需要見通しに関し、テレワークの定着や沿線でのイベント開催の減少等によりコロナ禍前の需要への回復は見通せないとしている。また、羽田空港アクセスについても、競合事業者との間で、運賃面での格差や、他の路線との接続に係る利便性に差異があることも考慮すれば、今後観光需要等の復調により空港利用者数が増加したとしても鉄道利用者数の大幅な増加は見込めないとしている。 これらの点を前提として申請者が算出した将来の需要推計については、申請者において入手可能なデータ等を含めて総合的に勘案した場合、合理性があると考えられる。 これらを踏まえ、施設の老朽化対策を含めた、安全・安定輸送の確保のための対策や、設備投資の継続を前提とする原価を推定した結果、本件申請に係る旅客運賃の上限による総収入が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるので、本件申請は上記2.の認可基準に適合するものと認められる。 したがって、鉄道事業法第16条第1項に基づき、国土交通大臣が本件申請を認可することは適当であると認める。 要 望 事 項 新型コロナウイルス感染症については、感染症対策としての法的な位置づけが変更されたが、同感染症に起因する行動変容が鉄道事業に与える影響については、未だ不透明な面がある。東京モノレール株式会社の鉄道事業における需要見通しは一定の合理性が認められるものの、テレワークの実施状況等により、想定された旅客輸送量と実績が乖離する可能性がある。このため、国土交通大臣は、本件申請の認可にあたり、鉄道事業法第54条第1項及び第2項の趣旨に基づき、期限に係る条件を付すことを検討されたい。 また、付された期限までの間の東京モノレール株式会社の経営実績について、実績が想定された収支率となっているかの検証結果について、毎年、書面で提出されたい。 別 紙 すべての運賃は消費税及び地方消費税を含んだ額である。 1 鉄道の普通旅客運賃 現行の運賃の上限を次のとおり変更する。 (単位:円) ┌─────────────┬────┬────┐ │ │1円単位│10円単位│ ├─────────────┼────┼────┤ │ 1.5キロまで │ 177 │ 180 │ ├─────────────┼────┼────┤ │ 1.5キロを超え 4.5キロまで│ 229 │ 230 │ ├─────────────┼────┼────┤ │ 4.5キロを超え 7.5キロまで│ 317 │ 320 │ ├─────────────┼────┼────┤ │ 7.5キロを超え10.5キロまで│ 388 │ 390 │ ├─────────────┼────┼────┤ │10.5キロを超え13.5キロまで│ 458 │ 460 │ ├─────────────┼────┼────┤ │13.5キロを超え17.8キロまで│ 519 │ 520 │ └─────────────┴────┴────┘ 2 鉄道の定期旅客運賃 現行の運賃の上限を次のとおり変更する。 通勤定期旅客運賃(1か月) (単位:円) ┌─────────────┬─────────┐ │ 1.5キロまで │ 5,740 │ ├─────────────┼─────────┤ │ 1.5キロを超え 4.5キロまで│ 7,420 │ ├─────────────┼─────────┤ │ 4.5キロを超え 7.5キロまで│ 10,270 │ ├─────────────┼─────────┤ │ 7.5キロを超え10.5キロまで│ 12,570 │ ├─────────────┼─────────┤ │10.5キロを超え13.5キロまで│ 13,880 │ ├─────────────┼─────────┤ │13.5キロを超え17.8キロまで│ 14,600 │ └─────────────┴─────────┘ 通学定期旅客運賃(1か月) 現行の運賃の上限を据え置きとする。 |
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