まるよし(cfcd3435) 2021-10-11 15:21:12 |
2021年10月11日
西日本旅客鉄道株式会社 地震発生時に乗車されているお客様への 迅速なご案内に向けた取り組みを行っています 当社は、2018年6月に発生した大阪府北部地震の際に、お客様降車のご案内に多くの時 間を要した経験を踏まえ、地震発生時におけるお客様降車の時間短縮に向けた取り組みを 行っています。 その一環として、以下の取り組みを実施しておりますので、お知らせします。 1.各乗務員が自ら対処できるルールへの見直し (1) 概要 ・乗務員にあらかじめ規制レベル別の具体的取り扱いを伝達し、地震発生時は「規制区間別路線図」を乗務員のタブレットに送信します。 乗務員は自列車の規制レベルを確認し、あらかじめ伝えられた規制レベル別の具体的取り扱いに従った対応を行います。 ・規制レベルが「徐行規制」「規制なし」であった場合は、次駅まで徐行で列車移動することがあらかじめ指示されています。 (2) 効果 ・従来は地震発生後の列車移動は、指令所から一列車ごとに無線で指示を行っていましたが、乗務員が自ら規制に関する情報を確認して、速やかに次の駅まで列車移動することが可能になります。 ・駅間で長時間お客様を乗せたまま停車するケースを減らすことができます。 (3) 導入時期・エリア ・時期:2021年6月導入 ・線区:JR西日本大阪総合指令所管内(主に京阪神エリア) 2.細かい範囲で震度を推定できるシステムを導入、移動可能な列車を特定 (1) 概要 ・この取り組みでは、公益財団法人鉄道総合技術研究所(以下「鉄道総研」)が開発した「鉄道地震被害推定情報配信システム(以下「DISER」)を活用します。 ・従来の鉄道地震計は計測した震度を約40キロと広い範囲に適用していましたが、DISERでは500メートルごとの震度を速やかに計算することが可能です。 ・鉄道地震計の計測値による「規制区間別路線図」で「停止規制であること」を確認した乗務員は、より細かい震度を推定できる「DISER路線図」を確認し、その規制レベルに応じた具体的取り扱いで対応します。 ・DISERの概要は別紙をご確認ください。 ※「DISER(ダイザ―)」Damage Information System for Earthquake on Railway (2) 効果 ・従来の鉄道地震計よりも細かい範囲での推定震度を確認することで、駅間での降車が減少する効果が期待できます。 (3) 導入時期・エリア ・時期:2021年6月導入 ・線区:東海道本線(米原-神戸)、山陽本線(神戸-網干) 大阪環状線、阪和線(天王寺-日根野) ※列車移動判断へのDISERの活用は今回が初めて DISERによる震度推定(イメージ) 【別紙】 1.鉄道地震被害推定情報配信システム(DISER)の概要 DISERは、地震直後に気象庁の緊急地震速報および防災科研との協定に基づき直接提供を受けたK-NETデータを用いて、沿線の地震の揺れや構造物の被害推定結果など、早期の運行再開に役立つ情報を配信するもので、2019年8月1日から鉄道総研が運用を開始しています(図1)。 2.DISERの機能 DISERは以下の4つの機能を有しています。 (1) 面的な揺れの推定および表示 地震直後に面的な揺れの分布を500m間隔で推定し、地図上に地震動指標(警報用最大加速度)を表示します(図2)。表示された地図は拡大・縮小が可能です。 (2) 沿線の揺れの推定および情報提供 鉄道路線沿線の揺れの推定結果の情報を、登録事業者へ迅速に提供します。情報は鉄道の地震時運転規制に適用されている地震動指標(警報用最大加速度、SI値、計測震度)により提供します。この情報は、横軸にキロ程、縦軸に地震動指標となっており、対象とする鉄道路線の沿線の揺れを素早く詳細に把握することができます(図3)。 (3) 構造物被害の推定および情報提供 事前に登録した構造物情報と(2)で得られる鉄道路線沿線の揺れの情報を用いて、地震直後に素早く被害ランク(構造物毎の被害の程度)を推定し、登録事業者へ迅速に提供します(図4)。対象とする構造物の種別は橋りょう、高架橋および盛土で、被害ランクは4段階で表示されます。この情報も、横軸にキロ程、縦軸に被害ランクとなっています。また、面的な揺れの推定結果に、構造物の被害ランクの推定値を重ねて表示することも可能です(図5)。 (4) 過去に発生した地震の被害推定結果の検索 類似の構造物の被災状況等を復旧の参考資料とするために、過去に発生した地震による被害推定結果の検索機能があります。 |
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