NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.7194 (Re:7191) 【JR海】R3.3月期 決算短信 −添付資料−2.経営方針〜5.個別財務諸表
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2021-04-27 23:46:54
2.経営方針
 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)会社の経営の基本方針
 当社は、「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」という経営理念のもと、鉄道事業において、安全・安定輸送の確保を最優先に、お客様に選択されるサービスの提供、業務効率化等について不断の取組みを行うことにより、日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線と東海地域の在来線網を一体的に維持・発展させることに加え、大動脈輸送を二重系化する中央新幹線の建設により、「三世代の鉄道」を運営するということを使命としており、これを長期にわたり安定的に果たし続けていくことを基本方針としています。
 当社グループとしても、名古屋駅におけるJRセントラルタワーズ・JRゲートタワーの各事業展開に代表されるように、鉄道事業と相乗効果を期待できる事業分野を中心に事業の拡大を推進し、グループ全体の収益力強化を図ります。

(2)中長期的な会社の経営戦略
 当社グループの中核をなす鉄道事業においては、長期的展望を持って事業運営を行うことが極めて重要であり、経営基盤の強化を図りながら、主要プロジェクトを計画的に推進しています。
 東海道新幹線については、これまで安全で正確な輸送を提供するとともに、不断に輸送サービスの充実に向けた取組みを進めてきました。今後についても、安全・安定輸送の確保を最優先に、引き続き東海道新幹線全線を対象とした脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を推進するとともに、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、大規模改修工事を着実に推進します。また、「のぞみ12本ダイヤ」の活用に取り組むとともに、N700Sの追加投入やN700Aタイプに対しN700Sの一部機能を追加する改造工事を進めるなど、東海道新幹線のさらなる輸送サービスの充実に向けて取り組みます。
 さらに、当社及びグループ各社は、今回のコロナ禍で受けた大きなダメージを挽回し、将来にわたって、当社グループが社会的使命を力強く果たしていくため、経営体力の再強化に挑戦します。そのために、ICTをフルに活用し、最も望ましい業務体制を構築する「業務改革」や収益の拡大に取り組みます。
 超電導リニアによる中央新幹線については、当社の使命であり経営の生命線である首都圏〜中京圏〜近畿圏を結ぶ高速鉄道の運営を持続するとともに、企業としての存立基盤を将来にわたり確保していくため計画しているものです。現在この役割を担う東海道新幹線は開業から半世紀以上が経過しており、鉄道路線の建設・実現に長い期間を要することを踏まえれば、早期に大動脈輸送を二重系化し、将来の経年劣化や大規模災害に対して抜本的に備える必要があります。このため、その役割を代替する中央新幹線について、自己負担を前提として、当社が開発してきた超電導リニアにより可及的速やかに実現し、東海道新幹線と一元的に経営していくこととしています。このプロジェクトの完遂に向けて、鉄道事業における安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行うとともに、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。その上で、中央新幹線の建設の推進を図るため、財政投融資を活用した長期借入を行ったことを踏まえ、まずは品川・名古屋間の工事を進め、開業後連続して、名古屋・大阪間の工事に着手し、早期の全線開業を目指して、取組みを進めます。
 また、このプロジェクトは自己負担により進めるものであり、建設・運営・保守など全ての場面におけるコストについて、社内に設置した「中央新幹線工事費削減委員会」で検証し、安全を確保した上で徹底的に圧縮して進めるとともに、経営状況に応じた資源配分の最適化を図るなど柔軟に対応していく考えです。
 鉄道以外の事業においても、「会社の経営の基本方針」に則り、諸施策を着実に推進することにより、グループ全体の収益力の強化に取り組みます。

(3)会社の対処すべき課題
 当社グループは、「会社の経営の基本方針」に基づき諸施策を推進しています。当面新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境が想定されますが、引き続き感染拡大防止に取り組みながら、安全・安定輸送の確保を最優先に輸送機関としての使命を果たしていきます。さらに、今回のコロナ禍で受けた大きなダメージを挽回し、将来にわたって、当社グループが社会的使命を力強く果たしていくため、「業務改革」と収益の拡大に向けた取組みにより経営体力の再強化に挑戦します。
 重点的に取り組む施策は、以下のとおりです。
 鉄道事業においては、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策について、脱線防止ガードの全線への敷設を進めるとともに、プラットホーム上家の耐震補強、駅の吊り天井の脱落防止対策、名古屋工場及び在来線の高架橋柱等の耐震化を進めるほか、東海道新幹線の大規模改修工事について、技術開発成果を導入し、施工方法を改善するなどコストダウンを重ねながら着実に進めます。また、ハザードマップ等を踏まえ、鉄道設備の浸水対策を進めるほか、台風や豪雨等により列車運行に大きな影響が予想される場合には、安全を最優先に適切な運行計画を決定し、適時かつ的確な案内情報の提供に取り組みます。さらに、車内の換気、駅や列車の定期的な消毒等、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に引き続き努めます。
 東海道新幹線については、「のぞみ12本ダイヤ」を活用し、お客様に安心してご利用いただけるよう十分な輸送力を提供します。また、安全性・安定性の向上や異常時対応能力の強化等を実現した新型車両N700Sの投入を進めるとともに、既存のN700Aタイプに対し、N700Sの一部機能を追加する改造工事を進めます。
 在来線については、安全性・安定性のさらなる向上等を実現した新形式の通勤型電車315系の営業運転を開始するとともに、ハイブリッド方式を採用した次期特急車両HC85系の量産車の新製に向けて設計等の諸準備を進めます。
 営業施策については、感染状況等の社会情勢やご利用動向の変化を踏まえつつ、「ずらし旅」をはじめとした需要喚起策を適切に展開し、収益の拡大を図るとともに、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据え、お客様の動向やニーズの把握・分析を強化し、「エクスプレス予約」及び「スマートEX」を活用したMaaSの推進等、新たな営業施策に取り組むほか、京都、奈良、東京、飛騨等、魅力ある観光素材の開発に継続的に取り組み、ビジネス・観光両面で需要の早期回復とさらなる拡大を図ります。また、30周年を迎える「さわやかウォーキング」や「Shupo」等を通じて地域との連携を強化し、「しなの」、「ひだ」等の特急列車をはじめとした鉄道のご利用及び収益の拡大を図ります。「エクスプレス予約」及び「スマートEX」については、3月に開始した複数人でのご旅行の際のチケットレス乗車サービス、遅延が発生した列車の指定席予約・変更サービス、訪日外国人のお客様向けのQRコードによるチケットレス乗車サービス等、便利さを知っていただくことでより多くのお客様にご利用いただけるよう取り組むとともに、観光でのご利用拡大に向けて幅広く需要の喚起を図ります。
 旅客関連設備については、ホーム上の可動柵について、引き続き東海道新幹線で新大阪駅への設置工事を進め、21、22番線ホ−ムで使用を開始するとともに、在来線では金山駅の東海道本線ホ−ムで上り線に続き、下り線でも設置工事を進め、使用を開始します。また、車椅子をご使用のお客様に東海道新幹線をより便利で快適にご利用いただけるよう、車椅子スペースを6席設置した新型車両N700Sの投入及び車椅子対応座席の「エクスプレス予約」及び「スマートEX」での予約の試行を行います。さらに、刈谷駅については、ホームの拡幅、可動柵の設置等に向けた工事を進めるほか、半田駅付近の連続立体交差化に向け高架橋の工事を進めます。加えて、在来線駅におけるエレベーターや多機能トイレの設置等、バリアフリー設備の整備を推進するとともに、内方線付き点状ブロックのホームへの整備を引き続き乗降1千人以上の駅を対象に進めます。
 超電導リニアによる中央新幹線計画については、健全経営と安定配当を堅持し、コストを十分に精査しつつ、プロジェクトの完遂に向けて、柔軟性を発揮しながら着実に取り組みます。また、引き続き、地域との連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を遂行するとともに、工事については、工期が長期間にわたり難易度が高い、南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅のほか、山岳トンネル、都市部非常口、中間駅及び高架橋等について、工事の安全と環境の保全を重視し、引き続き各種工事を着実に進め、品川・名古屋間の早期開業に向けて取り組みます。さらに、南アルプストンネル静岡工区について、国土交通省主催の有識者会議に真摯に対応して大井川流域の方々の懸念を解消することに努めます。
 一方、山梨リニア実験線においては、さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守の一層のコストダウンに取り組みます。このうち、高温超電導磁石については、営業線への投入に向けて、走行試験を実施し必要なデータを取得するとともに、コストダウンを進めます。また、営業車両の仕様策定を進め、設計に着手します。
 加えて、中央新幹線の高度かつ効率的な運営・保守体制の構築に向けて取り組みます。
 高速鉄道システムの海外展開については、米国テキサスプロジェクトの事業開発主体に対する技術仕様や各種計画策定等の技術支援を仕上げていくとともに、国内各メーカーとともにプロジェクトのコアシステム受注に向けた活動を継続します。また、超電導リニアシステムを用いた米国北東回廊プロジェクトのプロモーション活動、台湾高速鉄道における運行管理システム及び電力関連設備の更新等に関する技術コンサルティングを引き続き進めます。さらに、「Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを進めます。
 技術開発の推進については、状態監視技術等を活用した検査や保守の高度化・省力化、設備の維持更新におけるコストダウン等をはじめとして、業務全般の質的向上と業務革新に向けたICTの活用を加速させるほか、地震や豪雨等の各種自然災害に対して、より安全性を高めるための技術開発を実施します。
 鉄道以外の事業については、事業環境の変化による厳しい経営状況を乗り越えるため、低コスト化と効率的な業務執行を徹底しグループ各社の経営効率を磨き上げるとともに、鉄道との相乗効果で培った力を活かして、新たな事業展開によりグループの収益力のさらなる拡大を図ります。また、JRセントラルタワーズとJRゲートタワー事業を軸に、店舗の品揃え強化やサービス向上、駅商業施設リニューアルや当社所有地の有効活用を継続します。さらに、これまでの事業展開で培った知見・ノウハウを活用して、ジェイアール名古屋タカシマヤによる高級時計売場の大名古屋ビルヂングへの出店等、市中における新規出店を行います。
 さらに、コロナ禍で加速した社会の変化への対応及び労働力人口が減少する中でのグループ会社等を含めた人員確保といった諸課題の克服に向け、グループの総力を結集して中長期的な観点から「業務改革」に取り組み、ICTも活用しつつ新たな仕事の進め方を追求し、効率的な業務執行体制を構築します。これにより、将来にわたって、当社グループが社会的使命を力強く果たしていくため、経営体力の再強化を図ります。また、これまで培った知識・技術力を活用し、業務の組み立ての合理性を徹底的に追求することで、引き続き業務執行における一層の効率化・低コスト化を推進するとともに、設備投資についても、引き続き一層のコストダウンに取り組み投資効果を向上させます。
 持続可能な社会の実現に向けた取組みについては、政府の「2050年カーボンニュートラル」方針に沿って、省エネ型車両や設備の導入・再生可能エネルギーの活用・内燃車両の電動化等、新しい技術の開発・採用等を通じて、CO2の排出削減に積極的に取り組みます。また、CO2の排出削減を含む、諸課題の解決や諸施策の推進のため、社内体制を整備し、技術開発等の方向性を定めるとともに、さらなる省エネルギーの実現を可能としたN700S及び315系の投入、HC85系の量産車の新製に向けた準備を進めるなど、地球環境保全に資する諸施策を推進します。
 新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい経営環境が想定されますが、引き続き、安全・安定輸送の確保を最優先に輸送機関としての使命を果たしていきます。

3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 当社グループは、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(日本基準)を適用しています。将来の国際会計基準の適用につきましては、我が国における制度適用の状況を踏まえながら検討を進めていく考えです。


4.連結財務諸表及び主な注記
5.個別財務諸表
 *伊藤注:添付画像をご覧下さい。
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キャプション: 4.連結財務諸表及び主な注記(1)連結貸借対照表(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
画像サイズ: 831×2990(39%表示)
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キャプション: (3)連結株主資本等変動計算書
画像サイズ: 837×1788(38%表示)
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キャプション: (4)連結キャッシュ・フロー計算書〜(7)連結財務諸表に関する注記事項
画像サイズ: 837×4990(38%表示)
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キャプション: 5.個別財務諸表(1)貸借対照表(2)損益計算書(3)株主資本等変動計算書
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