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No.6056 (Re:6054) 【国土交通省】[参考]静岡県からの有識者会議の委員候補者(案)
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-04-21 23:27:59
                                [参 考]
                            令和2年4月17日
国土交通省鉄道局 御中
                                  静岡県

        有識者会議の委員候補者(案)について

 令和2年4月16日付「リニア中央新幹線静岡工区に係る有識者会議について」における貴局の回答に対し、本県が回答した委員候補者等についての見解を下記のとおり申し上げます。

                 記

1 有識者会議の構成員
 今回の有識者会議では、水循環を最初のテーマとしていたことから、静岡県専門部会の2名には、中央新幹線環境保全連絡会議地質構造・水資源専門部会の森下部会長と丸井委員が選ばれている。有識者会議では引き続き対話を要する47項目全てを議論することとなっていることから、静岡県専門部会の2名の人選は、議論されるテーマに応じて静岡県が決定することとさせていただきたい。
 また、構成員名簿において、オブザーバーとして「大井川流域市町」とあるが、大井川流域市町とは大井川から水の供給を受ける8市2町(島田市、焼津市、掛川市、藤枝市、袋井市、御前崎市、菊川市、牧之原市、吉田町、川根本町)の自治体及び利水団体という理解である。

2 本県が回答した委員候補者
 本県が指摘した中立公正性に疑義のある委員候補者の参加について撤回していただいたことについては感謝申し上げる。
 一方、本県が推薦した委員候補2名が選定から漏れたことは極めて遺憾である。貴局の回答によれば、「どのような「審査」のプロセスを経てこの2名を選定されたのか明らかにされておりません。」との記載があるが、公募から委員候補者の選定まで県HPに公表するなどして、一貫してオープンな形で実施しており、その指摘は当たらない。
 3月23日付の見解の中の「2 水循環に関する委員候補者の偏りに対する疑義」でも示したように、有識者会議の最大のテーマは水問題であり、大井川流域全体の水循環である。それを解決するためには、工学的視点からだけでなく水循環基本法の理念にのっとり議論できることに加え、大井川という地域の特異性を熟知し、地域住民の立場に立って社会的な問題の解決策を提案することが課題解決にとって最も近道であると考える。そこで、12名の応募者の中から、大井川流域の水循環に最も知見のある有識者2名を選定した。
 稲場紀久雄氏は、水循環基本法の策定に携わったほか、大井川の水利権設定の歴史などに精通し、大井川流域の住民意識にも造詣が深い。
 蔵治光一郎氏については、森林地帯から平野部に至る地下水の流れなど、森林水文学の分野に精通し、水循環基本法フォローアップ委員会における地下水分科会長を務めている。さらに、蔵治氏は、大井川の流況の変遷などの研究実績があり、大井川流域の利水や取水の変遷、水返せ運動など地域住民の苦悩の歴史など、幅広い知見を有している。
 有識者会議の目的は、一日も早く地域住民に安心を与え、理解していただけるようJR東海に解決の糸口を示すことである。貴局が選定した委員の経歴、業績等を見る限り、貴局が選定した委員だけでは、大井川流域の状況を踏まえた議論ができないのではないか。本県推薦の2名の有識者は、大井川流域の水問題の状況を熟知された方であり、いずれも会議の目的を叶えるために必要不可欠な人材である。このような理由から、有識者会議の委員の再考を貴局に求めるものである。

3 有識者会議の開催時期や方法
 開催時期や方法について、御配慮いただいたことに感謝申し上げる。しかし、昨日、コロナウィルス感染症拡大防止に関して、全国への緊急事態宣言が発令されたことにより、状況は大きく変化した。WEB会議といえども、その開催にあたっては委員を含めた多数の職員の出勤を伴うことから、緊急非常事態の状況において有識者会議を開催すべきか、今一度熟慮のうえ、改めて開催時期や方法について御提示いただきたい。

4 生物多様性の問題に係る有識者
 貴局の回答によれば、「有識者会議で議論を行うこととなった段階で、当該論点の議論にふさわしい委員構成を検討する」と記載されているが、南アルプス並びに大井川水系の生物多様性の保全は、引き続き対話を要する47項目に位置付けられているテーマである。
 水循環に関する議論と併せて、生物多様性に関する議論も早期に行うべきものであるから、生物多様性を議論する場合の構成委員(案)についても早期に提示していただきたい。

5 中下流域の水資源への影響が出たときの補償
 「有識者会議においては、水問題をしっかりと科学的・工学的に議論することが重要である」と記載されているが、水問題をしっかりと議論したうえで、水資源に影響があった場合の補償に関する議論を進めていくことも重要である。
 そこで、有識者会議の場で水資源への影響が出たときの補償に関する議論を行っていただくよう、改めて申し上げる。