NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.6042 (Re:6041) 【国土交通省】静岡県への回答書 有識者会議について
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-04-16 22:28:07
                            令和2年4月16日
静岡県 御中
                             国土交通省鉄道局

     リニア中央新幹線静岡工区に係る有識者会議について

 貴県より送付された令和2年4月 10日付「有識者会議の委員候補者(案)について」において要請のありました事項につきまして、下記のとおり回答いたします。

                  記

○有識者会議についての基本認識

・リニア中央新幹線静岡工区については、リニアの早期実現と環境への影響の回避・軽減を両立させることを貴県、JR東海、国土交通省の共通の認識とし、貴県とJR東海の議論がかみ合わない中、国土交通省が調整役として関与してきたところです。

・このような中で、本件有識者会議については、本年1月17日に、国土交通省より、大きな2つの論点は科学的・工学的な課題であり、トンネル工学や水文学等の分野の専門家等の有識者からなる会議を設置し、これまで行われてきた議論等を検証して今後のJR東海の工事に対して具体的な助言、指導等を行うことを目的として提案したものです。

・これに対し、貴県からは1月30日に、5つの事項の確保を前提に受け入れる旨の回答を頂きました。

・その後、委員の人選等に当たって、貴県と鉄道局との間で協議を進め、3月6日には正式に6名の委員構成案を提示いたしました。6名のうち水関係の委員は3名であり、そのうち2名は「水循環基本法フォローアップ委員会」の委員を選定(1名は座長)し、うち1名は日本地下水学会会長という地下水分野の第一人者を選定いたしました。このように、貴県が重要だとお考えになっている水循環について議論をして頂ける有識者を複数選定いたしました。

・この時点で提示した委員構成は、知事から言及のあった水循環や地下水の分野等について極めて高い専門性や深い造詣を持っている、いわば第一人者とされている専門家を複数含んでおり、少数精鋭の構成で密度の濃い議論を行っていただくために適正数の委員を選定させて頂いたところです。

○委員について

・委員候補者については、4月10日に貴県から2名の推薦がありました。

・この2名については、「厳正なる審査の結果」とされておりますが、どのような「審査」のプロセスを経てこの2名を選定されたのかは明らかにされておりません。また、これらの方々は「他薦」とのことでありますが、どのような立場の方がどのような理由で推薦されたのかについても明らかにされておりません。

・その上で、この2名の方についての専門分野を拝見するに、国土交通省がすでに選定している方々と専門性や知見を有していると思われる分野が重なっていると考えられます。

・また、静岡県が設置した専門部会の委員にも2名入って頂くこととし、これまでの議論の経緯や大井川流域市町等のご懸念が有識者会議で反映されるように、配慮を行ってきました。

・このようなことから、貴県として、国土交通省が示した委員候補者に加え、なぜこれらの方々を加える必要があるのかという説得力のある積極的な理由は示されていないと考えております。

・また、貴県が中立公正性に疑義があるとした委員候補者につきましては、国土交通省としては中立公正性に関して問題がないと判断していますが、貴県のご意向を尊重し、撤回させて頂きます。

・以上のことに加え、人選については、これまでの知事会見でも「委員の最終決定権は国交省」とのご認識を述べられており、今般、国土交通省の判断として、有識者会議の委員を別添のとおりとさせて頂きたいと考えております。 

○有識者会議の開催時期や方法について

・有識者会議の開催時期については、4月の中旬を目途に第1回目を開催すると提案させて頂きましたが、新型コロナの影響も踏まえ、4月最終週とし、具体的な日程につきましては改めて調整させて頂きます。また、開催方法はWEB会議形式といたします。

○生物多様性の問題に係る有識者について

・3月27日付文書で回答させて頂いたとおり、生物多様性につきましては、貴県の専門部会での今後の議論の状況により、有識者会議で検証が求められるテーマや論点も変わってくると思われることから、現時点で委員の選定を行うことは難しいと考えており、有識者会議で議論を行うこととなった段階で、当該論点の議論にふさわしい委員構成を検討することとさせて頂きたいと考えております。

○中下流域の水資源への影響が出たときの補償の件について

・有識者会議においては、水問題をしっかりと科学的・工学的に議論することが重要であると考えております。


        リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議
             構成員名簿

                            (順不同、敬称略)

【座長】
 福岡 捷二 中央大学研究開発機構 機構教授
【委員】
 沖  大幹 東京大学 教授
 コ永 朋祥 東京大学 教授
 西村 和夫 東京都立大学 理事・学長特任補佐
 大東 憲二 大同大学 教授
 森下 祐一 静岡大学 客員教授(静岡県専門部会より)
 丸井 敦尚 国立研究開発法人産業技術総合研究所
        地質調査総合センタープロジェクトリーダー
        (静岡県専門部会より)
【オブザーバー】
 静岡県、大井川流域市町、
 関係省庁(文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省)
      ※建制順
【説明責任者】
 JR東海
【事務局】
 国土交通省鉄道局