NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.339 (Re:337) <参考>
ほりうち(ccbu8181) 2015-10-23 23:03:12
<参考>

           行楽列車「フライング東上号」について


1 名称 フライング東上号

2 運行期間
 1949(昭和24)年4月3日〜1967(昭和42)年12月16日主に春と秋の行楽シーズンの休日に季節行楽列車(臨時)として活躍。

3 主な使用車両・塗装
 1949(昭和24)年 4月〜 32系(深紅)
 1950(昭和25)年 4月頃〜 54系(深紅に黄色い帯)
 1950(昭和25)年12月頃〜 54系(濃い青色に黄色い帯
 1952(昭和27)年 3月頃〜 53系(濃い青色に黄色い帯
 1962(昭和37)年12月頃〜 78系(ロイヤルベージュとインターナショナルオレンジ)
 1963(昭和38)年11月頃〜 8000系(ロイヤルベージュとインターナショナルオレンジ)

4 経緯その他
(1)誕生の経緯
 戦後復興の槌音も高まった昭和20年代初頭、全国的な行楽ブームが高まる中で、都心から程近い場所に数多くのハイキングコースや釣り場などの景勝地がある東上線の沿線、および終点の寄居から先の秩父鉄道沿線の長瀞・外秩父一帯は行楽客・ハイキング客の恰好の的となりました。フライング東上号は、そうした行楽客の需要を満たすために企画された列車です。
 なお、「フライング東上号」というネーミングは、イギリスの特急列車「フライング・スコッツマン号」にあやかったものだと言われています。

(2)運転形態など
 運転される季節によって停車駅は多少変わりましたが、池袋発車後は川越市・玉淀・寄居などに停車し、秩父鉄道へ直通運転した際は長瀞までを約2時間で結びました。
 特急料金を設けた時期もありましたが、気軽に乗れる行楽列車として人気を博しました。

(3)使用車両
 フライング東上号に使用された車両はたびたび変更されましたが、代表的な車両としては、1952(昭和27)年のデビュー以降、約10年間フライング東上号として活躍した53系です。かつて日光・鬼怒川線特急として活躍し、製造から約17年を経てはいたものの、フライング東上号の象徴である濃い青色の車体に黄色の帯を締め、ずらりと並んだクロスシートは特急列車の貫禄も十分に、まさに東上線の看板列車として活躍しました。

(4)エピソードなど
 利用客へのサービスのため、車内放送設備として当時では珍しいレコードプレーヤーを接続し、車内に流麗な音楽を流す「ミュージックサービス」を実施。また、アナウンサーが同乗して沿線の見どころ案内を行ったり、車内で香水の香りを楽しんでいただくなど、他の列車とは異なる試みを数多く行っていたというエピソードが残っています。先頭車両に掲げられた円盤のヘッドマークは、上部に羽をあしらったデザインが特徴で、羽の下には英字で“FLYING T_J_ LIMITED EXPRESS”と記されていました。


以上

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 志木付近を走行する53系「フライング東上号」(1954年頃)(撮影:岡 準二 氏)
画像サイズ: 499×356(64%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 53系車内クロスシートの様子
画像サイズ: 505×356(63%表示)