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No.1505 (Re:1502) 【国土交通省】「軌間可変技術評価委員会」の開催結果について
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2016-11-21 23:19:32
[出典:国土交通省ホームページ]

「軌間可変技術評価委員会」の開催結果について


「軌間可変技術評価委員会」の開催結果について

軌間可変電車(フリーゲージトレイン)については、平成26年10月から開始した3モード耐久走行試験で発生した車軸摩耗等の不具合に対して、平成27年12月の「軌間可変技術評価委員会」で推定原因と対策案が了承され、その後、不具合対策の検証試験等を進めてまいりましたが、本日、その検証結果等が「軌間可変技術評価委員会」に報告され、審議のうえ了承されました。(別添資料参照)

軌間可変技術評価委員会委員(敬称略、委員50音順)

委員長 谷藤 克也(国立大学法人新潟大学名誉教授)
委 員 石田 東生(国立大学法人筑波大学大学院教授)
委 員 石田 弘明(学校法人明星学苑明星大学教授)
委 員 大津山澄明(学校法人大阪産業大学教授)
委 員 河村 篤男(国立大学法人横浜国立大学大学院教授)
委 員 古関 隆章(国立大学法人東京大学大学院教授)
委 員 島村  誠(国立研究開発法人防災科学技術研究所センター長)
委 員 須田 義大(国立大学法人東京大学教授)
委 員 水間  毅(国立大学法人東京大学大学院特任教授)

(参考)
  開催日時:平成28年11月18日(金)13:00〜
  場  所:中央合同庁舎3号館11階 特別会議室


添付資料


>FGTの不具合対策と今後の技術開発の進め方(まとめ)

●ここまでの検討結果

車軸の摩耗対策
 改良台車による室内回転試験の結果、通常状態(設計荷重載荷状態)では、約37,500km走行後も摩耗は確認されず。一方、実走行時の車両振動を模して荷重を増加させた条件では約9,000km走行した段階で摩耗が発生した。
 従って、今回の摩耗対策に一定の効果は認められるが、営業線での高速走行時の上下振動により摩耗が促進される可能性も否定できず、現時点で60万km相当走行できる耐久性を有すると判断するのは難しい。
 ↓
実際の営業線において、約1万km程度の検証走行試験を行うことにより、摩耗対策効果を最終的に確認してまいりたい。

高速走行安定性
 高速走行安定性試験(高速回転中の台車を横方向へ強制加振した際の台車挙動の確認試験)を実施したところ、一定の条件では台車の揺れが顕著となった。
 高速安定性は、関連する部品等の摩耗の進展に伴い悪化する傾向にあるため、耐久走行試験の実施にあたっては、より詳細な検討が必要。
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部品摩耗の進展が高速走行安定性に及ぼす影響について、検証走行試験でモニタリングをしながら、詳細な調査と必要な対策を検討してまいりたい。
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検証走行試験等の実施
 約半年間:約1万km程度


経済性の検討
 営業車としての使用を念頭に、フリーゲージトレインの経済性の検討を行ったところ、今回の不具合への対応も影響して、一般の新幹線に比較して、およそ2.5〜3倍程度(車軸の交換周期に依存)のコスト増と試算された。
 従って、収支採算性の観点から、フリーゲージトレインの実用化に向けたコスト削減が必要。
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フリーゲージトレイン特有の高価な部品の再利用など、低コスト化のための検討を推進してまいりたい。
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コスト削減策の検討

●今後のスケジュール案
 上記について、検証走行試験の結果等を踏まえて、改めて軌間可変技術評価委員会に評価していただいたうえで、3モード耐久走行試験を再開したい。
 なお、検証走行試験の結果等については、今後の試験実施状況等にもよるが、来年初夏を目途にとりまとめたい。




【参考1】検証走行試験と耐久走行試験について


●車軸の摩耗対策
検証走行試験約1万km(半年間程度)
〇実際の走行環境下で摩耗対策の効果をきめ細かく確認する。
・車軸表面の目視・触診による状態確認及び超音波検査装置を用いた車軸の摩耗量測定(数μm単位)
  注)μm=10-6m
・潤滑油の適切な給脂頻度を設定するため、定期的に車軸等に給脂(最初は数日に1回の頻度)
・約1万km走行後は台車を分解し、車軸等の詳細調査を実施
 ↓耐久走行試験再開の判断
摩耗対策効果の確認と点検頻度、給脂頻度を設定
 ↓
耐久走行試験60万km(約3年間注)
 ※)検証走行試験の結果により変更があり得る
〇60万km連続して走行することで、部品の長期耐久性や交換周期を検証
・10万km走行毎に台車を分解して詳細検査(初期段階は数万km毎に実施予定)
・超音波検査装置により定期的に車軸の摩耗を調査【頻度は検証走行試験の結果により設定)】

●高速走行安定性
〇車輪の回転ガタ(部品間の僅かな隙間によるズレ)等が高速走行安定性に与える影響を確認する。
・定期的に(頻度は検討中)車輪のガタを測定し、高速走行安定性に与える影響を検証
 ↓耐久走行試験再開の判断
安全に高速走行できることを確認
 ↓
耐久走行試験60万km(約3年間注)
 ※)検証走行試験の結果により変更があり得る
〇60万km連続して走行することで、車輪の削正周期や回転ガタの補修周期を検証
・10万km走行毎に台車を分離して、回転ガタや車輪の摩耗を測定するとともに、回転台試験で高速走行安定性を確認(初期段階は数万km毎に実施予定)

※走行ルートは、いずれも、九州新幹線(熊本〜鹿児島中央間)、新八代接続線(軌間変換)、鹿児島本線(熊本〜八代間)である。



【参考2】不具合の発生及び対策検討に関する経緯


平成26年10月
・九州新幹線、軌間変換、在来線(鹿児島本線)を繰り返し走行し、60万kmを走行する3モード耐久走行試験を開始。
平成26年11月
・約3万km走行した時点で車軸に摩耗が確認されたこと等から、走行試験を休止し、原因究明のための詳細調査を実施。
 ◎車軸とすべり軸受の接触部に微細な摩耗痕の発生
 ◎スラスト軸受のオイルシールの部分的な欠損
平成27年12月
・学識経験者による「軌間可変技術評価委員会」において、不具合の原因と対策案が了承される。
 ◎今後、改良台車等による検証試験を行い、対策の効果を確認する。
 ◎今回の不具合を踏まえて、営業車としての使用を念頭に、メンテナンスの検討を行う。
 ◎次回(平成 28年秋頃)の技術評価委員会において、耐久走行試験の再開を判断する。
(参考)平成28年3月
・九州新幹線(西九州ルート)について、武雄温泉〜長崎間の施設が完成する平成34年度に、武雄温泉駅での対面方式乗換え方式により開業すること等を、関係者間で合意。
平成28年5月
・長崎県、佐賀県等に対して、不具合対策の検討状況、耐久走行試験再開の条件を説明。
 【耐久走行試験再開の条件】
 ◎車軸摩耗対策については、走行距離 60万km程度の耐久性を有すると認められること。
 ◎車軸の健全度の判定のための摩耗限度値等の設定と、その検査技術等が確立すること。
 ◎検査周期や部品交換周期、メンテナンスコストを含む維持管理費が、一定の水準に収まる見通しが立つこと。

平成28年11月
・軌間可変技術評価委員会

 ◎摩耗対策を講じた改良台車による室内台車回転試験の結果、営業車としての使用を想定したメンテナンスや経済性の検討結果等を報告。
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