NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.1478 【JR東海】新型電子踏切装置の開発について
ほりうち(ccbu8181) 2016-11-10 11:05:24
平成28年11月9日
東海旅客鉄道株式会社


             新型電子踏切装置の開発について


 当社では、踏切の安全性・信頼性を向上させるため、踏切を制御する踏切装置を電子化する取り組み(電子踏切化)を進めています。
 今般、当社小牧研究施設において、より高い安定性・信頼性を有する「新型電子踏切装置」を開発しましたのでお知らせします。

1.電子踏切装置について
・遮断機や警報機が付いている踏切には、機器の動作を制御するための踏切装置が設けられており、継電器(※1)により機械的に制御する「機械式踏切装置」と、コンピュータにより制御する「電子踏切装置」があります。
・当社管内には、警報機が付いている踏切が約1800箇所ありますが、このうち約75%が「電子踏切装置」、約25%が「機械式踏切装置」による制御をしています。
 ※1:内蔵しているコイルに電気を流し、電磁石の力を利用して電気回路の構成、遮断を行う機器。

2.新型電子踏切装置の特長と効果
@踏切装置の設計見直しによる雷・気温への耐久性向上及び長寿命化
<特長>
・配線や機器配置を工夫し、雷による過電流を回避しやすい設計としました。
・温度変化による制御回路の金属接合部分の劣化を防ぐため、制御回路をコーティングした上、踏切装置を格納する器具箱の耐熱・排熱性能を向上し、温度変化に強い仕様としました。
<効果>
・落雷や気温(高温や温度変化)に対する耐久性が向上することで踏切故障リスクを減少し、高い安定性を確保するとともに、装置寿命が約30%延びます。

A踏切装置の共通化による作業の効率化及び製作コストの削減
<特長>
・従来型の電子踏切装置は、列車が複雑に行き交う駅構内の踏切用(高度な情報処理能力が必要)と、駅間にある踏切用(駅構内より情報処理が簡易)の2種類に分かれていますが、高性能な汎用集積回路を採用することで1種類に共通化しました。
<効果>
・使用する部品、取扱方法、メンテナンス方法が一本化され、施工時やメンテナンス時の作業効率が向上します。
・従来と比べ、装置本体1台あたりの製作費を約25%低減します。

【備考】
これまで、集積回路の部分には、CPU(中央演算処理装置)を使用していましたが、今回、この集積回路の部分に、FPGA(※2)と呼ばれる汎用集積回路を採用しました。踏切装置の集積回路に、CPUに替えてFPGAを採用するのは当社が初となります。
※2: FPGA(Field Programmable Gate Array)とは、産業用や開発用に広く用いられている集積回路で、ICパッケージ内にセルと呼ぶ最少機能のブロックを多数配置し、組み合わせにより高度な機能が実現できます。



3.導入予定時期
 平成29年4月以降、「機械式踏切装置」及び「電子踏切装置」で制御している踏切(約1800箇所)を対象に、整備を進めていきます。

4.その他
 今後も電子踏切装置の機能向上に向けた技術開発を進めてまいります。