NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.625 【国土交通省】踏切道改良促進法等の一部改正を閣議決定
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2016-02-02 21:25:45
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省                            PressRelease
MinistryofLand,Infrastructure,TransportandTourism

                              平成28年2月2日
                       国土交通省道路局・都市局・鉄道局

    「踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案」を閣議決定


危険な踏切や渋滞の原因となる踏切について、改良の方法が合意されていなくとも指定する仕組みに改正し、地域の声を取り込みながら当面の対策や踏切周辺対策など幅広い手法も活用して対策を促進するとともに、道路の安全確保や利便性の向上のための道路協力団体制度を創設する「踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案」が、本日、閣議決定されました。


1.背景と課題
 昭和36年の踏切道改良促進法の施行から50年余がたち、踏切数は半減、遮断機の無い踏切も大幅に減少しました。しかしながら、踏切事故は依然として多く、約1日に1件、約4日に1人死亡するペースで発生、また、開かずの踏切が全国で約600箇所存在しています。
 現行法では、鉄道事業者と道路管理者が改良の方法について合意した踏切道でなければ改良すべき踏切道として指定できないのが実態となっています。また、改良の方法が限定され、多様な対策を取り込みづらいなどの課題もあります。
 この法律案は、こうした課題を解決するため、踏切道の改良を促進し、道路及び鉄道の安全性確保を図るものです。併せて、歩道も含めた道路上の安全性の向上、交通の円滑化を図ることとしています。

2.法律案の概要
(1)踏切道改良促進法の一部改正 

@改良すべき踏切道の指定期限を5年間延長
 ※課題のある踏切は、鉄道事業者及び道路管理者で改良の方法が合意できていなくても国土交通大臣が指定し、期限を定めた対策を促進
A従前の対策に加え、当面の対策(カラー舗装等)や踏切周辺対策(駅周辺の駐輪場整備やバリアフリー化等による踏切横断交通量の低減)等を位置づけ、ソフト・ハード両面からできる対策を総動員
B地域の関係者と連携し、地域の実情に応じた踏切対策を検討するための協議会制度の創設

(2)道路法の一部改正
@民間団体等の活動と連携した道路の安全確保、利便性向上を図るための道路協力団体制度の創設
A危険な不法占用物件について道路管理者による迅速な除去を可能とする対策の強化


概要

●踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案

 交通の安全の確保とその円滑化を図るため、踏切道改良促進法の指定期限を5年間延長す るほか、地域と連携した幅広い踏切道の対策を促進するための措置を講じるとともに、民間によ る維持管理・利便性向上を促進するための道路協力団体制度の創設、道路上の不法占用物件 に係る対策の強化等の所要の措置を講ずる。

@踏切道改良促進法の一部改正
◆依然として多い踏切事故・渋滞
 ┌ 法施行(S36年)後50年で、       ┐
 │ ・踏切数半減(約7万→約3.4万)    │
 └ ・遮断機の無い踏切も約1割まで減少 ┘

◇踏切事故は約1日に1件、約4日に1人死亡
  ※踏切事故件数248件、 死亡者数92人(H26年度)
 死亡者に占める歩行者の割合:約8割/(うち65歳以上の高齢者:約4割)
◇開かずの踏切は約600箇所存在する
 一方、 立体交差化等の抜本対策には長期間が必要
  ※開かずの踏切の事故件数は他の踏切の約4倍
◇現行法に基づく踏切改良の方法は、
 ・立体交差化
 ・構造の改良
 ・保安設備の整備 等に限定
◇鉄道事業者・道路管理者以外の地域の関係者と連携した取組が必要

◆改正概要
○改良すべき踏切道の指定期限を5年間延長 (H28〜32年度)
 ※課題のある踏切は、改良の方法が合意されていなくと も指定する仕組みに改正。

○踏切道の改良方法の拡充
→従前の対策に加え、当面の対策(カラー舗装等)や 踏切周辺対策(駅周辺の駐輪場整備やバリアフリー化等 による踏切横断交通量の低減)等を位置づけ、ソフト・ ハード両面からできる対策を総動員

○改良方法を検討するための協議会制度の創設
→地域の関係者と連携し、地域の実情に応じた対策を検討
 ※保安設備整備に係る補助制度の拡充により、高齢者 等の歩行者事故対策を強化。 また、連続立体交差化を無利子貸付で支援(継続)。

改正法に基づき、課題のある踏切を指定し、H32年度までに下記の達成を目指す。
 ※少なくとも1,000箇所以上を指定。
・踏切事故件数:約1割削減
 (H26年度 248件 → H32年度 約220件)
・踏切遮断による損失時間:約5%削減>
 (H25年度 約123万人・時/日 → H32年度 約117万人・時/日)

A道路法の一部改正
◆道路の安全確保、利便性向上の必要性
◇民間団体等の活動と連携して道路の管理の一層の充実を図る必要
◇民間団体等によるスムーズな活動環境を整える必要
◇看板等による点字ブロックの遮断、強風に煽られたのぼり旗による交通への危険等が存在

◆改正概要
○道路協力団体制度の創設
→清掃や道路の陥没等の異常発見等、民間団体等による道路管理の充実、道路の利便増進等(占用許可等の手続を簡素化)

○不法占用物件に係る対策の強化
→道路管理者が、車両からの落下物等だけでなく、交通に危険を及ぼす不法に設置された看板等を 除去可能に

⇒踏切道、歩道等を含めた道路及び鉄道の安全性の向上、交通の円滑化