NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.827 【国土交通省】H27度末の新幹線脱線対策の進捗状況
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2016-04-05 22:53:07
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省                            PressRelease
MinistryofLand,Infrastructure,TransportandTourism

                              平成28年4月5日
                              鉄道局 技術企画課

        平成27年度末における新幹線脱線対策の進捗状況について


 新幹線脱線対策協議会を構成する各社の平成27年度末における新幹線脱線対策の取組の進捗状況を取りまとめましたのでお知らせします。


 新幹線脱線対策協議会は平成16年の新潟県中越地震において、営業中の新幹線が初めて脱線したことを踏まえ設置されたものであり、この協議会が中心となり構造物の耐震補強や関連する技術開発が進められてきました。(協議会構成:別紙1)
 当協議会を構成する各社の取組を毎年度事務局において取りまとめており、今般、平成27年度末における取組の進捗状況について、別紙2のとおり取りまとめましたので、お知らせします。

1.構造物の耐震対策
 阪神・淡路大震災を受け実施した緊急耐震補強については、概ね完了しており、緊急耐震補強を実施した高架橋については、東日本大震災において損傷はなかった。東日本大震災後、各社において更なる対策を実施中。

2.早期地震検知システムの充実等
 地震計の増設、地震検知システムの機能強化、列車ブレーキ力の向上等、地震時に列車を早期に停止させる取組みを各社において実施中。

3.脱線・逸脱防止装置
 地震時の列車の脱線を極力防止する装置の整備、また、仮に脱線した場合においても、線路から大きく逸脱することを防止する装置の整備を各社において実施中。


別紙1
      新幹線脱線対策協議会構成

 北海道旅客鉄道株式会社
 東日本旅客鉄道株式会社
 東海旅客鉄道株式会社
 西日本旅客鉄道株式会社
 九州旅客鉄道株式会社
 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
 公益財団法人 鉄道総合技術研究所国土交通省

<事務局>
 国土交通省鉄道局技術企画課


別紙2
            新幹線脱線対策の進捗状況

1.構造物の耐震対策
 阪神・淡路大震災を受け実施した緊急耐震補強については、概ね完了しており、緊急耐震補強を実施した高架橋については、東日本大震災において損傷はなかった。東日本大震災後、各社において推進中の地震対策に加え、更なる対策を実施。

平成27年度末
事業者名
・追加対策内容
・整備期間

JR東日本
・南関東・仙台等・その他エリアにおける曲げ破壊先行型に対する耐震補強
・震災前の平成 21年度より実施。平成24年度から5年間を重点的な整備期間として推進。

JR東海
・東海地震の際に強く長い揺れが想定される激震地区(三島〜豊橋間)に対する耐震補強
・震災前より実施。平成21年度完了

JR西日本
・東海・東南海・南海地震想定エリアにおける曲げ破壊先行型に対する耐震補強
・平成24年度より実施。概ね平成34年度を目途に完了予定。

 ※JR北海道・JR九州については対策が必要な箇所はなし。

2.早期地震検知システムの充実等
 東日本大震災以降、検知点の増設、システムの機能向上及び列車ブレーキの改良を実施(早期地震検知システム)
 地震計が初期の小さな地震波を検知することにより、大きな地震波の到来が推定された場合や一定の大きさを超える地震波を検知した場合に、鉄道変電所から列車への送電を自動的に停止し、列車の非常ブレーキを動作させ減速、停止させるシステム

◆地震時に列車を早期に停止させる取組み
 各社において、地震計の増設、地震検知システムの機能強化、列車ブレーキ力の向上を図るなど、列車を早期に停止させる取組みを行っているところである。
 ┌────┬────────┬──────────────────────┐
 │    │ 地震計設置箇所 │                      │
 │    (平成27年度末現在)│    東日本大震災以降の主な改良内容    │
 │    │遠方│沿線│ 計 │                      │
 ├────┼──┼──┼──┼──────────────────────┤
 │JR東日本│ 50 │ 85 │135 │○首都圏及び内陸への地震計を30箇所増設   │
 │    │  │  │  │○気象庁の緊急地震速報を導入        │
 ├────┼──┼──┼──┼──────────────────────┤
 │JR東海 │ 21 │ 50 │ 71 │○沿線地震計への P波による検知機能追加   │
 │    │  │  │  │ および遠方地震計への S波による検知機能追加│
 ├────┼──┼──┼──┼──────────────────────┤
 │JR西日本│ 14 │ 59 │ 73 │○遠方地震計に S波による検知機能追加    │
 ├────┼──┼──┼──┼──────────────────────┤
 │JR九州 │ 6 │ 12 │ 18 │○気象庁の緊急地震速報を導入        │
 └────┴──┴──┴──┴──────────────────────┘
・JR東日本、JR西日本及びJR九州においては、震災前に沿線地震計へのP波検知機能追加済み。
・JR東日本及びJR九州においては、震災前に遠方地震計へのS波検知機能追加済み。
・JR東海及びJR西日本においては、震災前に緊急地震速報導入済み。
・JR北海道においては、開業時に地震計(遠方9箇所、沿線8箇所、計17箇所)を設置済み(S波、P波検知機能を有する)。
・各研究機関が設置している海底地震計の利用に向けて、関係機関との調整、検討を進めている。

3.脱線・逸脱防止装置
平成27年度末

●JR北海道・JR東日本・JR西日本(北陸新幹線)
 仮に脱線した場合においても、台車に取り付けたL型の逸脱防止ガイドがレールに引っ掛かることにより、線路から大きく逸脱することを防止する。
 ┌────┬─────────┬────┬────┬─────┐
 │ 事業者 │   対 策   │ 計画数 │ 実績 │ 完了年度 │
 ├────┼─────────┼────┼────┼─────┤
 │JR東日本│ 逸脱防止ガイド │ 132編成│ 132編成│平成23年度│
 │    │レール転倒防止装置│約360km │約360km │平成26年度│
 └────┴─────────┴────┴────┴(南関東・仙台等エリア)

●JR東海・JR九州
 脱線防止ガードにより地震時の列車の脱線を極力防止する。
 また、仮に脱線した場合においても、台車に取り付けた逸脱防止ストッパが脱線防止ガードに引っ掛かることにより、線路から大きく逸脱することを防止する。
 ┌───┬────────┬────┬────┬────────┐
 │事業者│   対策   │ 計画数 │ 実績 │ 完了(予定)年度 │
 ├───┼────────┼────┼────┼────────┤
 │JR東海│脱線防止ガード │ 596km │約360km │  平成31年度 │
 │   │逸脱防止ストッパ│ 135編成│ 135編成│  平成24年度 │
 ├───┼────────┼────┼────┼────────┤
 │JR九州│脱線防止ガード │約 55km │約 48km │  平成29年度 │
 │   │逸脱防止ストッパ│ 11編成│ 11編成│  平成24年度 │
 └───┴────────┴────┴────┴────────┘

●JR西日本(山陽新幹線)
 仮に脱線した場合においても、レールの内側に敷設した逸脱防止ガードに車輪が引っ掛かることにより、線路から大きく逸脱することを防止する。
 ┌────────┬────┬────┬────────┐
 │   対策   │ 計画数 │ 実績 │ 完了(予定)年度 │
 ├────────┼────┼────┼────────┤
 │逸脱防止ガード │ 220km │ 110km │  平成34年度 │
 │逸脱防止ストッパ│ 83編成│ 83編成│  平成26年度 │
 └────────┴────┴────┴────────┘
 ※相互直通することから、他社対策である逸脱防止ストッパによる対策も実施している。
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