NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.1884 【JR海】地震防災システムの機能強化等について
ほりうち(ccbu8181) 2017-03-04 00:48:18
平成29年3月2日
東海旅客鉄道株式会社


           地震防災システムの機能強化等について


 当社では、地震発生時における安全性向上の取組みを着実に進めています。このたび、地震防災システムを構成する在来線の沿線地震計について、機能強化を図ることとしましたので、構造物等の耐震化の進捗状況と合わせてお知らせします。

1.在来線沿線地震計の機能強化
(1)地震防災システムの概要
 地震防災システムは、大規模地震を遠方で検知し早期に警報を発する「東海道新幹線早期地震警報システム(通称:テラス)」と、沿線の揺れを直接とらえる「沿線地震計」から構成され、平成20年には、気象庁からの緊急地震速報をテラスと併用して多重化しました。
 在来線では、これらの情報を活用し、地震の影響が大きいと判断される区間の列車の運転台に警報を鳴動させるシステムとなっています。このシステムにより警報を受けた運転士は、直ちに非常ブレーキをかけて列車を停止させます。

(2)強化する機能及び効果
 地震動については、「初期のわずかな地震動(P波)」と、その後に生じる「主要な地震動(S波)」の2種類があります。
 在来線に使用している沿線地震計(全44箇所)は、P波と列車走行の微振動を区別することが難しいという課題があり、S波を検知して各列車に警報を発信する仕組みでしたが、平成25年に、P波と列車走行の微振動を区別することが技術的に可能となり、新幹線の沿線地震計にP波を検知する機能を導入したのに合わせ、在来線においても、新幹線と共用の沿線地震計(7箇所)について、P波の情報を活用して早期に列車に警報を発信できるよう、地震防災システムの機能を強化しました。
 その後、強化されたシステムが安定的に運用できていることを踏まえ、今回、在来線の各線区に設置している沿線地震計についても、取替のタイミングに合わせ、P波を検知する機能を導入します。これにより、S波を検知する場合と比較して、警報を1〜2秒早く発することが可能となり、従来よりも早く列車を減速・停止させることで安全性が向上します。

(3)導入計画
 H34年度までに37箇所に順次導入します。(別紙参照)

(4)工事費
 約2.5億円


2.在来線における耐震化の進捗状況
(1)高架橋柱の耐震化
・省令では、首都直下地震及び南海トラフ地震で大きな揺れが予想される地域で、1日平均断面輸送量が片道1万人以上の線区(下図:赤線)または緊急輸送路等へ影響を及ぼす区間の高架橋柱の対策が定められており、当社管内では約4,545本が該当します。
・一方、当社では、省令とは別に、「ピーク時1時間あたり片道列車本数が10本以上の高密度線区(下図:青線)」および「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間(下図:緑線)」の高架橋柱について、「省令対象外となる高架橋柱」も含め、独自に耐震化の対策を進めてきました。
・これら対策の対象である高架橋柱約5,075本のうち、今年度末までに約5,020本
(99%)の耐震化が完了します。
・なお、平成29年度末までに、省令対象を含む、対象の高架橋柱すべての耐震化が完了する見込みです。
┌────┬────────┬───────────────┬──────┐
|    |  高密度線区  |    東海地震において    |      |
|    |片道10本/h以上|強く長い地震動が想定される区間|  合計  |
|    ├────────┼───────┬───────┼──────┤
|    |  省令対象  |  省令対象  | 省令対象外 |      |
├────┼────────┼───────┼───────┼──────┤
| H28末 |  すべて完了  |  約2,965本 | 約520本完了 | 約5,020本 |
|進捗見込| (約1,535本)  |   完了   |       |  完了  |
|(対象数)|        | (約3,010本) |  (約530本) | (約5,075本)|
└────┴────────┴───────┴───────┴──────┘

(2)駅舎の耐震化
・省令の対象である、お客様のご利用が1日あたり1万人以上の駅について、今年度、橋上化にあわせ草薙駅、春日井駅の工事を終え、全44駅の耐震化が完了しました。
・当社が独自に対策を進める5千人以上1万人未満の32駅については、今年度、新所原駅、
恵那駅の工事を終え、計28駅の耐震化が完了します。
・残る4駅のうち、平成29年度末の時点で、天竜川駅、鷲津駅の耐震化が完了する予定です。
 これにより、橋上化を計画中の2駅(蟹江駅、裾野駅)を除く全ての対象駅で耐震化が完了する見込みです。
┌────────┬──────────┬──────────┬───┐
|1日のご利用人数|1万人以上(省令対象)|5千人以上1万人未満| 合計 |
├────────┼──────────┼──────────┼───┤
| H28末進捗状況 |   すべて完了   |    28駅    | 72駅 |
|  (対象数)  |    (44駅)    |    (32駅)    |(76駅)|
└────────┴──────────┴──────────┴───┘

3.駅天井の脱落対策
・地震時における駅の安全性を一層向上するため、今年度より、新幹線全17駅と、お客様のご利用が1日1万人以上の在来線30駅について、駅天井の脱落対策を進めています。
・現在は、名古屋駅中央コンコースで工事を進めています。
・平成29年度は、名古屋駅、品川駅、金山駅、大曽根駅、勝川駅、磐田駅で工事を進める予定です。

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 地震防災システム
画像サイズ: 1012×303(32%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 耐震補強対象区間
画像サイズ: 814×560(39%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 駅天井の脱落対策
画像サイズ: 662×298(48%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 駅天井の脱落対策
画像サイズ: 428×310(75%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 沿線地震計配置状況
画像サイズ: 1024×774(31%表示)