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No.9049 (Re:9009) 【国土交通省】南海電鉄旅客運賃上限変更を認可 10/1実施予定
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2023-02-04 01:49:30
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省                         Press Release
Ministry of Land,Infrastructure,Transport and Tourism

                           令和5年 2月 3日
                           鉄道局鉄道事業課

 南海電気鉄道株式会社の鉄道事業の旅客運賃の上限変更認可について


 令和4年10月28日付けで南海電気鉄道株式会社(以下「南海電気鉄道」)より申請のあった、旅客運賃の上限変更については、令和5年1月24日に運輸審議会より「認可することが適当である」旨、答申が出されましたので、本日、国土交通省として認可いたしました。


 鉄道の旅客の運賃は、鉄道事業法第16条第1項に基づき、その上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならないとされています。認可にあたっては、同法16条第2項に基づき、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査することとされており、また、同法第64条の2に基づき、運輸審議会に諮らなければならないこととされています(軌道法においても同様の取り扱いを実施)。
 令和4年10月28日付けで南海電気鉄道より申請のあった、旅客運賃の上限変更について、運輸審議会に諮問したところ、令和5年1月24日に「認可することが適当である」旨の答申が出されました。これを受け、本日、国土交通省として申請どおり認可をいたしました。

■運賃の改定概要
○南海電気鉄道においては、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響等により、鉄道事業では、2年連続で営業損失を計上するなど厳しい経営状況にある。 
○今後も、沿線の生産年齢人口の減少や、テレワークの進展などの生活様式の変化等により、従来の利用人員までは回復しない見通し(▲8.5%減(令和5年度見込み令和元年度年度比)。 
○一方で、激甚化する自然災害対策、踏切道や車内防犯などの安全対策、老朽化した車両の更新、バリアフリー化の促進、輸送サービスの向上等など、今後もコロナ禍以前と同水準の設備投資や安全性確保のため設備の維持管理等を実施していく必要がある。 
○このため、南海電気鉄道の徹底した経営努力を前提に、運賃改定を実施するもの。なお、家計への負担に配慮し、通学定期については、現行割引率による値上げ額の半額程度に、値上げ額を抑制する。 
○今回の認可では、令和11年3月31日までの期限を設け、運賃改定後の令和6年度から3年間(令和8年度まで)の総収入と総括原価の実績を確認することとする。

(変更内容)
○普通旅客運賃
・初乗り(1〜3km)運賃については20円、4〜15kmを30円、16km以上については40円の値上げとする。コロナ前(令和元年度)における平均乗車キロが16.2qであることから、この区間を含む区間から上げ幅を40円で統一し、長距離帯の負担軽減を図る。

○定期旅客運賃
(通勤定期旅客運賃)
・普通旅客運賃に合わせて改定するとともに割引率を1.8P(38.8%⇒37.0%)引き下げ。普通旅客運賃に合わせて長距離帯の負担軽減を図るとともに、通勤定期の利用の回復が限定的であることを踏まえて割引率を見直す。
(通学定期旅客運賃)
・普通旅客運賃に合わせて改定するとともに割引率を1.1P(79.1%⇒80.2%)引き上げ。普通旅客運賃に合わせて長距離帯の負担軽減を図るとともに、家計への負担に配慮し、現行割引率による値上げ額の半額程度に値上げ額を抑制する。

○実施予定年月日:令和5年10月1日

○改定率
 ┌────┬─────┐
 │    │ 改定率 │
 ├────┼─────┤
 │普通運賃│ 9.0%│
 │定期運賃│11.4%│
 ├────┼─────┤
 │全  体│10.0%│
 └────┴─────┘
○収入実績及び推定(単位:百万円)
 ┌────┬──────┬─────────────┐
 │    │ 令和3年度 │令和6〜8年度推定(3年間平均)
 │    │ (実績) │ 現  行 │ 改  定 │
 ├────┼──────┼──────┼──────┤
 │ 収入 │41,706│51,729│56,065│
 ├────┼──────┼──────┼──────┤
 │ 原価 │50,312│59,746│59,746│
 ├────┼──────┼──────┼──────┤
 │差引損益│▲8,606│▲8,017│▲3,682│
 ├────┼──────┼──────┼──────┤
 │ 収支率 │ 82.9%│ 86.6%│ 93.8%│
 └────┴──────┴──────┴──────┘

 ※定期運賃の割引率(1箇月)
  通勤37.0%(現行38.8%)
  通学80.2%(現行79.1%)

<参考>
○鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
 (旅客の運賃及び料金)
第十六条 鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
3〜5(略)
(運輸審議会への諮問)
第六十四条の二 国土交通大臣は、次に掲げる処分等をしようとするときは、運輸審議会に諮らなければならない。
一 第十六条第一項の規定による旅客運賃等の上限の認可
二〜五(略)