ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2017-08-15 23:08:02 |
(4)第二次審査
第二次審査は、第二次審査参加者の中から、優先交渉権者及び次点交渉権者を選定するものである。第二次審査には、第一次審査で選定されたコンソーシアムの全てが参加し、全てのコンソーシアムから提案を受領した。第二次審査は、次のとおり実施した。 @提案審査 国との競争的対話を経た上で第二次審査参加者が提案する本事業に関する具体的な目標及び計画並びに個別の施策が適切なものとなっているか、また、それらが実現可能性の高いものかどうかについて審査を行った。 審査委員会では、第二次審査書類に含まれる提案審査書類について協議及び選定基準に基づく採点を行って、得点案を作成し、国に報告した。なお、審査委員会における審査では、現地調査や関係者へのヒアリングを踏まえて作成された提案審査書類を審査するとともに、審査委員会に対するプレゼンテーション(質疑応答を含む。)による提案内容の確認を行った。 A提案審査における審査基準 A)提案項目 審査提案書類における提案項目、審査のポイント及び対応する様式は、選定基準に記載のとおりである。各提案項目は、対応する様式について、関連する様式との整合性を踏まえて審査した。 B)得点案の計算方法 提案項目の配点は、選定基準に記載のとおりである。審査委員が審査を行うにあたっては、提案項目ごとに審査のポイントに挙げた事項を考慮し、その提案が優れていると認められるものについては、その程度に応じて得点を与えた。 審査委員会は、審査委員が採点した各提案項目の得点のうち最高点及び最低点を除いたものの平均点を当該項目の点数として算出した。2以上の提案項目ごとに配点が付与されるものについては、その対象となる提案項目を総合的に考慮して、選定基準に記載の配点を上限に採点した。審査委員会は算出された点数を合計することにより得点案を作成した。 B審査委員会の採点結果 審査委員会は、次のとおり第二次審査参加者の得点を決定した。 ┌────────┐ ┌────────────────────────┤ コンソーシアム │ │ 項目 │ B │ C │ F │ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │A)全体事業方針 ┌──┬──┬──┤ │ 将来イメージ・基本コンセプト │ 5.1│ 5.3│ 4.8│ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │B)空港活性化に関する計画 ┌──┬──┬──┤ │ 旅客数・貨物量の目標値及び着陸料等の料金提案、│28.6│30.0│21.1│ │ エアライン誘致提案、地域の魅力向上に関する提案│ │ │ │ │ ───────────────────────┼──┼──┼──┤ │ 目標とする航空サービス利用者の利便性向上の水準│15.1│15.5│15.0│ │ 及びそれに関する提案、空港用地外の事業者との連│ │ │ │ │ 携提案 │ │ │ │ │ ───────────────────────┼──┼──┼──┤ │ 目標とする航空サービス利用者以外の空港利用者の│ 5.0│ 4.5│ 4.6│ │ 利便性向上の水準及びそれに関する提案 │ │ │ │ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │C)設備投資に関する計画 ┌──┬──┬──┤ │ 空港の機能維持を目的とする設備投資の総額及びそ│ 7.3│ 7.5│ 7.5│ │ れに関する提案 │ │ │ │ │ ───────────────────────┼──┼──┼──┤ │ 空港活性化を目的とする設備投資の総額及びそれに│ 8.5│13.0│ 5.3│ │ 関する提案 │ │ │ │ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │D)安全・保安に関する計画 ┌──┬──┬──┤ │ 安全・保安に関する提案 │13.0│13.3│12.5│ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │E)提案事業に関する実施計画 ┌──┬──┬──┤ │ 地域共生事業に関する提案 │ 5.3│ 6.3│ 6.6│ │ ───────────────────────┼──┼──┼──┤ │ 空港利用促進事業に関する提案 │ 6.3│ 6.0│ 5.5│ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │F)事業計画及び事業継続、事業実施体制 ┌──┬──┬──┤ │ 事業計画及び事業継続に関する提案 │ 8.8│ 8.6│ 8.3│ │ ───────────────────────┼──┼──┼──┤ │ 事業実施体制 │ 7.6│ 7.5│ 6.5│ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │G)職員の取扱い ┌──┬──┬──┤ │ 職員の取扱いに関する提案 │ 7.3│ 6.8│ 6.1│ ├────────────────────────┴──┴──┴──┤ │H)運営権対価等 ┌──┬──┬──┤ │ 運営権対価の額及び資金調達の確実性 │37.6│40.0│33.6│ └────────────────────────┼──┼──┼──┤ 合計 155.5 164.3 137.4│ └──┴──┴──┘ C優先交渉権者等の選定 国は、審査委員会から報告を受けた得点案をもとに、第二次審査参加者の得点及び順位を決定し、財務大臣その他関係行政機関の長と協議した上で、第一位の第二次審査参加者を優先交渉権者として選定した。また、第二位の第二次審査参加者を次点交渉権者として選定した。 優先交渉権者 コンソーシアムC:三菱地所・大成建設・パシコングループ 次点交渉権者 コンソーシアムB:高松空港 ORIGINALSグループ 4.VFMの評価 (1)定量的評価 VFM(Value ForMoney)の定量的評価に当たっては「公共施設等運営権及び公共施設等運営事業に関するガイドライン」に準じ、管理者等自らが当該事業を実施した場合に事業期間中に得られる利益を現在価値に割り戻したものと、運営権者が支払う運営権対価の比較による評価を行った。 平成25年度、26年度及び 27年度の空港別収支等によると、高松空港特定運営事業に相当する収支は3期連続して経常損失が生じている。つまり、高松空港特定運営事業の運営権対価がゼロ円を上回るときは、高松空港特定運営事業に VFMが認められることとなる。 これに対して、全てのコンソーシアムはゼロ円を上回る運営権対価を提案し、優先交渉権者は運営権対価を50億円とする提案をしたため、国は、かかる提案を受けたことをもって高松空港特定運営事業に VFMがあると評価した。 (2)定性的評価 優先交渉権者の提案からは、下記に示すとおりの定性的評価が認められた。 @民間の資金及び経営能力の活用による一体的・機動的な経営の実現 現在の高松空港は、@国が所有する空港基本施設等(Bに含まれる駐車場施設を除く。)、Aビル施設事業者が所有する航空旅客取扱施設及び航空貨物取扱施設並びにこれらに附帯する利便施設、B駐車場施設事業者が所有する駐車場施設が、それぞれ分離して運営されている。 優先交渉権者の提案によれば、本事業を通じて上記の全施設が運営権者に集約して運営されることで、空港全体としての一体的・機動的な経営の実現が期待できる。 A空港利用者等に対する良質なサービスの提供 優先交渉権者の提案によれば、国のモニタリングによって公共性・安全性を確保しつつ、運営権者が有する専門的な知識や技術を最大限に活用することにより、地域の玄関口である空港としてふさわしい利便性・快適性を有した航空輸送サービスの提供と、利用者負担の低減を実現することが期待できる。 B効率的な事業運営の実現 PFI事業として、競争性・透明性の高い優先交渉権者選定を行うことにより、良質なサービスをより効率的に提供することのできる運営権者を選定することが期待できる。また、実施契約に基づいて官民が適切にリスク分担を図ることにより、効率的な事業運営が期待できる。 C長期・継続的な事業運営の実現 優先交渉権者の提案によれば、安定的かつ戦略的な空港経営が可能となり、空港利用者等のニーズの変化に応じた柔軟なサービスの提供が期待できる。 以上 |
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