平成29年9月28日 東海旅客鉄道株式会社
N700Sに採用する新技術について
当社では、N700Sの平成30年3月の完成に向け準備を行ってきましたが、採用する新技術のうち、新たに検証が完了した主な内容についてお知らせします。すでにお知らせしたものを含めN700Sに採用する主な新技術は別紙1のとおりです。
1.高性能と軽量化を追求した新型台車(別紙2) 台車に求められる基本的な性能である信頼性、乗り心地、省メンテナンス性を高めつつ軽量化を達成。併せて走行時の騒音低減を実現。
(1)大幅な軽量化を実現した台車フレーム(別紙2−1) ・台車フレームの構造を工夫して下板の厚みを最適化。これにより、補強部材と溶接箇 所を削減し、信頼性の向上を図るとともに、1台車あたり約75kgの大幅な軽量化 を実現。 (2)小型・軽量化を追求した新幹線初の6極駆動モーター(別紙2−2) ・SiC素子を駆動システムへ採用したことにより、新幹線で初めてモーターの電磁石 を4極から6極に増やし電磁石を小さくすることで、小型かつ軽量な駆動モーターを 実現。軽量化効果は、1台車あたり約140kg。 (3)低騒音かつ信頼性の高い歯車装置の開発(別紙2−3) ・モーターの回転力を車輪に伝達する歯車に、新幹線の営業車で初めてヤマバ歯車を採 用。歯車が安定してかみ合うことで走行時の騒音を低減し、軸受の信頼性向上と省メ ンテナンスを実現。 (4)乗り心地を更に向上するフルアクティブ制振制御装置(別紙2−4) ・車体の揺れを大幅に抑え、特にトンネル区間での揺れを半減。従来のセミアクティブ ダンパに小型モーターとポンプを取り付けたコンパクトな構成を実現。
2.集電性能向上と省メンテナンスを実現した新型パンタグラフ(別紙3) パンタグラフの追従性を大幅に高めた「たわみ式すり板」を開発。更なる集電性能の向上と、すり板の長寿命化による省メンテナンスを実現。また、パンタグラフの支持部を3本から2本にすることで、1台あたり約50kgの軽量化を実現。
|