NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.3046 (Re:2874) 【JR海】東海道本線 パンタグラフ及び電力設備損傷の原因と対策について
ほりうち(ccbu8181) 2018-02-09 15:08:00
                           2018年2月9日
                          東海旅客鉄道株式会社


   東海道本線 パンタグラフ及び電力設備の損傷の原因と対策について


 2017年12月12日(火)、東海道本線で、列車のパンタグラフと電力設備の一部が損傷する事象が発生しました(※事象の概要は参考資料を参照)。その後、詳細な調査と原因分析を行った結果、原因が判明し、対策を決定しましたのでお知らせいたします。

1.ボルト破断に至った原因(別紙1−1、1−2)
(1)引上箇所での工事
・当該工事現場は、電車線(※)が切り替わる箇所(引上箇所)であり、仮設鋼材が線路から横に外れる電車線などを支える構造であったため、仮設鋼材に横方向の力が掛かる状態でした。
※電車線とは、列車に電力を供給するトロリ線や吊架線等の電線類を総称したものです。当該工事現場では、変電所から電車線に電力を供給する電線(き電線)などの取替に関する工事を進めていました。

(2)取付鋼材の変更時の問題
・電車線工事にあたり、当初準備していた2点支持の仮設鋼材(コの字型)のサイズが当該工事現場の電車線支持枠に合わなかったため、作業直前に別の1点支持の仮設鋼材(直線型)に変更しました。これにより、ボルト部分に掛かる力が大きくなりました。
・また、この鋼材変更の際、施工業者が、本来使用すべき標準品とは異なる、ボルト用の穴が通常よりも長く開いた鋼材を使用しました。これにより、長いボルト穴に沿ってボルトが動く状態となったため、本来は、電車線支持枠に固定されているはずの仮設鋼材及びボルトが、架線の重さによる垂直方向の力及び横方向の力を受けた場合、横回転する状態になりました。これにより、ボルトの上部が電車線支持枠によって押し広げられ、結果としてボルト下部の屈曲部を開く方向に力が働く状態になりました。

(3)ボルト破断に至ったメカニズム
・引上箇所のため仮設鋼材に横方向の力が働いていたことに加え、列車通過時の振動や温度変化の影響が複合的に作用し、仮設鋼材に開いた長穴に沿って、ボルトの屈曲部が開く方向に大きな力が加わったため、ボルトの破断に至りました。

2.対策(別紙2)
(1)使用する仮設鋼材
・電車線工事においては、ボルト穴が長く開いた仮設鋼材は使用せず、必ずボルトのサイズと適合しているボルト(丸)穴の開いた仮設鋼材を使用することとします。

(2)仮設鋼材の固定方法
・電車線に横方向の力が働く引上箇所では、十分な強度を有する2点支持の固定方法とします。

※入力者注:リリースは「事象の概要は参考資料を参照」となっておりますが、当該参考資料は親発言である#2874の内容ですので、参考資料の添付は省略させていただきます。
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 【別紙1−1】ボルト破断に至った原因
画像サイズ: 1021×764(31%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 【別紙1−2】ボルト破断に至った原因
画像サイズ: 1023×765(31%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 【別紙2】対策
画像サイズ: 1023×765(31%表示)