TOBU NEWS
2018年11月8日
SL全般の技術力をさらに磨き上げます
大手私鉄初!蒸気機関車の復元に挑戦!
〜復元後、鬼怒川線の「SL大樹」は2機体制で運行し、年間を通してSLをお楽しみいただけます〜 東武鉄道株式会社
東武鉄道(本社:東京都墨田区)では、日本鉄道保存協会(事務局:東京都千代田区)が静態保存していたC11形蒸気機関車の、動態保存を目的とした復元に着手します。蒸気機関車を動態保存用として復元するのは大手私鉄として初めてです。
当社では、全国の鉄道会社からのご支援とご協力を得て2017年8月10日より東武鬼怒川線にて約半世紀ぶりにSL復活運転を実施していますが、この事業の目的の1つに「鉄道産業文化遺産の保存と活用」を掲げています。このたび、日本鉄道保存協会より一般財団法人東武博物館が譲り受けたC11形蒸気機関車(以下:復元予定機)の復元に挑戦し、日常の保守のみならず、SL全般の技術力を磨き上げていきます。 復元が完了した際には、現在東武鬼怒川線にて「SL大樹」として運転している蒸気機関車「C11 207」(以下:現行機)と合わせて2機体制となり、現行機の長期検査時などの際には、復元予定機を運転することで、日光・鬼怒川エリアでの年間を通してのSL安定運転が可能となるほか、他線区でのイベント運転等も検討可能となります。当社では引き続き、日光・鬼怒川エリア等の沿線活性化を推進してまいります。
概要は以下のとおりです。
1 復元予定機 C11形蒸気機関車 2 復元予定日 2020年冬 3 復元作業実施場所 南栗橋SL検修庫
◆今回復元予定のC11形蒸気機関車について 1947(昭和22)年に江若(こうじゃく)鉄道(滋賀県)の発注により、日本車輌製造にて製造。江若鉄道で客車を牽引したのち、1957(昭和32)年から雄別炭礦(ゆうべつたんこう)鉄道(北海道)、1970(昭和45)年から釧路開発埠頭(北海道)にて貨物列車を牽引して活躍しました。1975(昭和50)年廃車後、静態保存されていました。
<参考>
SL復活運転プロジェクト(SL事業)について
沿線地域の人口減少や社会構造の変化等によって地方創生に向けた動きが進む中、当社においてもかねてから日光・鬼怒川エリアの活性化策を検討してきました。その中で「鉄道産業文化遺産の保存と活用」という観点から検討を進め、SL復活運転という鉄道会社ならではの事業に挑戦することにより、日光・鬼怒川エリアの観光活力創出による地域活性化、ひいては東北復興支援の一助になることを目的として、約半世紀ぶりに東武鉄道にSLを復活させ、「大樹(たいじゅ)」と名付けました。
1 運転概要 運転区間:東武鬼怒川線 下今市〜鬼怒川温泉間 所要時間:約35分/片道 停車駅:下今市・東武ワールドスクウェア・鬼怒川温泉 運転日:土休日中心 (2019年はSL 130日間、DL 15日間) SL座席指定料金:大人750円、小児380円 DL座席指定料金:大人510円、小児260円 ※運転区間内一律料金 ※別途運転区間の運賃が必要です。
2 車両・施設概要、SL検修員・乗務員の養成 鉄道産業文化遺産の保存と活用にご賛同いただいた全国の鉄道会社からのご支援とご協力を得て、各車両を貸与・譲渡いただいたほか、JR西日本から、かつて国鉄で使用していた転車台を譲渡いただき、さらに、SLを従来から運行し、知識・技能ともに豊富な各社にSL検修員・乗務員の養成にもご協力いただきました。
3 地元地域との連携 SL大樹の運転に合わせて鬼怒川線を「観光路線」と位置付け、地域と一体となった「SLの走るまちづくり」の実現に向けた様々な取り組みを進めています。その中でSL大樹を活用した日光市の観光振興につながる取り組みを「いっしょにロコモーション」と名づけました。今後も日光市に住む方々、働く方々すべてが主体となって相互に理解・協力・啓蒙し合う環境を広げ、「いっしょにロコモーション」の輪を広げていくことで、日光市の観光振興につなげていきます。
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