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No.6622 (Re:6621) 【参考資料】ロシア鉄道によるシベリア鉄道の近況に関する記事
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-11-03 21:59:30
【参考資料】ロシア鉄道によるシベリア鉄道の近況に関する記事(日本語仮訳)
(Gudok.ru 2020年 8月24日掲載)

海上輸送よりも迅速に
ロシア鉄道公開株式会社(RZD)、海外事業・国際協力部長、アントン・コズロフ

昨今、大韓民国、日本と欧州連合を結ぶ輸送サービスへの関心が高まりを見せている。EU・中国間の鉄道輸送量は、2014年から 2019年の 5年間で 8倍にも増加している。

ロシア鉄道の中国〜ヨーロッパ〜中国ルートの輸送量は、2020年上半期には前年比43%増の220,000TEU(20フィートコンテナ換算)を記録し、良好な動きを保っている。

既存の(RZDロジスティクス株式会社とFescoとの共同運営によるウラジオストク港経由の)シベリア・ランド・ブリッジ・サービス(Trans-Siberian Land Bridge)に加えて、ロシアを経由する鉄道ルートには新たな海運会社が参入を始めている。2020年には、マースク会社(Maersk)が AE19のコード名で極東のボストチヌイ港とサンクトペテルブルク大港を経由するサービスを開始した。これは、海上輸送とユーラシア大陸における鉄道輸送とを組み合わせてアジア太平洋地域・EU間で一貫輸送を行う戦略的協力にとって、その幕開けを告げるものと言える。

バルト海、カリーニングラード、極東など、ロシアの港湾を経由した輸送に興味を示す大手の海運会社はこのほかにもあると考える。その魅力は、ロシア、カザフスタン、ベラルーシの合弁事業である UTLC ERA(JSC United Transport and Logistics Company . EuropeanRail Alliance:編集)で培われた優れた経験によって裏付けられている。なお、UTLC ERAは近年、カリーニングラード経由の物流を順調に伸ばしている。

海運会社は、貨物を大きな船積荷として取り扱う技術を数十年にわたり培ってきており、一方鉄道会社は、迅速かつリーズナブルな価格で、しかも近年は一層利用者にとって便利な輸送を提供することができる。

海上輸送と鉄道輸送との競争が実は穏健なものである点に、注意するのが重要である。基本的な海上輸送貨物は、従来通り海上ルートで輸送されている。というのもこうした貨物の多くは納期にはさほど重きを置かず、輸送料金を優先しているからである。当然ながらインフラが手作業の鉄道は、無料の海域を航行するよりも高くつく。

一方これとは逆に、納期にセンシティブな貨物も一部にはある。貨物自体が高価なため、鉄道輸送料金でも十分見合うケースだ(余談だが、ロシア鉄道による輸送の基本料金は、ここ数年変わっていない)。こうした貨物には、自動車部品、エレクトロニクス製品、機械、複合化学製品、一般消費財、食品が含まれる。

ロシア鉄道と隣接する国々のナショナルフラッグキャリアは、常に輸送サービスの向上に努めている。

インフラの近代化と弱点の解消を図るプロジェクトの実施は、輸送速度の改善につながっている。ロシア鉄道について言えば、すでに 1,300km/日の速度ゾーンを確実にしている。プロジェクトの実施はまた、関税機関との共同作業のデジタル化をはじめとするデジタルインフラストラクチャの開発にもつながり、さらなる輸送時間の短縮を可能にしている。

鉄道輸送が支持される重要な要素として、鉄道物流チェーンのグリーン化への企業の関心がある。鉄道輸送は、他の輸送手段と比較して二酸化炭素排出量が少ないことで際立っている。バックポーンネットワークの主要セクションを電化しているロシア鉄道には、とりわけこの点があてはまる。

先頃、ロシア鉄道は他の鉄道各社とともに、気候変動問題解決に向けた鉄道部門の取組みの強化に関して、持続可能な開発に関する宣言に加わった。

新たな文書では、燃料消費率および二酸化炭素排出量の削減、2050年までのカーボンニュートラルの達成、持続可能な開発に関する国連目標の実現を目指し、鉄道各社が努力していくことを目標として定めている。

結論として、近年鉄道によるコンテナ輸送への信頼の高まっていると言うことができる。

すでにだいぶ以前から、鉄道輸送に関して安定性や品質が問題視されることはなくなっている。鉄道による輸送が海上輸送に負けず劣らず有望であることは、間違いない。2020年には、港湾で感染対策のための制限が設けられたことにより、鉄道への信頼は一層増している。ことに長距離輸送に関しては、最も信頼できる手段と言えるだろう。

EUとアジア太平洋地域諸国を結ぶ輸送市場に、海上ルートと鉄道を組み合わせて大陸を横断する新たな製品が登場するのも、近い将来の話であろう。