NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.7583 【JR海】東海道新幹線にミリ波方式列車無線を整備
まるよし(cfcd3435) 2021-09-22 18:58:48
                            2021年 9月22日
                             東海旅客鉄道株式会社

     東海道新幹線におけるミリ波方式列車無線の整備について

 現在、東海道新幹線では、指令と列車内の通信にLCX方式※列車無線を使用し、安全・安定輸送の確保、お客様への情報提供、異常時対応などに活用しています。
 当社では、東海道新幹線における安全・安定輸送の確保やメンテナンスの省力化、セキュリティ強化をさらに推進するため、より高速で大容量の通信が可能となる ミリ波方式による列車無線の開発を進めてきました。
 このたび、その実用化の目途が立ったことから、ミリ波方式列車無線を東海道新幹線 全線に整備することとしましたのでお知らせします。
※沿線に敷設したLCX   (Leaky Coaxial:電波が漏れ出るケーブル)を使用する通信方式

 1.ミリ波方式列車無線の概要(別紙1・2)
(1)ミリ波の特徴
 ・ミリ波は、30GHz〜300GHzの周波数帯の無線の総称で、波長がミリメートル単位と 短く広い周波数帯を使用できるため、高速で大容量の通信が可能となります。 
 ・一方、雨により電波が弱くなる性質があり、特に豪雨時には受信した信号が弱まり 雑音に埋もれるため、屋外において列車との通信に使用する場合、通信が不安定に なるという問題がありました。

(2)技術開発のポイント
 ・豪雨時に通信が不安定になるという問題を克服するために、同じ信号を繰り返し 複数回にわたって送信し、受信側で足し合わせ、雑音を除去して明瞭な通信を可能とする「豪雨モード」を開発しました。
 ・これにより、豪雨時においても指令と列車間の安定した通信が可能となり、列車無線にミリ波方式を採用することができました。

(3)施工概要
 ・従来のLCXに代えて、沿線の平均 500m毎に電化柱に地上アンテナを設置します。また、車上では、地上アンテナと通信を行うため、両先頭部に車載アンテナを設置し、指令と列車間の通信環境を整備します。
 ・ミリ波を使用することで通信速度は最大1Gbpsとなり、LCX方式の400MHz帯の電波と比べ、約300倍の大容量通信が可能となります。

2.今後期待できる効果(別紙3・4)
 ・ミリ波方式列車無線は高速で大容量の通信が可能となることから、指令と列車間の情報伝達能力が大きく向上し、ICTの活用の幅が大きく広がります。今後、これを 使って安全・安定輸送の確保やメンテナンスの省力化、セキュリティ強化につながる具体的な活用方法について、さらに検討を進めていきます。

活用方法の検討事例
(T)メンテナンスの省力化の推進
 ・運転台に設置する高画質カメラの画像や、車上で取得したデータを伝送し、地上側で解析をすることで、現在、係員が行っている巡回検査等の一部を置き換えることができる。

(U)安全・安定輸送の確保
 ・運転台に設置する高画質カメラの画像により、飛来物や倒竹木、小動物の衝突等が発生した際、指令でのより迅速な状況確認を行うことで、運転再開までの時間を短縮することができる。

(V)車内セキュリティの更なる強化
 ・車内防犯カメラの伝送容量が飛躍的に大きくなり、より多くのカメラからきめ細やかな画像伝送が可能となり、異常時の車内の状況を、より迅速かつ詳細に把握できる。

3.導入スケジュール(予定)
  2021年12月 工事着工 
  2027年 1月 運用開始

4.導入費用
  約440億円
 


[別紙1〜4] (注・画像参照)


 
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 別紙1
画像サイズ: 1089×817(29%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 別紙2
画像サイズ: 1083×811(30%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 別紙3
画像サイズ: 1091×819(29%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 別紙4
画像サイズ: 1085×797(29%表示)