ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2022-05-18 02:18:47 |
2022年5月16日
東海旅客鉄道株式会社 東海道新幹線のブレーキ性能向上に向けた試験装置の新設について 当社はこれまで、地震等が発生した際に東海道新幹線を速やかに停止させるため、継続的な技術開発によりブレーキ性能を高め、ブレーキ距離を短縮してきました。このたび、ブレーキ時に滑走の起こりやすい寒冷な雨や雪の降る環境における実際の走 行を模擬した状態で、ブレーキ性能を更に高める試験が可能な「ブレーキ総合試験装置」を、鉄道では国内で初めて小牧研究施設に設置しましたので、お知らせします。 1.ブレーキ総合試験装置の概要(別紙) (1)ブレーキ総合試験装置の目的 ・現在、ブレーキ時に車輪がレール上を滑走した際には、ブレーキ力の強弱を適切に調整する仕組みにより、滑走を早く収束させています。しかし、寒冷な雨や雪の降る環境では、強いブレーキをかけると、滑走によりブレーキ距離が長くなる場合があります。 ・本装置では、寒冷な雨や雪の降る環境を模擬した状態で、レールの代わりとなる円盤(軌条輪)と車輪とを接触させて回転させ、ブレーキの試験を繰り返し行うことにより、様々な気象条件下で滑走を早く収束させる性能を更に高めることを目的としています。 (2)本装置の構成と機能 ・本装置は「粘着※試験部」「台車試験部」の2つの装置で構成されています。 ※粘着:車輪が回転しながらレールに接触し、摩擦により加速力やブレーキ力を伝える現象 ・「粘着試験部」では、粘着に関する基本的な試験を行うことで、様々な気象条件下での最適なブレーキ力の制御手法を見出すとともに、ブレーキ部品の改良に取り組みます。 ・「台車試験部」では、「粘着試験部」で得た成果を、実際の台車やブレーキ装置を用いて検証します。 (3)その他の活用方法 ・冬季に、車両への着雪による影響を避けるための徐行により列車が遅れるほか、着雪を駅で落とす作業も発生します。本装置を活用して、季節に関係なく、着雪しにくい車両構造の検討や、雪落とし作業を機械化する開発に取り組みます。 2.スケジュール 2021年6月〜 試験装置の調整、試運転等 2022年3月〜 本格稼働 3.導入費用 約28億円 |
|
|