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No.8686 【大井川鐵道】9/20-11/30 C56 135動態復活へとクラウドファンディング
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2022-09-21 22:59:47
プレスリリース                    大井川鐵道株式会社
  
URL: oigawa-railway.co.jp Facebook: www.facebook.com/oigawa.railway Twitter: @daitetsuSL

                          2022年9月20日


     大井川鐵道 創立100周年チャレンジプロジェクト
       昭和・平成・令和・・汽笛を次のさらに次の世代へ
〜大鉄本線7両目のSLは当社初クラウドファンディングで動態化をめざします〜


大井川鐵道株式会社(本社静岡県島田市代表取締役社長鈴木肇)は1925(大正14)年3月10日創立。2025(令和7)年3月10日に創立100周年を迎えます。
当社は、旧国鉄線上で蒸気機関車(SL)による旅客列車運転を終了した1975(昭和50)年12月14日のおよそ7か月後の1976(昭和51)年7月9日に、金谷〜千頭の大井川本線で「かわね路号」として日本の鉄道界ではじめてSL旅客列車の運転を復活。現在に続く、日本のSL列車旅客運転ではパイオニアと言える存在です。
以来、50年近くにわたりSL列車の営業運転を通して、日本における昭和時代の鉄道文化を伝える取り組みを行い、おかげさまでSL列車運転といえば大井川鐵道がトップランナーであるという評価をいただくようになりました。
しかし、残念ながら勤続疲労と表現するべきか、2019(令和元)年ぐらいからSLの車両不具合が顕在化、EL(電気機関車)での代走が目立ちはじめ、SL列車運転のトップランナーの座が危ういものとなってきました。
そこで本年2月12日、SL列車運転の安定化を目的に、そしてトップランナーの称号を取り戻すために兵庫県加東市の播磨中央公園に静態保存されていた「C56形135号機」を搬入。動態化をめざすことになりました。
しかし、続くコロナ禍の中、手元に用意できる資金には限界があります。つきましては必要な資金の一部についてインターネット経由で不特定多数のみなさまからお気持ちをいただく「クラウドファンディング」を当社で初めて実施いたします。

(プロジェクトURL:https://readyfor.jp/projects/daitetsu

なお、今回のクラウドファンディングはオールイン方式で行い、支援金額が目標金額に満たない場合でも、支援者へのリターンを必ず実施いたします。
C56形135号機の動態化をめざすこと、それは創立100周年の節目を迎える当社が引き続き取り組んでいかなければならないこと、つまり「昭和時代の鉄道文化」を先々まで伝えてゆくことです。C56形135号機に再び命を、再び火を、再び蒸気を、再び汽笛を。川根路を快走する姿をお見せしたい。
私たちは今回の動態化を通して再び日本のSL列車運転におけるトップランナーとしてSL列車運転を通して「昭和の鉄道文化」を後世まで語り継ぐ役割を担っていきたいと思っております。どうぞみなさまのご支援をお願いいたします。

動態化をめざすC56形135号機について
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│  西暦  │ 和暦 │          できごと           │
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│1938   │昭和13│製造。最初は鹿児島県出水機関区に配置。      │
│     │   │ほどなく中国地方に転じ、島根県内を中心に稼働   │
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│1969   │昭和44│宮崎機関区に転属                 │
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│1972.10  │昭和47│第27回国民体育大会(太陽国体、鹿児島県)に伴う   │
│     │   │お召列車の牽引予備機に指定            │
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│1974.6.20 │昭和49│鹿児島県吉松機関区で廃車。晩年は山野線(現在は廃止)│
│     │   │などで貨物列車牽引機として稼働          │
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│1975   │昭和50│兵庫県滝野町(現在の加東市)に移設。        │
│     │   │滝野町文化会館前→播磨中央公園で静態保存     │
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│2021   │令和 3│荒廃が進んだことから解体案が浮上。        │
│     │   │これを報道等で知った大井川鐵道が譲渡を申し入れ  │
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│2022.2.10 │令和 4│播磨中央公園から新金谷に向けて移送開始      │
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│2022.2.12 │令和 4│新金谷へ搬入                   │
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│2022.9〜11│令和 4│動態化事業を決定。大鉄史上初、クラウドファンディン│
│     │   │グ(オールイン方式)を実施             │
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 C56-135の大きさ(水などを積載していない状態)
  (およそ)長さ14.3m 幅2.93m 重さ47.2トン

大井川鐵道にやってきたSLたち(本線営業走行分、営業運転開始日)
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 │西暦   │ 和暦 │          車両         │
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 │1976. 7. 9│昭和51│C11-227                  │
 │1980. 1.29│昭和55│C56-44                  │
 │1987. 7.25│昭和62│C12-164(休止中)              │
 │1988. 7.23│昭和63│C11-312(廃車、現在はKADODE OOIGAWAで展示)│
 │1997.10.14│平成 9│C10-8                   │
 │2003. 7.19│平成15│C11-190                  │
 │2022. 2.12│令和 4│C56-135(大井川鐵道への搬入日)       │
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大井川鐵道におけるSL列車の位置づけ
■大井川鐵道は1925(大正14)年3月10日創立。主目的は大井川上流部にある森林資源(木材)の搬出と大井川水系への水力発電所などの建設資材輸送でした
■特に戦後は復興需要も相まって好況に沸き1949(昭和24)年12月1日には大井川本線金谷〜千頭を電化。増大する貨物輸送に対応したのです
■しかし、好況は長く続きません。1960年代初頭から大井川流域の木材は安い外材に押され、しだいにシェアを小さくし、発電事業は大井川水系に予定の施設を作りつくしてしまったこと。発電方法が水力から火力などへとシフトしてゆくにつれて貨物輸送量が減少していきました
■貨物輸送量の減少、それは沿線における産業がやせてゆくこと、働き口の減少を意味します。働き口を求めてほかの場所へ、沿線から人の流出が始まり、旅客人員も減少カーブを描き始めます
■追い打ちをかけるようにたびたび自然災害にも見舞われ復旧費用も重い負担となってくる。鉄道の存続そのものに疑問符がつきだした1960年代でした
■現在でこそ第三セクターや上下分離など鉄道線の運営に対して公費の賄われることが多くなっていますが、当社のみならず、貨物・旅客輸送量減少に伴う経営環境悪化が表面化する1960年代〜70年代、路線の維持は自力で行わなければなりませんでした。結果、体力の弱まった多くの路線が廃止、バス転換という道を選択しました
■当社はどうたったのか?SL列車(観光列車)を運転して得た利益を地域公共交通部門(線路など鉄道施設の維持や普通電車の運行など)に充当してゆくというスタイルを採用しました。これは当社が産み出した地方鉄道の生き残りスタイルであったのです
■観光的な面だけではありません。SLは消えゆくもの、維持してゆくことは鉄道文化の継承である。踏み込んで言えば「昭和鉄道文化」を後世に伝える「保存鉄道」としての役割も付加したのです
■大井川本線における2018(平成30)年度の旅客人員はおよそ56万7000人。うち、SL列車利用者は28万4000人とおよそ半分を占めています。SL列車がなければ路線どころか企業そのものの存続が疑問視される状態です
■現在、当社のSLは営業用で4両、製造は1930(昭和5)年〜1942(昭和17)年。客車が1930年代〜40年代が主と歴史的に貴重、それを維持・管理してゆくのは手間や資金のいることです
■歴史的な車両をさらに長持ちさせる方法として車両数に余裕を持たせて負担を分散化させるという考え方があります。今回、搬入されたC56形135号機もこれに則って導入されたものです

SL運転の実態
■大井川鐵道でSL列車運転を経営の軸としてとらえたころ〜1970年代は全国の鉄道からSLが消えゆくころでした。となると運転・整備など技術の伝承に困難が予想されました
■ただ当社の場合は幸運でした。70年代初頭、社内には電化(1949年)以前、つまりSL運転時から在籍していた社員たちがいましたし、1976(昭和51)年、SL列車の復活運転時(かわね路号運転開始時)にあわせ、旧国鉄でSLの整備にあたっていた方を雇い入れてSLを知らない世代への技術継承に取り組みました
■古い車両、特にSLにおいては図面など教科書と言えるものがないわけではありません。しかし、昭和初期に製造された車両たちには図面に表現できない個体差があります。個体差を乗り越えるのが技術。ここで言う技術とは手の感触など「勘」や「過去の経験」を言います。これらが「極小で正確かつ微細な数値」産み出します
■「技術伝承」言うはたやすいのですが「口承」に頼る部分が多く不安定さも同居しています

技術伝承〜学びの場を作るということ
■過去、当社では長年にわたり静態保存であった蒸気機関車を動態化するという取り組みを2001(平成13)年から2003(平成15)年にかけて「C11形190号機」において行ったことがあります。外見からははたして復活できるのか?という車両でしたが、当時の熟練技術者と若手技術者が手をとりあって技術力を結集。2年の歳月をかけて動態化を成し遂げました
■この時点で行われたのがまさしく「技術伝承」。熟練技術者から若手技術者へ、まるでバトンリレーのように技術が伝承されたのです
■およそ20年前、若手技術者であった者たちも熟練技術者。今度は現在の若手技術者に技術を継承する場面となりました
■技術継承の場、言い換えれば「学びの場」です。動態化に取り組むにあたって部品をばらばらにして、ひとつひとつの構造や役割、しくみを理解し、過去に蒸気機関車と向き合った人たちがどんな修繕方法をとったのかを学んでいきます。若い技術者にとってはまさしく「学びの場」、熟練技術者にとってはより深く、高いレベルでの「学びの場」となるはずです
■施設面でも新たな動きがあります。かねてから当社SLの心臓部であるボイラー整備を手がける鞄穴C汽缶様(静岡市清水区)が新金谷駅近くに新工場を建設。2023(令和5)年1月の稼働をめざしており、当社のSL列車運行体制安定化にご尽力いただきます

大井川鐵道はまもなく創立100周年〜昭和の鉄道文化を末永く
■2025(令和7)年3月10日、大井川鐵道は創立100周年を迎えます。これもご乗車いただくみなさまをはじめ、沿線地域のみなさま、当社を応援してくださるみなさまあってのことです
■大井川鐵道のSL列車、黒々しい蒸気機関車、背もたれほぼ直角のボックスシートなど列車は昭和時代、鉄道が日本の交通機関の主役だったころ、すなわち昭和10年代〜30年代に各地で見られた姿そのままです。この姿を維持することが昭和の鉄道文化を後世まで伝えることなのです
■走行音は騒々しい、煙はある、走り始めはスムースでないなど現在の列車にはない不器用さが昭和の鉄道で印象的なところ。これを後世まで伝えていけたら・・私たちが取り組むのは「鉄道における昭和文化の伝承」です
■大井川鐵道は末永いSL列車の動態保存運転をめざしております。このたびの取り組みは当社のみならず日本における今後の蒸気機関車(SL列車)運転継続に大きな一歩を記すものと考えております。昭和の汽笛を令和へ、そしてさらに次世代へ。どうかみなさまのお力をお寄せください。よろしくお願いいたします


大井川鐵道のSL列車は日本一の運転規模である〜再び日本一の輝きを取り戻すために
大井川鐵道といえばSL列車、SL列車といえば大井川鐵道。1976(昭和51)年7月9日、日本の鉄道史においてSLの空白期を打破したのが当社です。以来、時を重ねて、みなさまのご支援を得ながら「大鉄のSLは日本一の運転規模だよ」と言われるようになりました。
しかし、2019(令和元)年ごろからSLの不具合が相次いで発見され、電気機関車(EL)による代走が目立つようになりました。
C56形135号機の動態化を成し遂げることでSL列車運転の安定化をはかるとともに再び「SL列車運転規模日本一」の称号、輝きを取り戻したい。今回の動態化は当社にとって必要なことなのです

動態化に必要とされる費用や期間
今回、C56形135号機を動態化させるにあたり必要とされる経費はおよそ3億円と見込まれます。期間は未定です

クラウドファンディングについて
今回は大井川鐵道初の試みとして動態化に必要な経費の一部をクラウドファンディングにより広くみなさまから募ることとしています。
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│会社名   │RREADY FOR株式会社 <レディーフォー、東京都千代田区>    │
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│タイトル  │蒸気機関車に再び命を、昭和の汽笛を次世代へ:大鉄100周年企画│
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│プロジェクトURL │https://readyfor.jp/projects/daitetsu         │
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│目標金額  │1億円                          │
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│受け取り方 │オールイン方式(支援金額の目標到達有無にかかわらず、C56形 │
│      │135号機の動態化事業を行ってまいります)          │
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│主なリターン│営業列車貸切、営業一番列車乗車権利、C56形135号機の運転など│
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│受付期間  │2022(令和4)年9月20日(火)〜11月30日(水)          │
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│備考    │WEBページ上で検索いただく際には「大井川鐵道レディーフォー」
│      │と入力をお願いいたします。                │
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│問い合わせ先│大井川鐵道梶@企画運営事業部               │
│      │専用メールフォーム https://daitetsu.jp/c56135-cf-contact │
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撮影日: 2022年09月20日
撮影場所:
キャプション: 現在のC56 135の様子(大井川鐵道様ご提供)
画像サイズ: 1037×778(31%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: C56 135の運転機器は、すでに手が入っている様子(大井川鐵道様ご提供)
画像サイズ: 1037×778(31%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: クラウドファンディングのWEB画面
画像サイズ: 1280×670(25%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: クラウドファンディングの返礼品例(大井川鐵道様ご提供)
画像サイズ: 1037×778(31%表示)