ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2022-08-24 22:56:55 |
News Release JR西日本
2022年 8月24日 西日本旅客鉄道株式会社 環境長期目標「JR西日本グループゼロカーボン2050」達成に向けた取り組み 次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けた実証実験開始! JR西日本グループでは、2021年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し、2050年にグループ全体のCO2排出量「実質ゼロ」とすることをめざした取り組みを行っております。 このたび、その一環で、国土交通省が公募した「鉄道技術開発・普及促進制度 令和4年度新規技術開発課題」(鉄道車両におけるバイオディーゼル燃料の導入に向けた技術開発)として、(公財)鉄道総合技術研究所様とJR7社から共同提案した計画が採択され、ディーゼル車両(気動車やディーゼル機関車といった軽油を燃料としてディーゼルエンジンで動く鉄道車両)への次世代バイオディーゼル燃料(※)導入に向けた実証実験を、当社エリアを中心に実施することとなりましたのでお知らせします。 ※「次世代」バイオディーゼル燃料:軽油と成分がほぼ同等であるため、軽油からの100%置換が期待されるバイオディーゼル燃料。 1.次世代バイオディーゼル燃料によるCO2排出量「実質ゼロ」の考え方 軽油と次世代バイオディーゼル燃料は使用時のCO2排出量がほぼ同じですが、次世代バイオディーゼル燃料では原料となる植物等の成長過程で光合成により吸収したCO2と燃焼時に排出するCO2が相殺されるため、CO2排出量が「実質ゼロ」とみなされます。 ディーゼル車両のエンジンにおいて燃料を使用する際に排出するCO2 || 次世代バイオディーゼル燃料の原料となる微細藻類や植物が成長過程で吸収するCO2 2.実証実験内容(予定) (1)概要 A)エンジン性能確認試験 エンジン単体での試験。 軽油と次世代バイオディーゼル燃料の混合率5%から開始し、段階的に100%に引き上げ、軽油を使用した場合との差異を確認します。 B)走行試験 試運転列車に次世代バイオディーゼル燃料を100%使用し、1日1往復の試験走行。 通常期・夏期・冬期の3シーズンで各1か月程度実施し、気温の影響を確認します。 C)長期走行試験 複数の営業列車に次世代バイオディーゼル燃料を100%使用し、1車両あたり1日200km程度走行。 燃料消費量の変化や品質レベル、営業列車に使用できる安全性・安定性が担保できるかを確認します。 (2)使用予定車両 DEC700またはキハ40など (3)実施予定線区 山陰線等、主にディーゼル車両が走行する線区での実施を検討中。 (4)スケジュール ┌──────────┬────┬──────┬──────┐ │ 2022年度 │2023年度│ 2024年度 │2025年度以降│ ├──────────┼────┼──────┼──────┤ │エンジン性能確認試験│走行試験│長期走行試験│ 本導入 │ └──────────┴────┴──────┴──────┘ (5)本取り組みのポイント ・当社が保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ100%置き換えることを目標とし、その実用性を検証します。 ・次世代バイオディーゼル燃料を常時100%使用する本格実装に向けた長期走行試験を行うのは、鉄道事業者で初めて。 3.想定される効果 ・現在、当社で使用するディーゼル車両から排出されるCO2(2021年度実績は約55,000トン)が実質ゼロに。 ・当社外も含めた鉄道車両、あるいは同様にディーゼルエンジンを使用する乗りもの・機械等への次世代バイオディーゼル燃料の使用拡大により、社会全体でCO2のさらなる削減が図られるとともに、スケールメリットにより燃料調達コストの低下が図られ、さらに次世代バイオディーゼル燃料の普及とCO2削減が進んでいく好循環が生まれることを期待しています。 ※注釈 (1)環境長期目標「JR西日本グループゼロカーボン2050」(2021年4月30日付リリース) 2050年にJR西日本グループ全体のCO2排出量「実質ゼロ」を、その達成に向け2030年度にCO2排出量46%削減(2013年度比)をめざすこととしています。 この中で、新技術による鉄道の環境イノベーションとして、使用している軽油燃料を次世代バイオディーゼル燃料に置き換えることでディーゼル車両のCO2排出量「実質ゼロ」の実現をめざした検討を進めてきました。 ※なお、将来的にはカーボンフリーの次世代車両への転換を検討していきます。 (2)鉄道技術開発・普及促進制度(国土交通省のプレスリリース(2022年6月10日付)より) 鉄道分野における政策課題の解決を目的に、鉄道事業者のニーズはあるが民間主導では開発が進まない技術、社会的要請が高く鉄道業界に広く展開することが望まれる技術、特に経営の厳しい地方鉄道での導入が求められている技術等の国が主体的に関与すべきものについての技術開発及びその技術の普及を進めるものです。 |
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