まるよし(cfcd3435) 2021-10-27 15:17:26 |
News Release
2021年10月27日 総合検測車導入による検査の車上化 JR西日本は、2020年10月にグループデジタル戦略を策定し、一つの軸として「鉄道システムの再構築」に取り組んでいます。 その大きな柱であるCBM※への挑戦において、当社ならびに他会社エリアの在来線架線検測を実施している電気検測用交直流電車(クモヤ443系)の置換え用車両として、総合検測車(DEC741)を導入します。 ※CBM(ConditionBasedMaintenance):設備状態を常時監視・把握し、必要な時のみメンテナンスを実施することで品質と効率性を両立させる予防保全の考え方 この車両は、従来からの架線検測装置に加えて、現在、人が現地で実施している地上検査を車上化するための各種装置を搭載した総合検測車となっております。この車両を用いることで、設備管理のシステム化・効率化・安全性の向上等を図るとともに、将来の最適な設備管理体制の構築に向けた技術検証を実施してまいります。 1.車両概要 (1)形式 : DEC741 (2)両数 : 2両×1編成 (3)スケジュール ・2021年11月に落成の予定 (4)車両の特徴 ・DEC700と同じ走行システムを採用しております。 (5)走行線区 ・非電化区間も含めたJR西日本管内の在来線全線区を走行可能な仕様となっております。 ・他社線区(JR四国,JR九州,IRいしかわ、あいの風とやま,えちごトキめき、肥薩おれんじ,WILLER TRAINS)も走行します。 2.電気設備診断システムの導入 (1)新たに車両に搭載する検測装置 ○電気設備撮像装置 屋根上と側方用に50台の特殊なカメラを設置することで、広範囲に様々な角度で設備(電柱、信号機、がいし等、約100種類)を撮影可能となっています。さらに沿線の環境に配慮した特殊な照明を採用することで、暗所の撮影も可能となり、トンネル内や夜間においても使用可能となっています。 ○電気設備測定装置 架線周り用に4台のカメラを設置することで、従来の架線検測装置で測定できなかった架線相互の高低差や離れの測定が可能となっています。 (2)地上に設置するAI画像解析装置 得られた画像データからAIを活用して検査対象の設備を抽出し、良否判定を行います。これらにより、人が現地で実施している地上検査の車上化を実現していきます。 ※車上から広範囲に設備データを取得するのは、国内の鉄道事業者で初めて 3.効果 ・現地での目視検査を減らすことにより、重大労災(触車、感電、墜落)のリスクを低減します。 ・IoTインフラネットワークなど他の取組みと併せ、2030年までに鉄道設備の検査業務の約1割削減を目指します。 4.計画 ・2022年4月頃から現行の電気検測車(クモヤ443系)に代わり、従来の架線検測装置を使用開始します。 ・人が目視で実施している電気設備の地上検査について2025年度から車上化を目指します。 |
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