NEWS RELEASE:JR&私鉄    4
No.3963 (Re:3962) 別紙 第30回栃木県マロニエ建築賞受賞の概要
ほりうち(ccbu8181) 2018-10-10 22:40:29

                                <別紙>

       第30回栃木県マロニエ建築賞受賞の概要について

1 受賞建物概要
(1)下今市駅舎
所在地   栃木県日光市今市1110

延床面積  329.01u

構造・規模 木造 地上1階

設計会社  株式会社オー・エヌ・オー大野設計

施工会社  東武建設株式会社

主な特徴
 かつてSLが活躍していた時代を彷彿とさせる「昭和レトロ感」をコンセプトに、伝統的な日本家屋のような木構造とした。また、鉄道を利用しない方々も気軽に集える、地域に開かれた親しみやすい駅を目指して、駅舎の前面に長さ延べ30mに亘る縁側を設置している。

(2)SL機関庫
所在地   栃木県日光市今市1110

延床面積  527.27u

構造・規模 鉄骨造 地上1階

設計会社  株式会社オー・エヌ・オー大野設計

施工会社 東武建設株式会社

主な特徴
 SLおよびDLの日常点検等を行うための格納庫であり、内部にはピットおよびクレーン、排煙装置などが設置されている。外観は「鉄道産業文化遺産」をイメージした近代の工場跡などに見られる赤レンガの建築物を再現するため、実際にレンガを焼成する窯で外壁に使用可能な形状のレンガを特注で製作した。また、ガラス越しに点検中のSLおよびDLを転車台広場側から見学することができる。


2 講評
 東武鉄道下今市駅における近代鉄道産業文化遺産を活かした空間設備である。鬼怒川温泉駅までのSL復活運転プロジェクトに合わせ、駅舎のリニューアルとSL機関庫の整備がなされた。木質を活かした駅舎では、駅前広場に対して全面に縁側状のベンチが設けられ、居心地のよいパブリックスペースを提供している。煉瓦タイルの仕上げによるSL機関庫、新たに移設された転車台の広場、線路敷を意識した外構など、群としての駅空間の整備が高く評価された。昭和レトロを意識したデザインは、ともすると表層的にテーマパーク化する懸念もあるが、本計画は、鉄道事業の歴史に基づき、沿線の鉄道構築物の国登録有形文化財化や、構内の旧跨線橋のギャラリー化といった、周辺環境も含めて、地に足の着いた建物群としての駅空間の整備と言える。駅の賑わいの市街地への波及や、沿線の鉄道遺産の継続的な保存活用など、今後の展開にも期待したい。

                                  以上
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 下今市駅舎
画像サイズ: 551×335(58%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: SL機関庫
画像サイズ: 550×378(58%表示)