ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2017-02-15 22:53:26 |
2017年2月15日
西日本旅客鉄道株式会社 KDDI株式会社 VRを活用した地震・津波等の災害対策ツール製作・導入について 〜西日本旅客鉄道株式会社において南海トラフ巨大地震などの災害発生時に 乗務員が津波などからお客さまを安全に避難誘導するための判断力を養うために採用を決定〜 KDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中孝司)(以下、KDDI)は、2017年2月16日より、ルームスケールVR「HTC Vive」などを使った「VR(仮想現実)による災害対策訓練ソリューション」(以下、本ソリューション)の提供を開始します。 また、西日本旅客鉄道株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:来島達夫)(以下、JR西日本)では、本ソリューションを新宮駅と和歌山市駅を結ぶ紀勢線の津波対策に関わる運転士向けの訓練に2017年4月以降、順次導入します。 なお、本ソリューションは、鉄道会社の運転士を対象に、VR機器と実写VR動画コンテンツを活用した津波などの自然災害対策訓練の商用化事例としては日本で初めて(注1)となる取り組みです。 1 導入に至った経緯と目的 JR西日本和歌山支社では、南海トラフ巨大地震(注2)や、それに伴う津波発生などの万が一の事態に備えるべく、ハード・ソフト両面での様々な対策を進めていますが、紀勢線において南海トラフ地震が発生した場合、総延長の約3分の1にあたる約73kmの区間が津波で浸水し、特に、紀伊半島南岸に位置する白浜〜新宮駅間は、地震発生から5分以内に10mを超える津波が襲うという厳しい想定がなされています。 そこで、今回、運転士のさらなる判断力の向上を目指すために、JR西日本とKDDIが共同で開発したVRを活用した災害対策ツールを導入することとなりました。 2 VRコンテンツについて ・運転士の視点を360度動画で撮影 対象区間:紀勢線の一部区間(串本〜新宮駅区間)約43km ・現時点で最高水準の9K(注3)の高解像度(VR向け画質)で撮影 リアルな走行感や避難誘導の判断に必要となる標識などを肉眼で確認可能としている。 ・コンテンツの構成 @避難行動の演習コンテンツ A地震・津波発生疑似体験コンテンツ https://youtu.be/wSglHYxwoi4 https://youtu.be/8PUDT6256Zo 3 導入による効果 運転士自身が、常日頃から運転している路線の実際の映像により、想定浸水深の確認、避難誘導に関わる設備の確認や震災発生時の津波が起こる様子を疑似体験できることなどから、運転士の判断力を培うことが可能となり、結果として、列車をご利用されるお客様の安全・安心につながると考えています。 4 運用開始日等 2017年4月以降、JR西日本和歌山支社の新宮列車区と紀伊きい田辺たなべ運転区において各1セットを導入 ・新宮列車区(住所:和歌山県新宮市) ・紀伊田辺運転区(住所:和歌山県田辺市) (注1)2017年2月15日現在、KDDI調べ。 (注2)南海トラフ沿いで発生する大規模な地震について、今後30年以内の発生確率が南海地震について60%程度、東南海地震について70%〜80%と文部科学省地震調査研究推進本部によって長期評価されている(出典:南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)-内閣府防災情報) (注3)K:コンピュータなどのディスプレイに表示される総画素数 ※本資料に記載されている会社名、製品名、サービス名は各社の商標または登録商標です。 <別紙> JR西日本における「VR(仮想現実)」による災害対策ツールの概要について (1)JR西日本における導入目的 VR機器を活用し、地震や津波などの自然災害や、マニュアルだけでは対応が難しい緊急事態に直面した際に柔軟かつ最適な行動を取ることができる運転士・社員の育成を図る。 (2)コンテンツの構成内容 VR機器「HTCVive」およびオリジナルVR動画コンテンツにより自然災害を疑似体験する。 1.「最適行動の演習コンテンツ」 JR西日本紀勢線内における「想定浸水深」および「自列車の位置から最寄りの避難出口」や「高台」の位置などが、実際の地理と重ね合わせて確認することができ、訓練を行うことが可能。 ※撮影場所:JR西日本紀勢線(新宮駅〜串本駅区間)の路程(予定) 2.「地震&津波発生体験」 地震発生とそれによる津波発生という万が一の自体を、よりリアルに疑似体験することが可能。 ※撮影場所:紀勢線における実際の橋りょう付近 (3)主な機能 ・紀勢線新宮〜串本駅間の約43kmの実際の映像をもとに、運転士の視点で360度を見渡せる。 ・訓練者は、アクセルとブレーキにあたるコントローラーを両手に持ち、列車の停止や移動が行える。 ・画面上に「標高」や「キロ程」を表示しており、数字は走行に応じて変化する。 ・停止させた位置と連動したJR西日本オリジナルの「津波避難アプリ」をVR画面上に表示することにより、訓練者は停止地点から最寄りの出口や避難場所を確認することができる。(注1) ・VR機器セットについて、5m四方のスペースがあれば設置可能で、持ち運び可能。 ・訓練に関するデータは、緊急地震速報鳴動地点やその際の対応などをログとして抽出でき、次回の訓練に活用できる機能も備えている。 (4)訓練方法について ・訓練は、指導者が訓練対象者(主に運転士)に対して実施する。対象者の視点を表示するモニターがあり、指導者が任意の場所で緊急地震速報を鳴動させ、訓練者の行動をする。 ・訓練終了後は、訓練者の行動についてディスカッションするなど、より良い判断や行動について検証することを想定している。 ・VR装置(本ソリューション機器)は、2017年4月下旬に新宮列車区と紀伊田辺運転区に配備予定。 ・2017年度、新宮駅〜串本駅間を担当する全運転士を対象にした訓練を2回以上実施する計画。 (5)オリジナルVR動画コンテンツについて リアルな走行感だけでなく、万が一地震、津波が発生した場合に、運転士が避難誘導などを行う判断基準として、線路上の電柱標識などを肉眼で確認する必要があるため、VR動画素材としては、最高レベルの「9K/60fps(注2)」で撮影を行い、実装するための最適なサイズである「6K/60fps」に圧縮しています。 (注1)「津波避難アプリ」との連動は、運用開始までに実装予定。公開しているVRデモ動画には「ハザードマップ」を表示しています。 (注2)K:コンピュータ等のディスプレイに表示される総画素数 fps:フレームレート。動画において、単位時間あたりに処理させるフレーム数(静止画像数、コマ数) 以上 <参考> <JR西日本> JR西日本は、これまでに実施してきた対策に加えて、今回の災害対策ツールを導入することにより、さらなるお客様の安全確保に努めるとともに、引き続き、地震・津波対策についてハード面・ソフト面から取り組みを進めてまいります。 (参考)紀勢線における津波対策これまでの主な取り組み ○ハード対策 ・列車内への避難梯子の設置 ・線路から国道に上がる階段の整備 ・避難誘導標の整備 ・避難支援アプリの導入 ・特急「くろしお号」に津波避難用リーフレット搭載 ○ソフト対策 ・「津波避難誘導心得」の制定 ・「紀勢本線津波浸水地図」の策定 ・避難ルートマップの駅頭掲示 ・津波避難訓練の実施 など <KDDI> KDDIは通信事業者として、2016年3月より、VRを「スマートフォンの次のコミュニケーション手段」および企業のお客さまへの「ソリューション商材」として捉え、VRコンテンツの開発およびプラットフォームの提案を行ってきました。今後も、さまざまな業種の法人のお客さまのニーズに対し、VR機材や高品質なVRコンテンツを活用したソリューションの提供を通じ、お客さまの本業に貢献していきます。 |
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