ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2007-11-13 18:37:17 |
株式会社 成山堂書店から、下記出版案内を鉄道フォーラム宛にいただきましたので、ここにご紹介します。
なお、内容から「NEWS RELEASE:全般」「メディアプラザ」のほか、倶楽部鉄道フォーラムの「煙と汽笛」「世界の鉄道」でもご紹介します。 鉄道フォーラム・マネジャー 伊藤 博康 交通・鉄道関係図書の(株)成山堂書店です。 さて,このたび小社より下記の本を発行いたしましたので,ご案内申し上げます。 書 名 : アメリカの鉄道史 −SLがつくった国− 著 者 : 近藤 喜代太郎 出版社名 : 株式会社 成山堂書店 〒160-0012 東京都新宿区南元町4-51 成山堂ビル TEL:03-3357-5861 Fax:03-3357-5867 E-mail:publisher@seizando.co.jp URL:http://www.seizando.co.jp/ 振替口座 00170-4-78174 版 型 : A5判・264頁 価 格 : 定価 本体3800円(税別) 発送費390円 図書符号 : ISBN97814-425-96131-3 C3065\3800E 本書は,国の発展に大きく関与したアメリカの鉄道の歴史について多くの写真を用いてわかりやすくまとめたものです。我が国だけでなく欧州の鉄道にも影響を与え,独自の特徴を持ったアメリカの鉄道がよくわかり,一般の方や鉄道の職に就いている方などと広範囲に渡ってご活用いただけるものと存じます。是非ともご一読して下さい。 平成19年10月 (株)成山堂書店 第一編集部 本書の主な内容 I 章 鉄道以前のアメリカ II章 鉄道の誕生,特にバルチモア・アンド・オハイオ鉄道 III 章 熱狂期;ミシシッピ川までの鉄道の完成 IV章 南北戦争と鉄道 X 章 アメリカ大陸横断鉄道 VI章 国土建設期;相次ぐ鉄道の発展 VII章 国土建設期;鉄道の子 アメリカの社会 VIII章 黄金期;規制,恐慌,世界大戦 IX章 黄金期;良き追憶の時代 X 章 再編期;鉄道の再生に向けて XI章 アメリカの蒸気機関車展望 XII章 鉄道創業期〜熱狂期の蒸気機関車 XIII章 アメリカ型の蒸気機関車とその仲間たち XIV章 近代的な蒸気機関車 XV章 その他の動力車 XVI章 客車と貨車 本書を推薦します。(敬称略・順不同) 東京学芸大学名誉教授・元鉄道史学会会長 青木栄一 アメリカ合衆国の歴史は鉄道を離れて語ることはできない。あの広大な国土の開発と独特の社会・文化の形成は鉄道網の整備を背景に推進された。だから大概のアメリカの通史には鉄道の発展はかなりのページを割いて記述されている。一方,世界の鉄道の歴史を見て行くときに,アメリカの鉄道は,ヨーロッパ諸国とはまた異なる特徴を持ち,これが世界の鉄道をリードした分野も少なくない。日本の鉄道も当初はイギリス人の指導で建設されたが,アメリカからも多大の影響を受けたことを忘れてはならない。 ところが,アメリカの鉄道史について,日本語で書かれた一般向きのやさしい通史となると意外に少ない。確かにアメリカの鉄道史のある部分については,学術書もあるし,啓蒙書もある。しかし,アメリカの社会・経済・文化の歴史を踏まえた総合的な鉄道史となると,これまではなかったように思う。その意味で本書はこれからアメリカの鉄道史を学ぼうとする人々にとっては,広いアメリカの国土のなかで鉄道の演じた役割をハード・ソフトの両面にわたって,わかりやすく描いた好著となるであろう。 JR東日本顧問 J.Wally Higgins 1827年まで,アメリカ合衆国は大西洋に沿った市や町の集まりで,他に湖や川沿いの小集落があるだけだった。運河と素朴な道路が,船や川舟を補完したが,旅行や貨物運送はむずかしく,時間もかかった。1927年,アメリカは世界有数の経済大国となった。その100年間,鉄道とSLはアメリカを結んだ。偉大な成果だったが,鉄道はただ,国土を結んだだけでなく,それ以上の貢献も行った。鉄道はアメリカを成長させ,発達させた。 本書の著者は鉄道がこの偉業をどのように達成したかを示した。鉄道は,西部の新しい産業や,耕地に向う移民と東部の労働者を運び,そして産業のための原料を西へ,製品を成長しつつあったアメリカの諸都市へ運搬した鉄道も信頼できる機関車,強いレール,橋梁などを必要とし,そのことがまた新しい産業や技術を生んだ。 鉄道所有者や,経営者によってときにその力を誤用されたが,労組と政府の規制がそれを拮抗して発達した。(鉄道が社会を変え)アメリカの標準時はアメリカの鉄道会社の協議に基いたものであった。著者が説明するように,鉄道が成長し,更に連絡するにつれ,鉄道は時刻だけでなく軌間,車両の構造など多くの点で協調する必要があったのである。 著者は本書の為の研究のなかで,鉄道と社会の多くの相互作用を見出した。かれの本はその相互作用を多くの実例,統計でよく示してあり,アメリカという国の成り立ちが多くの点で鉄道の発展と膨張の結果であることを示した。またSLは鉄道史の主役であり,読者は,もっとも最初の実験からはじまって多くの側面図,数多くの図版,写真を見出すことだろう。そして著者は,鉄道の動力と信頼性への必要性が,改良をもたらし,標準的な設計を発展させ,SL製造を主要産業としたかをのべた。本書はアメリカ鉄道史だけでなく,SLがいかにアメリカを創ったについて,理解を促すであろう。 著者のことば 本書は蒸気機関車SLに特別の配慮をした,アメリカ合衆国の鉄道史である。しかし,少しでも鉄道という窓から覗いたアメリカ史にしたいと努めた。もちろん,アメリカの通史ではないので,重要な史実でも鉄道に関わりがなければ割愛し,また微細な史実でも大きく扱った部分がある。そして,本書を著す上で大切と考えたのは,鉄道だけを追うのではなく,社会の中で鉄道がどう存在し,社会をどう変え,ひいてはアメリカが今日の姿となったかを描くことである。勿論,それは容易ではないが,鉄道の公益性を盛んじる日本とも欧州とも異なり,企業の自由を重んじるアメリカの鉄道は,日欧とはかなり異なった道を歩んで興隆し,そして没落した。それにはアメリカの国情と,アメリカ人の特性が大きく反映しており,その点を描くのも本書の課題とした。本書は創立からおよそ1990年代初頭に再編が終わるまでの姿を追い,アメカが超大国なるのに,鉄道がどのように貢献したかを描いてみた。 著者略歴 近藤 喜代太郎(こんどう きよたろう) 昭和8年(1933)静岡に生まれ,鉄道施設脇の官舎で育つ。 東京大学医学部卒業,医学博士,同大学第3内科,新潟大学脳研究所を経て北海道大学名誉教授(医学部・公衆衛生)。放送大学客員教授。 昭和44〜46年,アメリカ留学。以来,30回余りの渡米の際,アメリカの鉄道に親しんできた。 |
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