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No.1321 (Re:1320) 【推薦】物理で広がる鉄道の魅力
平岡良一(mwhh3903) 2010-10-31 20:22:26
 我が二十数年来の友人、半田利弘さんは、電波天文を専門とする天文学者です。そして難しい理論であっても、その正確さを失うことなく、平易な言葉で一般の方に解説することが出来る、日本でも数少ない科学者の一人です。
 東京の科学技術館で行なわれている科学ライブショー「ユニバース」の講師でもあり、その話を聞かれた方も多いのではないでしょうか。
 またその専門に閉じこもることなく、物理を始めとする科学全般に造詣が深く、更には今回の著書の題材である鉄道や、SF・アニメ・マンガなどまで話題豊富な方です。

 そんな半田さんが、このたび鉄道書を出版されました。私も実は一昨日にそれを知ったばかりで、今日買って来て読んでいる途中なのですが、鉄道という半田さんにとっては趣味の世界を扱いながらも、関連する物理学の諸法則をうまくちりばめ、それらを一般の鉄道趣味者にも分かりやすい言葉で解説してくれています。
 前書きには『理解の前提となる物理学は、基本的に高校で習う物理学を基準とした。ただし、空気や液体の流れを扱う流体力学と、熱と仕事の関係を扱う熱力学も、ある程度は知っているものとして記述した。』とありますが、いくつか数式やグラフは出て来るものの、それらを読みとばしても理解できるような解説になっています。

 内容的には車両、線路などの施設からIC乗車券まで広く取り扱われていますので、本書は「鉄道趣味者のための物理学入門書」であると同時に「物理学者のための鉄道入門書」でもあるようです。

 物理の好きな方はもちろん、私は物理はちょっとという方にもお勧めできる一冊です。

 平岡良一