まるよし(cfcd3435) 2009-12-13 22:42:22 |
みなさん、こんにちは。福井のまるよしです。
標記の落語会に出かけてきました。チケットの発売日に買ったためか、指定の席は最前列の中央という最上のポジションでした。 前半は「趣味の演芸」のコーナーです。 開口一番を務めた桂雀太さんは、今日は開演前の楽屋に、いつもの落語会では考えられないような方々がお見舞いに訪れるので、面食らった、という話をされました。具体的には、どこどこ大学鉄道研究会OB代表とか、鉄道会社の方とか、…ということでした。 メインの出演者である桂しん吉さんと桂梅團治さんが古典落語を一つずつ披露しました。もちろん枕は鉄道絡みの話です。 乗り鉄のしん吉さんは今年、トワイライトエクスプレスを行程に組み込んだツアーに同行し、サロンカーで余興に落語をした、という話。出番は三回で合計一時間半だったので、残り時間はトワイライトの旅を堪能できたそうです。 撮り鉄の梅團治さんは、やはり高校生の息子さんと時に協力しつつ撮影旅行に行ったお話が枕でした。 中入り後の後半は「本気の鉄」です。 まず、ゲストのピン芸人、代走みつくにさんが登場し、漫談です。知る人ぞ知るというマニアックな芸風の方ですが、駅にこだわる鉄道マニアなのだそうです。鉄道に関する内容での漫談が主で、フリップ芸では阪急電車の駅名標をそのままフリップにし、「駅名の下の括弧書き」につっこみを入れていくネタが一番ウけていました。…「(宝塚ホテル前)」は、ああ駅の前にそういうホテルがあんねんなあ、…「(宝塚大劇場前)」、これも分かる。でも、…これ何〜? 意味分からん〜 旧姓〜? …とまあそういう感じのです。 しん吉さんの鉄道新作落語は、大阪の大店の旦那が、トワイライトエクスプレスのロイヤルが取れたけれど、当日都合が悪くなって乗れない。もったいないので、得意先の鉄道好きの旦那に進呈しよう、ということになり、ちょっと間の抜けた若旦那を使いにやる。しかしその得意先も都合が悪く、親戚を紹介され、そこに届けるよう若旦那に言いつける。行き先までの切符と地図を渡され、なぜか乗る電車の車種を指定される。しかし次の行き先でもまた使い先を紹介され…、という繰返しのなかに鉄道落語ならではのギャグが織り込まれる、というものです。 梅團治さんの鉄道新作落語は、撮影地で有名なプロ鉄道写真家に会った主人公が、プロでもままならない写真撮影の失敗談を聞き出す、というものです。分かる人には分かる撮り鉄の「掟」や生態が飛び出したほか、三脚を立てるしぐさのあまりのリアルさに、その筋の方の哄笑が誘われます。 この後、梅團治さんがこの一年撮影された写真を映写しながら、梅團治さん・しん吉さん・みつくにさんがあーだこーだとトークするスライドショーに入ります。 梅團治さんは、何かしら植物と列車を組み合わせるのがお好きなようで、それは息子さんにも受け継がれています。息子さんの撮った写真も一枚だけ見せてくれました。これはしゃがんで畑仕事をするおばあさんの背後を紀州鉄道キハ600形が行く、というもので、構図のみごとさに、客席からは自然に嘆声と拍手が起きました。 そればかりか、トークの途中、梅團治さんが、 「「人吉」のこの客車、何系やったかな」 と問いかけると、楽屋から息子さんの声で、 「50系です!」 と返事があったりと、知恵袋としてもご活躍でした。息子さんは、中入りでは客席で繁昌亭グッズを売り歩きました。口上も堂に入っており、なかなかの売れ行きだったようです。 さて、今年の新作落語は、二本ともこの日が初めてのネタ下ろしということで、そういうこともあってか、語り口やストーリー、ギャグはいま一つ練られていない感じがしました。ウけ具合も昨年の方がよかったように思います。今後高座にかけられるうちに完成度が高まっていくのでしょう。 まるよし(中村よしひで) |
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