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No.8395 【鉄ピク】3月号別冊 国鉄形車両の記録 72・73系電車
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2025-02-22 03:58:51
株式会社電気車研究会
鉄道図書刊行会
http://www.tetsupic.com

鉄道ピクトリアル
THE RAILWAY PICTORIAL(c)
鉄道ピクトリアル3号別冊
雑誌06412-3 (L)-4/18
特別定価2550円(本体2318円)

    鉄道ピクトリアル 2024年3月号別冊
    国鉄形車両の記録 72・73系電車


 現代における20m車体の通勤車は,両開き4扉のロングシートが主流である.国鉄で最初の新性能通勤車は1957(昭和32)年の101系(当初はモハ90形)であるが,その流れが標準となって今日まで基本的に引き継がれているのである.シートの形状や着席幅は変わっているが,配置は大きく変わっていない.しかし,こうした通勤車両の形態は101系以前,戦時中に製造され,戦時型粗悪電車の代名詞ともなっている63系電車を祖としていることは,すでにご存知のことと思う.第一陣は1944(昭和19)年に新製され,終戦後の1946年度から本格的な大量生産が開始されて,東京・大阪の通勤路線に投入されていったのである.
 モハ63系は戦時・敗戦直後の混乱が続く中で資材を切り詰めて製造されたため,当初は状態不良が頻発し,鉄道車両史における技術的評価は高くないが,通勤形車両のその後における趨勢を形成した点では大きな功績をあげたといってよい.戦後の復興とともに設備も次第に改良され,桜木町事故を契機に73系へと変わり,さらに72系へと展開されて,戦後復興期の通勤輸送を担い,101系以降の新性能通勤車へとバトンを繋いでいった.101系や103系が登場後も,72・73系電車は1960年代において東京・大阪の主要通勤線区で活躍し,高度経済成長で通勤需要が増大する中で,輸送の一端を担って運用された.また,中央線では甲府までの列車区間で71系電車(山スカ)と混用されスカ色となって運用された.1970年代以降は,東京・大阪圏の主要通勤電車線区の近代化とともに,それまで戦前形17m級の旧形電車が主体となっていた都市圏小路線や仙台地区の仙石線,広島地区の呉線,可部線などの地方線区電車区間への転用が進んでいった.しかし,最後まで残った富山港線の電車が1985年3月に置き換えられ,営業運転から退いていった.
 72・73系電車については,本誌ではこれまで通常号で2000年5月号(No.684),2017年11月号(No.938),さらに別冊アーカイブスなどで特集号を発行しており,本系列の足跡をはじめさまざまな話題を構成したが,今回は別冊によってあらためてその全貌を振り返り,資料として活用していただければと考えた.本別冊が読者の皆さんの鉄道趣味・研究の促進,さらなる興味と理解の−助になれば幸いである. 2025年1月 鉄道ピクトリアル編集部


目 次
通勤形電中のレジェンド 星  晃・久保 敏・沢柳健一・今井和彦……1
            太田正行・佐藤利生・三ツ谷政久・編集部
72・73系電車のあゆみ              平石大貴……10
42系・32系を出自とする戦前形20m級4扉改造車の概要
                          内田隆夫……50
72系電車出自の再改造車プロフィール        平石大貴……60
72系電車 形式集(付 20m4扉改造車,再改造車)
                       構成:平石大貴……82
モハ63概要表 72系電車車歴表 20m4扉改造車車歴表
                          平石大貴…192

表紙写真:上左から順に
■クモハ73021 横川    1982−5−1  沢柳健一
■クハ79904  名古屋   1972−6−2  沢柳健一
■クハ79100  陸前原ノ町 1970−8−10 沢柳健一
■クモハ73333 青梅    1974−4−20 進藤 匡
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 529×753(60%表示)