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No.6770 【鉄ピク】11月号別冊 [国鉄形車両の記録] 20系固定編成客車
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2020-10-14 01:16:19
株式会社電気車研究会
鉄道図書刊行会
http://www.tetsupic.com

鉄道ピクトリアル
THE RAILWAY PICTORIAL(c)
鉄道ピクトリアル11号別冊
雑誌06412-11 (L)-12/12
特別定価2400円[本体価格2182円]

2020年11号別冊 国鉄形車両の記録 20系固定編成客車


 1950(昭和25)年に80系湘南電車が登場し,戦後の国鉄における車両近代化が本格化していった.1950年代後半には新性能電車が開発・実用化され,1958(昭和33)年には20系(→151系)「こだま」形電車がデビューし,都市間長距離輸送の主役として鉄道がその価値を発揮していくこととなる.そうした中で,長距離輸送の中心はやはり客車列車であり,電車・気動車と同様に客車の技術も戦後において大きく飛躍していった.標準形としてスハ43系が製作され,1955(昭和30)年には10系軽量客車と,新たな時代を担う客車が相次いで登場したが,この時代の客車開発で,最も華やかで豪華な客車が「こだま」形電車と同時期の1958(昭和33)年に東京−博多間の寝台特急「あさかぜ」でデビューした20系固定編成客車であるといえよう.
 在来客車が形式を問わず1両単位で自在に編成を組み運用されていたのに対し,20系客車は同系列により固定化した編成で運用され,車端の荷物車に電源装置を搭載し,編成全体の電源を確保する日本の客車では初めての方式を採用した.これにより,編成中の旅客車すべてに冷房装置が装備されるなど,特急形客車としてのサービスがアップされるとともに,「ルーメット」と称された1人用,2人用の個室寝台など,当時としては最先端のデラックスで近代的な設備が導入され,「こだま」形電車とともに“明日を開く鉄道の象徴”と位置づけられて,ブルーに白帯を施した塗装と,斬新なスタイルで社会の注目を集めたのである.
 20系固定編成客車は,改良を加えつつ増備が進められ,東京発着の九州方面への寝台特急として好評を博し,長く主力として活躍,その後は関西発着の山陽・九州方面への寝台特急,さらには上野発東北方面,日本海縦貫線の寝台特急にも導入され,いわゆる「ブルートレイン」,国鉄が展開した寝台特急ネットワークの基幹として成長していった.後年,20系客車の後継となる14系,24系寝台客車が登場以降は,改造を経て夜行客車急行でも運用され,JR発足以降もその雄姿を見ることができた.
 本誌においては1985年3月号(No.444),2005年7月号(No.763)にて20系固定編成客車の特集を構成しているが,今回は20系の運用・編成の記録や,電源車などの関連した記録とともに本別冊においてあらためて20系客車を集成し,本系列の技術,あるいは歴史上の価値などについて理解を深めていただければと考えた次第である.なお,本来20系客車は「固定編成客車」として系列が括られるが,内容について理解促進のため本別冊では通常号特集と同じく20系を付加して「20系固定編成客車」として基本的に記していることをご了承いただきたいと思う.
 2020年9月 鉄道ピクトリアル編集部

目 次

華麗なる20系客車……星 晃・根本幸男・久保 敏・米山淳一・石原裕紀… 1
20系固定編成客車のあゆみ…………………………………………平石 大貴…10
20系客車 特急列車の編成変遷…………………………………… 秋元 克広…46
20系固定編成客車 編成記録…………… 千代村資夫・秋元克広・平石大貴…58
電源車を中心とした固定編成客車…………………………………中村 光司…64
20系客車の重量変化と「車両換算規程」………………………… 和 田 洋…77
20系固定編成客車 形式集…………………………………… 構成:平石大貴…82
20系固定編成客車 車歴表……………………………………作成:鏑木隆史…172
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 531×751(60%表示)