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No.6268 (Re:6265) 【南軽出版局】軽便鉄道 雪景色
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2019-10-14 23:48:06

            軽便鉄道 雪景色

         雪ふればむかしのこころ、ほのぼのと
         そらよりつちににほひ入るかな
                    (宮澤賢治)

            4 ● 山あいを行く
           12 ● 里の風物
           24 ● 冬の軽便鉄道
           36 ● 除雪列車出動!
           46 ● 雪と闘う人々
           54 ● 日々の暮らしを支えて
           66 ● 白銀の野に立つ煙
           72 ● 雪化粧


タイトル :軽便鉄道雪景色
発 行 日 :2019年9月29日 第1版発行
定  価 :2000円(税別)
著  者 :なんかる軽便の会
      下島啓亨、井上一郎.梅村正明、杉 行夫、片岡俊夫、永澤吉晃
      松本典久、堀内ぶりる、近藤和磨、中部浩佐
発  行 :南軽出版局 http://nankaru.info
印刷・製本:加藤製版印刷株式会社
企画・編集:片岡俊夫 下島啓亨
撮  影 :青山東男 梅村正明 片岡俊夫 下島啓亨 杉 行夫 松本典久
      水上陽介 吉田文哉
写真提供 :上野 巌 竹中泰彦
解  説 :梅村正明 片岡俊夫 永澤吉晃 堀内ぶりる
制  作 :近藤和磨 永澤吉晃 松本典久 中部浩佐
表紙・レイアウトデザイン:近藤和磨


「あとがき」
雪のない地方で育ったせいか冬の銀世界には今でもある種の憧れを感じる。今から50年前、まだあちこちに残っていた軽便鉄道を訪ね歩いたが、それらは雪の季節になるとまったく違う表情を見せてくれた。雪の中で懸命に働く人たちには申し訳ないがその様子は生き生きとして魅力的ですらあった、
 初めて冬の鉄道写真を撮りに行ったのは1964年12月のことで、東北各地を巡った最初の訪問地が沼尻だった。そこでいきなり雪の軽便鉄道の面白さに嵌まってしまい冬の沼尻鉄道へ3回、頸城鉄道へは4回通った。延べ日数は10日あまりで意外に少ないがラッキーなことに変化に富んだ場面に何度も遭遇した。
 撮影旅行は冬も革の登山靴で通したが頸城でしカンジキが重宝した。登山用の高級品ではなく村の雑貨屋で売っていた安物で、それを得意げにリュックに括りつけて上野から夜行列車に乗り込んだ。沼尻も頸城も雪は積もっても凍りつくほど寒くはない。真冬の北海道や、11月に経験した中国奥地のマイナス20度の世界とはまるで違う。
 頸城では百間町の旅館に1〜2度泊ったが、機関庫の石田主任に「ウチで泊ればいい」と言われそれから毎回お世話になった。無料乗車証を頂いたこともあるが駅員や車掌と顔見知りになっていたので見せる必要も無く、機閏車や除雪車にも気軽に同乗させてもこらった。鉄道職員には悪いが雪のシーズンに訪れて面白かったのは何といっても吹雪の中だった。猛吹雪でダイヤが乱れるどころか間引きに運休。やがてラッセル車が出動し、機関車の重連に続行運転。そのうち何が何だか分からない世界になる。だから不謹慎ながら出かける前に西高東低の強い気圧配置になることを願ったりしたものである。(梅村正明)

軽便鉄道の本をつくりたいと思って、南軽出版のメンバーや古い仲間の撮ったものを集めたら1万点近くなった。1冊にまとめるとすると、捨てるには惜しいものが多すぎる。特に冬の写真に素晴らしいものがある。というわけで、まずは雪景色だけの写真集を作ろうということになった。
 軽便鉄道は、しばしば「のんびり」「ほのぼの」といった形容をされる。しかし、一介の旅人に過ぎない我々の眼から見ても、冬の軽便は総力を挙げて真剣に運行を確保し、雪国の物流と人の輸送を担っていた。それが伝わるような緊張感あふれかつ美しい光景を中心に構成し、気候風土や雪国の暮らしにつぃての解説を付した。世に鉄道書は数多いが、こういう本が1冊くらいあってもよいと思う。小さいながらも健気に頑張っていた軽硬の姿を感じ取っていただけるならば、梅村さんをはじめ何人もの撮影者が、半世紀前に寒さや吹雪を厭わず撮影に赴いた甲斐があったということだろうか。(片岡俊夫)

2年前59歳で早世した吉田文哉君のご遺族から託された、彼の残したネガをスキャンしていて、瞠目した、尊敬するけむりプロに負けじと、山に登り雪の中を走り回り、持ち前の行動力を発揮した数々の素晴らしい写真。片岡悛夫君と「これを世に出したい」と語り合ったことが、今回の軽便情景アルバムのきっかけともなった。このシリーズは諸先輩・同輩・後輩の傑作を集めて、まだまだ続きます。どうぞお楽しみに(永澤吉晃)
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