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No.5837 【創元社】神崎宣武著『近鉄中興の祖 佐伯勇の生涯』
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2019-02-11 02:10:05
                             2019年2月
                             株式会社創元社

 1992年に河出書房新社から出版された『経営の風土学 佐伯勇の生涯』を改題したものです。年譜、新版あとがきを加えておりますが、基本的に旧版をそのまま踏襲しております。四半世紀以上前の本で、いまとなっては佐伯勇を知る人も少ないとは思いますが、佐伯勇の生涯と戦後近鉄のあゆみを重ねた本書は名著というにふさわしく、読み継がれるべき本であると信じております。


書 名: 近鉄中興の祖 佐伯勇の生涯
発売日: 2019年1月18日発売
著 者: 神崎宣武
体 裁: 四六判上製、304頁
価 格: 2400円(税込2592円)
ISBN : 978-4-422-24097-8
内 容: 名伯楽・種田虎雄の薫陶を受け、異例の抜擢により48歳で社長に就任、「独裁はするが独断はしない」を信条として、名阪直通特急の実現をはじめ、近畿日本ツーリスト創立、観光地開発、球団設立など、戦後近鉄の発展の礎を築き、黄金時代を創出した佐伯勇。伝説の経営者はどのように育まれ、いかにして数々の事業を成功に導いたのか−−その劇的な生涯と近鉄のあゆみを、民俗学の泰斗が含蓄に富んだ筆致で浮かび上がらせる。


私の社の社是は、大和(だいわ)協力であります。……事業の性質上、鉄道事業のようなものは、助役も運転士も、あるいは運輸部長も、ちっともその仕事上の責任にかわりがない。……みんなの連帯の責任において仕事をしていく。そこではじめて仕事が円滑にいくんですからして、仲よく協力していくということが根本であります。これを外しては、鉄道事業は成り立たん。(本文より)

著者:神崎宣武(かんざき・のりたけ)
1944年岡山県生まれ。武蔵野美術大学で宮本常一に師事、以後、民俗学・民族学の研究を進める。現在、近鉄グループ傘下の旅の文化研究所所長。五十鈴塾塾長、岡山県宇佐八幡神社宮司。
著書:『日本人は何を食べてきたか』(大月書店、1987年)、『酒の日本文化』(角川選書、1971年)『物見遊山と日本人』(講談社現代新書、1991年)、『失われた日本の風景 都市懐旧』(河出書房新社、2001年)、『しきたりの日本文化』(角川ソフィア文庫、2008年)、『大和屋物語〜大阪ミナミの花街民俗史』(岩波書店、2015年)、『おみやげ 贈答と旅の日本文化』(青弓社、2015年)など多数。

もくじ
◆プロローグ
 「大和屋」の一室にて/帽子の記憶/丹原の地/離郷する日/勇おいちゃんと社長/事業家の素顔

◆大学は出たけれど……
 郷里で語る/入社までの空白/おとなしい勉強家/芝居に凝ったころ/兄嫁の証言/大軌という会社/私鉄網の発達/お参り電車/参詣の旅の歴史

◆饒舌な新入社員
 青年社員の気概/昭和恐慌/日本社会の「ウチ」意志/遊びの時間/わがままな婿どの/かんしゃくもち

◆経営者の伝統
 鉄道の種田/金森と種田、二代の社長/大阪人・東京人/関西私鉄の再編/経営者修行/関急から近鉄へ/敗戦を予測す/それでも電車は動いた/こうやく貼り電車と近鉄農場

◆独裁すれども独断せず
 異例の抜擢/権力者の心理/訪米で得たもの/社長としての出発/経営者の姿勢/資金調達の苦心

◆電鉄産業から総合経営へ
 伊勢湾台風による被害/災害を転じて拡幅へ/奈良電鉄を合併/経営者の孤独/事業の拡大/観光産業経営論

◆大阪の企業風土
 文化と経済/大阪商人のパトロネージュ/財界活動はじまる/訪中団団長として/大商会頭の椅子/引きぎわの美学

◆エピローグ
 花の世界の枯淡/企業のさまざまな顔/立つ鳥の残したもの
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