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No.4766 (Re:4762) 旅のヒント:レイルエキスパート養成講座修了者向け欧州研修旅行体験記
ほりうち(ccbu8181) 2017-06-01 11:32:10
旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。

      レイルエキスパート養成講座修了者向け欧州研修旅行体験記
           レイルヨーロッパジャパン 山本明子


 今月号の旅のヒントは、2016年に開講したレイルエキスパート養成講座を修了し、優秀な成績でレイルエキスパートに認定された方々を対象にし、2017年1月に研修旅行を実施しました。同養成講座で学んだ列車に乗車し、鉄道パスを利用して各国を巡り、実際に鉄道旅行の利便性と快適さを体験してもらうのが大きな目的のひとつ。11日間で7カ国(オランダ、ベルギー、イギリス、フランス、イタリア、スイス、ドイツ)を、タリスやユーロスター、ICEといった高速列車や夜行列車に乗車。イタリアからスイスへと移動する際には、世界最長のゴッタルドベーストンネルを通過。スイスではピラトゥス山へロープウェイやゴンドラ、路線バスを乗り継いで登頂しました。さらにイタリア・ミラノやドイツ・フランクフルトでは、自由行動を利用して参加者各自が鉄道パスを利用するなどして他都市へのエクスカーションを楽しみました。列車を中心にご紹介します。<画像=ブリュッセルからロンドンへ向かうユーロスター車内のスタンダードプレミア(1等)のランチ(C)Rail Europe Japan>
 ※このプランは、2017年1月現在の情報に基づき記載されています。

旅程:

1日目
 成田空港からカタール航空でドーハへ。
 【機内泊】

2日目
 ドーハ空港からカタール航空でアムステルダム・スキポール空港へ。ローカル列車でアムステルダム中央駅へ。タリス(15:17発/17:08着)でブリュッセル・ミディ駅へ。着後、ホテルへ。
 【ブリュッセル泊】

3日目
 午前中、鉄道博物館を見学。ユーロスター区間内乗車券を利用。昼頃、ユーロスター(12:52発/14:05着)でロンドン・セントパンクラス駅へ。夕方、テムズ川クルーズ。
 【ロンドン泊】

4日目
 出発まで自由行動。昼頃、ユーロスター(12:24発/15:47着)でパリ北駅へ。その後、RER(D線)で、パリ・リヨン駅へ移動。リヨン駅構内Le train Bleuでディナー。その後、夜行列車テロ(19:14発)でミラノ中央駅へ。
 【車中泊】

5日目
 朝、ミラノ中央駅(6:00着)着後、自由行動で、ヴェローナへ。ミラノ中央駅からローカル列車(8:25発/11:00着)でヴェローナへ、市内散策後、フレッチャビアンカ(12:35発/13:55着)でミラノへ。午後、ミラノ市内散策。
 【ミラノ泊】

6日目
 午前中、自由行動。ミラノ中央駅からEC(13:25分発/17:14着)でチューリヒへ。世界最長・最深のゴッタルドベーストンネルを通過。夕方、チューリヒ中央駅からルツェルンへ。
 【ルツェルン泊】

7日目
 朝、ルツェルン駅前から路線バスでクリエんツへ。ピラトゥスバレー駅からパノラマゴンドラとロープウェイを乗り継いでピラトゥス山頂へ。ピラトゥスクルムでランチ。ピラトゥスクルム駅からロープウェイとパノラマゴンドラを乗り継ぎピラトゥスバレー駅へ。クリエンスから路線バスでルツェルン駅へ。その後、スイス交通博物館など見学。
 【ルツェルン泊】

8日目
 朝、ルツェルン駅からローカル列車(8:35発/9:25着)でチューリヒ中央駅へ。その後、ICE(10:00発/13:53着)に乗り換えてフランクフルト中央駅へ。その後、市街地散策で、ドーム、パウルス教会、ゲーテの家、アイゼルナー小橋など。
 【フランクフルト泊】

9日目
 朝食後、フランクフルト中央駅からSバーン(10:12発/10:54着)でヴィースバーデンへ。市街地散策。ローカル列車(16:20発/16:50着)でフランクフルトへ。
 【フランクフルト泊】

10日目
 出発まで自由行動。フランクフルト中央駅からICE(14:10発/14:22着)でフランクフルト国際空港駅へ。夕方、カタール航空にてドーハ経由で日本へ。
 【機中泊】

11日目
 成田空港到着。




旅行プラン:

         ユーロスター、パリ線では新型車両がほぼ導入済み
          セントパンクラス駅の1等ラウンジでゆったり


 2日目、アムステルダム・スキポール空港に直結する空港駅からローカル列車でわずか20分足らずでアムステルダム中央駅に到着。その後、高速列車タリスでブリュッセル・ミディ駅に移動。ユーレイルパスを利用し、1等に乗車。乗り心地は快適。WIFI や充電プラグもあり、食堂車も連結されています。1等車は、座席にて軽食のサービスが受けられる。また、サービスひとつとしてTAXIの予約が可能。TAXI 代金は個人負担ですが、車掌さんが予約カードを持っているので記入し申し込みをすると、到着駅でネームボードを持ったドライバーが迎えに来ています。
 翌日の午前中、ユーロスターの様な国際線のチケットには、ある一定区間が乗車できる特典が付いている。その区間乗車を利用し、各駅停車に乗り、ブリュッセル・ミディから3つ目の駅Scheabeek へ。そこには、「鉄道博物館」があり、ベルギーの鉄道がどのようにして発展し、現在に至るのかが展示されています。タイムスリップしたかのような感じになれるレイアウトの仕方がとても良く、鉄道ファンならぜひ一度訪れて欲しい場所です。
 ブリュッセル・ミディ駅からユーロスターに乗り、ロンドンへ移動。乗車ホームへ行く前に、ベルギーからの出国手続きと英国・ロンドンへの入国審査があるので、区間乗車券として購入した1等でも30分前にはセキュリティーチェックを抜けることをお勧めします。空港での入国審査よりは少し簡易的ではありますが、ほぼ同じです。
 ユーロスター1等車は、乗車時間帯により座席で温かい食事と飲み物のサービスが受けられますが、2等車の場合は、BAR CAR(バー車両)で軽食やスナックなどを購入出来ます。しかし、土・日曜はケータリング会社が休みのため、1等車も簡単な軽食程度サービスしか受けられません。また、ユーロスターは、新型車両の導入を進めていますが、一部で旧型車両も走っています。ブリュッセルからロンドンまでは旧型車両に乗車しました。


      パリ・リヨン駅のル・トランブルーで乗車までの優雅な一時を
             夜行列車テロでパリからミラノへ


  ロンドンに到着した日の夕方、テムズ川クルーズ(=画像((C)Rail Europe Japan)を楽しみました。
 翌日は、ロンドン・セントパンクラス駅からユーロスターの新型車両に乗ってパリ北駅へと移動しました。セントパンクラス駅は、歴史的建造物と近代的な建物が融合した駅です。ショッピング街も充実していて、駅中だけでも十分お買い物が楽しめます。ユーロスターのビジネスプレミアラウンジは、イギリスからの出国とフランスへの入国審査を終えると、右手奥にラウンジの入り口があります。(ビジネスプレミアの旅客は、チェックイン専用カウンター、専用入口があり、そちらを利用します)。スーツケースを持っていたので、受付に預けてからのラウンジ利用でしたので通れませんでしたが、手荷物程度の方はラウンジ利用後、ラウンジ内の専用通路を抜けてホームに出られるようになっています。ラウンジ内は落ち着いた雰囲気で、飲み物や雑誌などが充実。早めに来てラウンジで仕事をしてから乗車されるお客さまも多いとか。このラウンジは、ユーロスターのマイレージプログラムに加入している方も利用できるそうなので、利用頻度の高いお客さまにマイレージプログラムをお勧めしても良いのではないでしょうか。
 ロンドンからユーロスターの新車両に乗り、パリ北駅へ移動。この区間はほぼ99%が新型車両に入れ替えられているそうです。旧型車両に比べて、座席周りの使い勝手が良く、ヘッドの部分もカーブしていてプライベート感があり、快適です。
 パリ北駅到着後、パリ・リヨン駅へ。その後夜行列車テロでイタリア・ミラノへと移動しました。リヨン駅は、古くからお金持ちが南仏なでへバケーションに出かける際に利用した駅だったので、“Le train Bleu”のような駅中のカフェにしては高級感あふれる店が併設されているそうです。高級そうではありますが、簡単なお茶からフルディナーまで、出発の時間に合わせて対応してくれます。私たちもお茶をしながら寝台列車の出発までの時間をのんびり過ごしました。

      ゴッタルドベーストンネルを通過してイタリアからスイスへ

 夜行列車テロは3人部屋(1等車)で、スーツケースも3つ入れるとかなりいっぱいいっぱいでした。部屋にはタオルを含むアメニティグッズが付いていて、洗面台もあります。トイレとシャワーは共同です。中には部屋にシャワーが付いている部屋もありますが、基本週末発の寝台列車は、上のクラスの部屋から売れてしまうそう。食堂車も連結していて、簡単なものですが、温かいものも食べられます。しかし食堂車は混むので、利用する場合は、早めに席を取る事をお勧めします。
 翌早朝(6:00)にミラノ中央駅に到着。14時頃までの自由時間を利用して、世界遺産の町ヴェローナへ。行きはローカル列車、帰りはフレッチャビアンカに乗車体験。ヴェローナでは、旧市街やジュリエットの家などを散策。名物の赤いリゾット「アマローネ」とロバのパスタを試食しました。ミラノに戻ってからは、ホッピオン・ホップオフバスを利用してドゥオーモ、スカラ座を見学後、ダ・ヴィンチの最後の晩餐を鑑賞。翌日は出発までの自由時間は、地下鉄を利用し、ナヴィリオ運河地区へ朝の散歩へ出かけてみました。骨董市が有名のようですが、日曜日の朝ということもあり、教会へ向かう人々にはすれ違いましたが、お店はどこも開いていませんでした。
 ミラノ中央駅からEC にてルツェルン(スイス)へ移動。乗車した車両は、スイスの新型車両で乗り心地は快適。座席数は少ないが食堂車のサービスも良く、1等車両はコーヒーなどであれば、販売カートも回ってきます。団体用に食事(コールドミール)を注文しておくことができます。
 この路線は、世界一長く、深いゴッタルドベーストンネルを通過する。通過の際に、車内スクリーンに、トンネルについての映像がながれるが、イタリア語と英語のみ。かなり深い所を通過するのに、耳などは全く痛くならなかった。トンネルの通過時間は約20分。あっという間にトンネルが終わってしまいました(通過中は、トンネル内の現在地がスクリーンに表示されます)。

            ピラトゥス山へのエクスカーション
        フランクフルトからの日帰り旅行はヴィースバーデン!


 7日目は、ピラトゥス山への1日エクスカーションです。ルツェルンの町はどんより曇り空でしたが、ロープウェイで山頂へ向かうと、眼下に雲海が広がり、山頂は雲一つないいいお天気でした。ユングフラウ3山もはっきり見えて最高の景色を楽しめました。昼食後は、下山しルツェルン市内の交通博物館へ。ルツェルン駅からも近く路線バスに乗り5分〜10分程度で到着。ヨーロッパの交通の歴史が見て触って体験できるので、現地の方々には大変人気の博物館です。今回、スイスの歴史には欠かせないチョコレート。リンツが出資し導入したチョコレートアドベンチャーを体験。ここで、お土産も購入できます(耳より情報!お土産に人気の高級チョコレートのリンツですが、こちらの博物館内で購入すれば、市場の2〜3割安で購入できます)。
 ルツェルンからチューリッヒへローカル線で移動し、そこから高速列車ICEに乗りフランクフルトへ移動。1等車は車掌が座席までお茶や食事の注文を聞きに来てくれますが、1人で対応しているので、大人数の注文は難しいかも。もちろん車内クレジットカード利用可。ICEの車両によっては、他の国際列車比べると、WIFI が無く、スーツケースを置く場所が狭いのでちょっと不便。
 フランクフルト到着後、徒歩にて市内視察。ゲーテハウス・博物館、大聖堂、旧市庁舎とレーマー広場やアイゼルナー橋など。フランクフルトは、古くから金融の町で、お金持ちが多く、博物館や橋などは市民から寄贈され建てられたものが多いそうです。
 市内耳より情報!出張のお客さまにご紹介頂けそうなラーメン屋が一軒。好みもありますが、新潟出身のオーナーがとんこつラーメンを出しています。店員は日本人。金額はまあまあといったところです。フランクフルト中央駅から徒歩で15分程度。メッセに向かって歩き、グランドホテルの先を右折。「ラ」と書かれた看板が目印です。
 ユーレイルパスを利用して、S バーンに乗りヴィースバーデンへ(20分程度)。国際的に保養と会議の町として知られているそうで、地理的好条件を生かしてドイツ・ヘッセン州の州都となっているそうです。観光エリアは全て徒歩圏内にあり、教会を中心に町が広がっています。旧市街地は一般車両が通行止めとなっていているので、観光しやすいです(配送車は11:00AM まで通行可能)。この町は、第二次世界大戦で空襲を受けたものの、奇跡的に町の80%が残ったそう。ドイツでは珍しく、教会やスパはオリジナルのものが見られます。フランクフルトからのアクセスも良いので、1DAY エクスカーションがおすすめ。古くから愛されるお菓子屋さんや、街で人気のコーヒー豆の店、オシャレなカフェなど、ガイドツアーを利用し歴史を学ぶのも楽しいと思います。


※ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。

※また、列車情報、車内で提供される食事やサービスについても予告なく変更されることがあります。ご乗車の際には事前にご確認ください。


鉄道パス&チケット
・ユーレイルセレクトパス4カ国(ベネルクス、フランス、ドイツ、イタリア)フレキシータイプ通用日5日間(1等)、スイストラベルパス通用日連続タイプ3日間(1等)

・鉄道パスを使って、タリス(2日目)、ユーロスター(3、4日目)、夜行列車テロ(4日目)、フレッチャビアンカ(5日目)に乗車の際は、お得なパスホルダー料金にて座席/寝台指定券を別途購入しなければなりません。

・ミラノ中央駅からヴェローナ(5日目)へは鉄道パスを利用


Tips & インフォメーション
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

・オランダ観光局 ⇒ http://www.holland.com/jp/tourism.htm

・ベルギー観光局ワロン・ブリュッセル ⇒ http://www.belgium-travel.jp/

・ベルギー・フランダース政府観光局 ⇒ http://www.visitflanders.com/ja/

・英国政府観光庁 ⇒ https://www.visitbritain.com/jp/

・フランス観光開発機構 ⇒ http://jp.france.fr/

・イタリア政府観光局 ⇒ http://visitaly.jp/

・スイス政府観光局 ⇒ http://www.myswitzerland.com/ja/home.html

・ドイツ観光局 ⇒ http://www.germany.travel/jp/index.html

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