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No.3791 (Re:3787) 旅のヒント:車窓の風景とハイキングで楽しむスイス鉄道の旅
ほりうち(ccbu8181) 2015-08-01 19:31:21

旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。


車窓の風景とハイキングで楽しむスイス鉄道の旅
 「Grand Train Tour of Switzerland」の絶景ルートから
  チューリヒ、シャウハウゼン、ザンクト・ガレン、ツェルマット、モントルー、ラヴォー地区


 今月号の旅のヒントは、スイスでもっとも美しいパノラマ景色を堪能する「Grand Train Tour of Switzerland」から2つの絶景ルートを組み入れた、晩夏から秋にかけてスイスで楽しむハイキングの旅をご紹介します。滞在地はチューリヒ、ツェルマット、モントルーです。チューリッヒ滞在中、絶景ルートとしてスイストラベルシステム(STS)がおすすめする、シャフハウゼンを経由してザンクト・ガレンへ。その後、マッターホルン初登頂から150周年を迎えたツェルマットに行き、ロープウェイとハイキングでマッターホルンやツェルマットの絶景を楽しみます。さらに、今回の旅のヒントで取り上げる2つ目の絶景ルートであるツェルマットからモントルーへと列車で移動。レマン湖畔の町モントルー滞在中は、世界遺産にも登録されるラヴォーのぶどう畑を見ながらのハイキングを楽しみます<画像=ゴルナーグラート登山鉄道とマッターホルン山頂((C)Emi Cristea)>。


旅程

1日目
 日本から、直行便、またはヨーロッパの都市を経由して、チューリヒへ。着後、ホテルへ。
 チューリヒ泊

2日目
 終日、チューリヒ市内散策。
 チューリヒ泊

3日目
 朝、REでシャフハウゼンへ(所要約41分)。その後、トゥルボ鉄道(S8)でザンクト・ガレンへ(約1時間54分)<Grand Train Tour of Switzerlandのルート>。
 チューリヒ泊

4日目
 朝、ICとMGBを乗り継いでツェルマットへ(約3時間11分)。午後は、ロープウェイでクライン・マッターホルン展望台へ。
 ツェルマット泊

5日目
 終日、ハイキングを楽しみつつ、ゴルナーグラート展望台へ。
 チェルマット泊

6日目
 朝、ツェルマットからモントルーへ(約2時間40分)<Grand Train Tour of Switzerlandのルート>。
 モントルー泊

7日目
 朝、Sバーンでキュリーへ(約17分)。ラヴォー地区のぶどう畑をハイキング。
 モントルー泊

8日目
 IRでジュネーブ国際空港へ(約1時間15分)。ジュネーブ国際空港から、ヨーロッパの都市を経由して、日本へ。
 機内泊

9日目
 日本着



旅のポイント:

 絶景ルートでチューリヒからザンクト・ガレンへ

 チューリヒ国際空港に到着したら、空港に直結している鉄道駅からチューリヒ中央駅へ。弊社公式ウェブサイトでは、チューリヒ国際空港へのアクセス、交通情報、鉄道駅情報、チューリヒのおすすめ観光スポット、マップ、チューリヒ中央駅の駅構内サービスや公共交通機関との接続などの情報を紹介しています。
 3日目は、Grand Train Tour of Switzerlandで紹介する絶景ルートのひとつである、チューリヒからザンクト・ガレンへと出かけます。途中、ドイツとの国境の町シャフハウゼンで下車。チューリヒ中央駅からレギオエクスプレス(RE)に乗って約41分でシャフハウゼンに到着です。ヨーロッパ随一の水量を誇るラインの滝を見学したり、中世の面影が残る旧市街の散策を楽しんだり。ムノート城塞からのライン川や町並みを望む風景も見逃せません。
 その後、トゥルボ鉄道に乗ってボーデン湖沿いを走り、約1時間54分でザンクト・ガレン駅に到着です。バロック建築の傑作、ザンクト・ガレン修道院(8世紀創設)と修道院付属図書館やカテドラルは、いずれも世界遺産に登録されています。修道院周辺の旧市街は、中世の町並みが残され、カフェやレストランも多く営業しています。その後、ザンクト・ガレン駅からインターシティ(IC)に乗って約1時間14分でチューリヒ中央駅に到着です。


 初登頂150周年のマッターホルンを望みながらハイキング
  絶景ルートでツェルマットから湖畔の町モントルーへ


 4日目は、ツェルマットへと移動です。チューリヒ中央駅からインターシティ(IC)に乗って約2時間でフィスプに到着。そこで、マッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)に乗り換えてツェルマットへ(約1時間5分)。IC区間(チューリヒからフィスプ)では、ベルンを通り過ぎてトゥーン湖沿いを走り、さらにレッチベルクベーストンネル(基底トンネル)を通過してフィスプへ。そこで、MGBに乗り換えてツェルマット駅へと向かいます。
 名峰マッターホルンは2015年、英国人エドワード・ウィンパーによる初登頂から150周年を迎えました。それを記念して、ツェルマットの村では年間を通してさまざまなイベントや記念事業が行われています。
 午後は、ロープウェイを乗り継いで40分ほどでクライン・マッターホルン展望台(マッターホルン・グレッシャー・パラダイス)へ。4000m級の峰38座が連なる雄大な景色に圧倒されるはず。
 翌日は、MGBツェルマット駅のすぐ近く前にあるゴルナーグラート登山鉄道駅から登山列車に乗ってゴルナーグラート展望台へ。所要時間は35分ほどです。展望台からはマッターホルンをはじめ、スイス最高峰のモンテ・ローザなど4000m級の秀峰を一望にできます。ツェルマットから同登山鉄道に乗車の際は、進行方向右側の席がおすすめ。車窓にマッターホルンを眺めながら進みます。雄大なスイスアルプスを堪能したら、ハイキングしながら下ります。途中、山上湖リッフェルゼーで湖面に映る「逆さマッターホルン」を堪能、リッフェルベルク駅まで2時間ほどのハイキングを楽しみ、リッフェルベルク駅で再び登山列車に乗ってツェルマットまで下ります。
 6日目は、ツェルマットからモントルーへ、「Grand Train Tour of Switzerland」でも紹介されている絶景ルートを列車で走ります。MGBでツェルマット駅からフィスプへと行き、そこでインターレギオ(IR)に乗り換えて、マルティニ経由でレマン湖畔の町モントルー駅までトータル約2時間40分でアクセスできます。


 世界遺産のラヴォー地区ぶどう畑でハイキング
  モントルーからジュネーブ国際空港まではIRで約1時間15分


 翌日、世界遺産に登録される、中世から続く伝統のラヴォー地区ぶどう畑を訪れ、ハイキングを楽しみます。モントルー駅からSバーン(S3, S1)に乗ってキュリー駅へと移動(所要約17分)します。キュリーは小さな町で、周辺の丘はテラス状の葡萄畑が広がります。ぶどう畑の小路を通って小さなエペス村へとハイキング。途中、ハイキングコースの標識やぶどう畑についての説明が書かれたパネルなどがあります。エスペ村はぶどう農家の集落。ぶどう畑を眺めるテラスのあるビストロでランチを。村を抜けてぶどう畑の間の小路を行くと、ワインセラーが軒を連ねるぶどう農家の集落リエ村に到着です。リエ村は世界遺産に登録されるラヴォー地区のぶどう畑の中にあり、秋には黄金に輝くぶどう畑を見ながらの気持ちのよいハイキングを楽しみつつキュリーへと戻ります。
 ジュネーブ国際空港には鉄道が乗り入れており、モントルー駅からはIRに乗って約1時間15分で、ジュネーブ国際空港駅に到着です。

 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


 鉄道パス&チケット

スイストラベルパス フレックス(1カ月の有効期間内に通用日4日間):RE&トゥルボ鉄道(チューリヒ中央駅⇒シャフハウゼン駅⇒ザンクト・ガレン駅<3日目>)、IC(ザンクト・ガレン駅⇒チューリヒ中央駅<3日目>)、IC&MGB(チューリヒ中央駅⇒フィスプ駅⇒ツェルマット駅<4日目>)、MGB&IR(ツェルマット駅⇒モントルー駅<6日目>)、IR(モントルー駅⇒ジュネーブ空港駅<8日目>)

・スイスファミリーカード(無料)があれば、有効なスイストラベルパス(フレックス含む)などを所有する親1人に同伴する子供(6歳以上、16歳未満)は、何人でも無料です。大人用のパスをご購入時に、スイスファミリーカードを申請してください。6歳未満の子供は無料です。

・スイストラベルパスフレックスは、26歳未満の旅行者向けのユースパス(1等と2等)があります。シニアパス(60歳以上)やセーバーパスの設定はありません。

・トゥルボ鉄道は、スイストラベルパスフレックスが有効です。

・スイストラベルパスは、スイス国内の450以上の美術館や展覧会などに無料で入館できるほか、国内主要都市の公共交通機関を無料でご利用いただけるなど、さまざまな特典があります。


 Tips & インフォメーション

・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

・スイス政府観光局⇒ http://www.myswiss.jp/jp.cfm/home/

・スイス旅行のためのアイデア:
 「アルプスの谷アルプスの村」(著者:新田次郎、新潮社、1979)
 「スイスアルプス旅辞典」(著者:小川清美、新潮社、2015)
 「チャレンジするあなたへの山旅ガイドスイスアルプス山歩き・花紀行改訂版(登山シリーズ3)」(著者:市原芳夫、本の泉社、2006)
 「スイス歩いて楽しむアルプス絶景ルート(地球の歩き方GEM STONE)」(著:地球の歩き方編集室、ダイヤモンド社、2012)

撮影日:
撮影場所:
キャプション: ゴルナーグラート登山鉄道とマッターホルン山頂((C)Emi Cristea)
画像サイズ: 380×252(84%表示)