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No.3612 (Re:3608) 旅のヒント:ブリットレイルロンドンプラスパスで巡るロンドン近郊〜ユーロスターでロンドンからリヨンへ
ほりうち(ccbu8181) 2015-04-01 09:44:35

旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。


ユーロスターでロンドンからリヨンへ
 ブリットレイルロンドンプラスパスで巡るロンドン近郊
 〜ロンドン、ライ、ストラトフォード・アポン・エイボン、リヨン、グルノーブル

 今月号の旅のヒントは、ブリットレイルロンドンプラスパスを使って、ロンドンとその近郊を巡り、さらに高速列車ユーロスターの直行便でフランス・リヨンへと移動します。ロンドンには4泊して、サザンイースタンやサザンレイルウェイズ(=画像)などに乗って、イングランド南東部の古都ライ、シェークスピア生誕の町ストラトフォード・アポン・エイボンを訪ねます。その後、フランスへと移動してリヨンに2泊し、フレンチアルプスへの玄関口グルノーブルへと出かけます。


 旅程

1日目
 日本から、ヨーロッパの都市を経由するなどしてロンドンへ。着後、ホテルへ。
 ロンドン泊

2日目
 終日、ロンドン市内散策。
 ロンドン泊

3日目
 朝、ロンドン・セントパンクラス・インターナショナル駅から列車(サザンイースタン・レイルウェイズとサザン・レイルウェイズ)に乗ってイングランド南東部の港町ライへ(所要約1時間17分)。
 ロンドン泊

4日目
 朝、チルターン・レイルウェイズに乗ってシェークスピアの故郷ストラスフォード・アポン・エイボンへ。
 ロンドン泊

5日目
 早朝、ユーロスターでフランス・リヨン・パーデュー駅へ(約4時間41分)。着後、リヨン市内散策。
 リヨン泊

6日目
 朝、普通列車でグルノーブル駅へ(約2時間)。山岳都市を散策。
 リヨン泊

7日目
 リヨン・サンテグジュペリ空港から、ヨーロッパの都市を経由するなどして日本へ。
 機内泊

8日目
 日本着



 旅のポイント:

ロンドンでは空港エクスプレスが無料に!

 ロンドン・ヒースロー空港に到着したら、ヒースロー・エクスプレスでロンドン・パディントン駅には20分足らずで到着します。今回の旅で利用するブリットレイルロンドンプラスパスには、ロンドン市内にあるヒースロー空港、ガトウィック空港、スタンステッド空港の3つ空港と市街地をそれぞれ結ぶ、空港エクスプレスに利用できるクーポンが2枚(往路と復路分)ついています。クーポンを利用して、とてもお得に、便利にロンドン市街地へと無料でアクセスできます。ガトウィック空港に到着したなら、ガトウィックエクスプレスでロンドン・ビクトリア駅へ。スタンステッド空港であれば、スタンステッドエクスプレスでロンドン・リバプール・ストリート駅へ。
 2日目は終日、ロンドン市内散策です。ショッピングやアフタヌーンティ、イングリッシュガーデンを訪れたり、美術館や博物館巡りをしたりと、楽しみはいろいろ。ロンドンのおすすめ観光スポット情報、マップなどは、弊社公式サイト都市情報「ロンドン」で画像とともに紹介しています。


古都ライへは約1時間17分で
 シェークスピアの故郷ストラトフォード・アポン・エイボンへ


 翌日は、イングランド南東部の港町ライへと出かけます。ロンドン・セントパンクラス・インターナショナル駅からサザンイースタン・レイルウェイズ(SE)に乗ってアシュフォード・インターナショナル駅経由でライ駅へ。同アシュフォード駅からはサザン・レイルウェイズ(SN)に乗ってライへ。所要時間は1時間17分です。
 石畳の路地と白い漆喰の壁に赤茶色のレンガの屋根が印象的な港町ライには、アンティークショップや陶磁器工房&ショップが点在します。どの店もチェーン展開していないので、オリジナルなお気に入りを見つけてみてはいかがでしょう。中世の雰囲気を今に伝えるライ散策の休憩には、ホームメイドのスコーンと紅茶でアフタヌーンティを。映画『ある貴婦人の肖像』の原作者ヘンリー・ジェイムスが暮らしたラムハウス、聖メアリー教会などの見所もあります。
 4日目は、シェークスピアの故郷ストラトフォード・アポン・エイボンを訪ねます。ロンドン・マリルボーン駅からチルターン・レイルウェイズ(CH)に乗って約2時間6分で到着です。両駅を結ぶ直行便の運行本数はかなり限られており、バンブリーやソリハルなどで乗り換えなければなりません。チルターン・レイルウェイズはスタンダードクラス(2等)のみのサービスで、多くの列車で車内には携帯電話の使用が禁止されているクワイエットゾーンが設けられています。
 ストラトフォード・アポン・エイボン駅前にあるステーション通りを東へと歩けば、木骨組みの古い家並みが残された市街地です。この町の主な見所は、シェークスピアの生家、シェークスピアが引退後に暮らしたナッシュの家とニュープレイス、シェークスピアの眠るホーリー・トリニティ教会、ロイヤル・シェークスピア・シアターなど。途中、クロテッドコーテッドクリーム&イチゴジャムをたっぷりとスコーンに塗って紅茶とともにアフタヌーンティをお楽しみください。また、エイヴォン川のクルーズやのんびりと河畔の散策も気持ちのよい過ごし方です。


ユーロスターでリヨンまで直行!
 リヨン滞在中はTERでグルノーブルへ


 5日目は、高速列車ユーロスターの直行便でフランス・リヨンへと移動です。ユーロスターは2015年5月1日から、年間を通して、ロンドンからリヨンやアヴィニョン、マルセイユといった南仏への直行便が運行される予定です。運行本数は、月ごとに異なり、5、6月と9、10月は週3往復便、7、8月は週5往復便、11、12月は週1往復便での運行となります。
 5月1日以降、ロンドン・セントパンクラス・インターナショナル駅を朝7時15分(または7時19分)発のユーロスターに乗車すると、リヨン・パーデュー駅にはいずれも13時に到着します。スタンダードプレミア(1等席)にご乗車のお客様は座席にて季節の素材を使った郷土の味を加味したお食事をお楽しみいただけます。また、バー/ビュフェ車両が連結されており、サンドイッチや温かい食事、スナック類や飲み物などを販売しています。英国からドーバー海峡を渡り、フランスを南下するにつれて、移り変わる車窓の風景をお楽しみください。
 13時にリヨン・パールデュー駅に到着したら、駅またはホテルに荷物を預けてから旧市街を中心に散策へ出かけましょう。リヨンには、ユーロスターなどの高速列車が停車するリヨン・パールデュー駅とリヨン・ペラーシュ駅があります。いずれの駅もメトロ(地下鉄)に直結しており、そこから市内各地へと移動できます。弊社公式サイトでは、リヨンの2つの駅について他の公共交通機関との接続情報、あるいは駅構内図(パールデュー駅)などを紹介しています。
 ローヌ・アルプ地方の中心都市リヨンは、「リヨン歴史地区」として世界遺産にも登録される旧市街周辺を散策したり、17世紀には修道院だった建物がとても印象的なリヨン美術館で藤田嗣治をはじめ、モネやルノワール、ロダンらの作品が楽しめます。リヨンのおすすめ観光スポット情報、マップなどは、弊社公式サイト都市情報「リヨン」で画像とともに紹介しています。
 6日目は、アルプスへの玄関口、グルノーブルへと出かけます。リヨン・パールデュー駅からTERに乗って約1時間32分でグルノーブル駅に到着です。アウトドア派にはとても良く知られた町グルノーブル。アクティビティだけを楽しむ町ではありません。近代美術のグルノーブル美術館へ出かけたり、小高い丘の上のバスティーユ要塞にある展望台から絶景アルプスの山々を愛でたり。展望台へはロープウェイでアクセスできます。グルノーブルのおすすめ観光スポット情報、マップなどは、弊社公式サイト都市情報「グルノーブル」で画像とともに紹介しています。
 リヨン・サンテグジュペリ空港まではリヨン・パール・デュー駅前からトラムに乗って約30分でアクセスできます。


 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


 鉄道パス&チケット
ブリットレイルロンドンプラスパス3日間/1カ月有効(1等または2等):SEとSN(ロンドン・セントパンクラス・インターナショナル駅⇔ライ駅<3日目>)、CH(ロンドン・マリルボーン駅⇔ストラトフォード・アポン・エイボン駅<4日目>)
 区間乗車券:TER(リヨン・パーデュー駅⇔グルノーブル駅<6日目>

・ブリットレイルロンドンプラスパスのみ購入し、リヨン滞在中は、鉄道には1往復(2回)しか乗車しませんので、区間乗車券を利用します。そのほうが、鉄道パスを購入するよりもお得です。また、すでにスケジュールが確定し、乗車する列車を決めていれば、ロンドンでも、事前にチケット(区間乗車券)をそれぞれの区間で購入するほうがお得な場合もあります。

・有効なブリットレイルロンドンプラスパス所持者は、別途購入しなければならないユーロスターの座席指定券を大変お得なパスホルダー料金にご購入いただけます。

・ブリットレイルロンドンプラスパスには、ユースやシニア、セーバー(2人で同一行程を一緒に旅する場合の割引き)の設定はありません。大人と子供向けのパスのみです。

・大人に同伴する6歳未満の子供はブリットレイルロンドンプラスパスが無料となります。


 Tips & インフォメーション
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。復路の列車の時刻も必ずご確認ください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

・英国政府観光庁⇒http://www.visitbritain.com/

・フランス観光開発機構⇒http://jp.rendezvousenfrance.com/

・英国、フランス旅行のためのアイデア:
 「図説英国紅茶の歴史」(著者:Cha Tea紅茶教室、河出書房新社、2014年)
 「シェイクスピアの町−ストラトフォード・アポン・エイボンの四季」(著者:熊井明子、東京書籍、1995年)
 「図説西洋建築の歴史」(著者:佐藤達生、河出書房新社、2005年)
 「フランス史10講」(著者:柴田三千雄、岩波書店、2006)
 「フランスものしり紀行」(著者:紅山幸夫、新潮社、2005年)、
 「荷風のリヨン」(著者:加太宏邦、白水社、2005)

撮影日:
撮影場所:
キャプション: サザンレイルウェイズ
画像サイズ: 341×259(94%表示)