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No.2086 【クラッセ】新刊:堀内重人 著『ブルートレイン50年−20系客車の誕生から、今後の夜行列車へ−』
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2012-03-15 22:45:16
クラッセブックス編集担当

 このたび小社では、堀内重人 著『ブルートレイン50年−20系客車の誕生から、今後の夜行列車へ−』を刊行いたしました。本著は趣味書にとどまらず、ブルートレインの誕生から現状と将来を見据え、夜行列車を大きなテーマに掲げた内容となっております。本書では、ブルートレインを観光資源と位置付けており、ブルートレインを活性化させることで観光産業の新たな発展を目的としています。1部では、今までのブルートレイン(寝台車)の登場とその経緯について、時代背景なども踏まえて雑学的に紹介しています。また2部からは、ブルートレインの活性化を「観光」と「環境」という視点から解説し、我が国における夜行列車の展望を模索しています。本書は、鉄道ファンだけでなく、鉄道事業者、車両メーカー、研究者、観光関係者(旅行会社、旅行代理店、観光協会など)や商工会議所の関係者にもお薦めできる内容と自負しております。


タイトル: ブルートレイン誕生50年
      −20系客車の誕生から、今後の夜行列車へ−
発 行 日: 2012年1月31日 初版第1刷発行
著  者: 堀内重人
発 行 人: 富田康裕
発 行 所: 株式会社クラッセ
      ウェブサイト/ http://www.klasse.co.jp/
定  価: 本体1800円(税別)
図書符号: ISBN978-902841-13-8 C0065


「はじめに」より…
 21世紀は、「環境」と「観光」の時代であると言われている。ブルートレインは潜在需要が見込めることや、オーストラリアのように「観光資源」として位置付ければ活性化が可能なため、そのまま衰退させて廃止になることが惜しまれる。また筆者は、航空機や新幹線という実用本位な高速交通だけでなく、情緒のある交通手段も“スローライフ”の一環として、人々に選択肢として残して欲しいと考える。そこで長距離旅行の交通手段を、“MM”という心理学的手法を用いた交通行動の変容によるモーダルシフトだけでなく、諸外国と同様にブルートレインを「観光資源」として位置付けた活性化策を提案したい。

著者略歴
1967年(昭和42年)生まれ、立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。
 運輸評論家として、執筆や講演活動、ラジオ出演を行うかたわら、NPOなどで交通・物流。街づくりを中心とした活動を行う。 日本交通学会、公益事業学会、日本海運経済学会、交通権学会、日本モビリティ・マネジメント会議、日本環境教育学会会員。主な著書に、『高速バス』グランプリ出版2008年『鉄道・路線廃止と代替バス』東京堂出版2010年『廃線の危機からよみがえった鉄道』中央書院2010年など。

著者公式ブログ  http://d.hatena.ne.jp/shoriuchi/20110807/1312733697/


目次

1部 概論

1章 20系客車誕生以前の寝台車
(1)昭和20年代までの寝台車
 1)寝台車の誕生                  11
 2)昭和初期から昭和25年頃までの寝台車事情    14
 3)マイネ40・マイネ41は、何故、不評だったのか 16
 4)“カルテット”の原型マロネ39、スロネ30   20
(2)10系寝台車
 1)“イネ”の廃止                 22
 2)何故、座席車よりも寝台車の新製を優先したのか  23
 3)軽量化への挑戦                 25
 4)合造車ナロハネ10の誕生とオロネ10      28

2章 20系客車
(1)誕生の背景と電源集中方式の採用
 1)第一次五力年計画と20系客車構         33
 2)20系客車の快適性               36
 3)食堂車の改善                  42
(2)乗務員の苦労話
 1)何故、ドアにロック機構が導入されたのか     45
 2)個室寝台車ナロネ20、ナロネ22の乗務員の隠れた苦労 47
 3)「ブレーキ」が利きにくい短所の克服       49
 4)コンピューター発券システム“マルス”の登場   51

3章 世界初の寝台電車583系
(1)寝台電車が誕生した背景
 1)当時の夜行列車の運行状況            54
 2)何故、特急になったのか             55
 3)何故、最初はA寝台車が造られなかったのか    58
(2)晩年、583系電車が嫌われるようになった理由
 1)昭和57年11月のダイヤ改正          61
 2)近郊型への改造しか、活用方法はなかったのか   63
 3)急行「きたぐに」用のサロネ581誕生      66

4章 14系・24系客車
(1)誕生の背景
 1)車体の難燃化構造の強化             71
 2)14系・24系客車の車内設備          74
 3)要員合理化                   76
(2)居住性は向上したのか
 1)14系客車は、何故、個室が造られなかったのか  78
 2)何故、乗り心地が20系客車よりも悪いのか    80
 3)B寝台車を2段化した理由            82
 4)オロネ25が製造された背景           86

5章 1980年代のブルートレイン
(1)東京対九州ブルートレイン
 1)カルテットは何故、人気がなかったのか      90
 2)EF66がブルートレインを牽引する理由     92
(2)国鉄末期からJR発足当初
 1)東北・上越新幹線開業による影響         98
 2)グレードアップの嚆矢、「あさかぜ1・4号」   99
 3)何故、北斗星から急に豪華になったのか     101
(3)「北斗星」「トワイライトエクスプレス」のデビュー
 1)「北斗星」の車内設備             103
 2)「トワイライトエクスプレス」の車内設備    107
 3)DD51が重連で「北斗星」「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」を牽引する理由 112

6章 バブル崩壊後のブルートレイン
(1)ブルートレインの廃止続出
 1)車両・機関車の老朽化             116
 2)山形・北陸・秋田新幹線と東北新幹線の八戸開業 119
 3)カートレインが短命に終わった理由       122
(2)サンライズエクスプレス誕生
 1)サンライズエクスプレスのコンセプト      128
 2)車内の特徴                  129
 3)増備されない理由               135
(3)カシオペアの誕生
 1)何故、全寝台が2人用のA個室になったのか   137
 2)車両の性能                  138
 3)車内設備の詳細                141
 4)カシオペアが意味するもの           146

2部 ブルートレイン活性化に向けた提言

7章 今後のブルートレインへの提言
(1)長距離旅客専用の旅客会社の設立
 1)国鉄分割民営化の弊害             150
 2)JR貨物とタイアップ             155
 3)何故、東京起点ばかりにこだわるのか      156
(2)他の輸送モードの現状
 1)高速バス                   158
 2)フェリー                   163
 3)航空機                    168
 4)新幹線                    172
(3)ブルートレインの利点
 1)途中駅からの乗降が可能である         177
 2)寝台車で完全に横になれる           178
 3)地球環境にやさしい              180
 4)深夜に強制的に起こされることがない      182
(4)設備と料金体制
 1)現状の料金・設備               184
 2)今後の夜行列車のモデルと利用者層       189

8章 MM(モビリティー・マネジメント)の展開
(1)MMの種類と現状
 1)MMの概要と登場した背景           194
 2)日本のMMの現状               197
(2)都市間MMの展開
 1)旅行会社(大学生協)とタイアップ       199
 2)MMを活用した校外学習における利用促進    200
 3)並行在来線の活性化              202

9章 観光産業の育成とブルートレイン
(1)観光産業の育成
 1)観光立国推進基本法の制定と観光庁の設立    206
 2)日本の観光産業の現状             208
 3)「観光」を21世紀の基幹産業にするための課題 211
(2)「観光」と「交通」のマッチング
 1)諸外国の豪華クルージング列車の概要      214
 2)外国人観光客の誘致と法整備          216
 3)交通基本法の成立に向けて           219

総括                        224
参考文献                      228
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