ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2012-01-13 21:12:53 |
株式会社交通新聞社
書 名 : 交通新聞社新書032 箱根の山に挑んだ鉄路 『天下の険』を越えた技 発行日 : 2011年8月15日 第1刷発行 著 者 : 青田 孝 発行者 : 山根昌也 発行所 : 株式会社交通新聞社 http://www.kotsu.co.jp/ 印刷・製本:大日本印刷株式会社 図書符号: ISBN978-4-330-23111-2 日本を代表する大温泉地であり、また、明治以降早くから高級別荘地として開け、首都・東京の奥座敷として発展してきた「箱根」。その麓に位置する箱根湯本と山間の強羅間8.9kmを結ぶ標高差445mの鉄道が箱根登山鉄道だ。本書は、その誕生の経緯、そして粘着方式の鉄道では日本第1位、世界でも第2位の急勾配を克服した技術に焦点を当てながら、箱根の知られざる一面に迫る。 「はじめに」より 本書は四つの章で構成されている。まず第一章では、現在の箱根登山鉄道の強羅駅から乗車し、登山鉄道ならではの施設、技術、さらには運転士の技などを紹介する。 続く第二章では、箱根路を律令国家時代まで遡り、その時代から江戸時代まで、箱根の街道筋の変遷をたどってみる。 そして第三章では、その天下の険に鉄道が誕生し、どのような経緯で現在まで引き継がれてきたかを振り返る。 第四章では、小田急のロマンスカーの歴史をたどりつつ、50000形(VSE)の製造過程を、技術面よりも、サービスなどソフト面を中心に紐解く。 温泉を中心とした一大観光地であると同時に、東西交通の幹線上に立ちはだかる障壁でもある箱根。その天下の険にまつわる登山鉄道の歴史を顧みつつ、さらに狭い国土をより快適に結ぶ「特急車両」が求められているものは何なのか。二つの観点から箱根にまつわる鉄道を追ってみた。 青田 孝(あおた・たかし) 1947年東京生まれ。日本大学生産工学部機械工学科で鉄道車両工学を学ぶ。卒業研究として1年間、旧国鉄の鉄道技術研究所に通う。70年、毎日新聞社入社。成田支局で航空機関連を取材。以後、メデイア関連を担当する編集委員などを歴任後、03年退社。フリーランスとして執筆活動を続けている。自称「3歳からの鉄道ファン」で、現在は「海外乗りテツ」として30の国と地域の鉄道乗車経験を持つ。主著に「ゼロ戦から夢の超特急」(交通新聞社新書)がある。 目次 はじめに………3 第一章 なんだ坂!こんな坂!………13 水も滴る急曲線………14 頼りは摩擦の力だけ………20 転がらぬ先の四つのブレーキ………30 急な斜面を行ったり来たり………38 ぐるっと回るスイスの知恵………48 3本のレールに見る、相互乗り入れの名残………60 日本で唯一の複電圧………70 第二章 地獄の道に湧く温泉………83 この山は梵きょうに似たり………84 石畳、歩きづらいのは首都防衛のため?………91 宿場町を脅かす一夜湯治………97 天下の険を避けた幹線………104 近代化への原動力・馬車鉄道………113 身を捨てて得た電車化………121 本業を上回る電燈事業………126 第三章 未曾有の計画………135 登山鉄道敷設の目論見………136 学(まなぶ)は先人の技術………143 仕掛人・鈍翁(どんのう)………148 愈々(いよいよ)開通………150 常得意の三等客………153 幻の箱根横断鉄道………157 火事に地震に転覆事故………161 儲からない電車………166 箱根の技術を富士山へ………170 第四章 キーワードは「ときめき」………175 小田急の財産………176 こんなのロマンスカーじゃない!………186 「箱根山戦争」の終焉………194 「まわりやすい箱根」………198 連接構造、展望席の復活………203 乗った瞬間、そこは箱根………209 基本はトータルデザイン………214 乗客が喜ぶサービスとは?………228 あとがき………238 参考文献………241 |
|
|