ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2007-06-30 15:50:51 |
2007年6月30日
鉄道友の会 2007年ローレル賞 車両の解説・選定理由(2) 西日本鉄道 3000系 西日本鉄道3000系は通勤用として登場した車両で、西日本鉄道としては初のステンレス車体を採用した車両です。主に急行列車への使用を想定したものとなっています。 ステンレス車体の採用とともに、外観は従来の西鉄車両のイメージを一変するもので、曲線基調の先頭デザイン(先頭部分は普通鋼製)が特徴となっており、帯色についても今までの西鉄にないブルー系を基調としたものになっています。また、技術的には、車体の鋼体部分の接合の大半に日本の車両としては初となるレーザー溶接を採り入れたことが最大の特徴となっています。レーザー溶接には、高品位な車体が低コストで実現できる等のメリットがあり、新しいステンレス車体の製造方法として今後期待が持たれている方式で、いち早く西鉄3000系が導入することになりました。 室内は、従来車と比較して54mm拡げることで客室面積を拡大し、さらに座席配置は転換式クロスシートを主体とし一部ロングシートを併用する形を取り、幅広い運用に対応可能としています。転換クロスシート中心とすることで、今までの西鉄の通勤用車両にない高い車内サービスを実現しています。 既存通勤車の置換え用として2両編成と3両編成が用意され、インバータ制御装置の機能を3種類にモード変化をさせることで、故障時の対策を強化しています。短編成用の故障対策システムとして、高度な機器を用いることで、機器の搭載数を押さえる効果をもたらしています。 このような高品位な客室サービスを持つ車両をあえて通勤用として登場させたことで、特急用車両と合わせて、西日本鉄道のサービスレベルの向上に寄与することが期待されます。 以上のように、「車体組み立てへのレーザー溶接技術の初採用」、「急行用車両としての高品位な客室サービスの提供」、「短編成用として適切な故障対策」といった特徴が、選考委員会において評価されたことから、ローレル賞に選定しました。 |
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