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No.58 (Re:56) 【鉄道友の会】2007年ローレル賞 車両の解説・選定理由(1)JR東E233系
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2007-06-30 15:50:48
2007年6月30日
鉄道友の会

2007年ローレル賞 車両の解説・選定理由(1)

東日本旅客鉄道 E233系


 東日本旅客鉄道E233系は中央線用として登場した一般型電車で、今後の標準車両として首都圏の各線への導入が計画されています。
 京浜東北線などを走る209系に始まるJR東日本「新系列車両」による成果が、主に首都圏の鉄道各社の車両政策を一変させるほどの影響をもたらす中、このE233系では最初の投入線区となる中央線の利用者に対するモニター結果を元に、今一度利用者サイドに立った視点から企画されたことが特徴となっています。昨今、複雑化の一途をたどる首都圏の鉄道ネットワークの運行障害による損失が社会問題化する中、機器の二重化の徹底により故障に強い電車を実現し、また、利用者ニーズの高度化に対し、座席や内装の改善を中心とした客室内のグレードアップ、ホームと床面段差の極小化やスタンションポールの改善などのユニバーサルデザインの追求、空調設備への空気清浄機の装備などの快適性の向上、車内外の表示装置を活用した細やかな旅客案内など、細かな気配りでサービス向上を図っています。さらに、安全性の向上にも配慮し、通勤車両へのクラッシャブル構造の適用や車体側面強度の向上など、万が一の事故発生時対策の強化を図っています。これら施策の実現に際し、機器の増設を中心にあえて手堅い解決策をとることで、機器の単純化によるコストダウンや乗務員や検修員の取り扱い向上が図られています。
 利用者にとって魅力ある車両の登場が、最近のコストダウン一辺倒の風潮に一石を投じ、今後の標準車両のコンセプトとして各社に波及することで、利用者重視という姿勢が新しい通勤車両のスタンダードとなることが期待される中、そのリード役としてE233系が存在感を確立していくものと思われます。
 以上のように、「利用者第一の設計コンセプト」、「上質な車内サービス装備の標準化」、「機器二重化による故障対策の実現」といった特徴が、選考委員会において評価されたことから、ローレル賞に選定しました。
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キャプション: ローレル賞 東日本旅客鉄道E233系
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