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No.2045 (Re:2027) 【両備グループ】新刊:日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2012-02-22 21:22:55
    日本一のローカル線をつくる
    たま駅長に学ぶ公共交通再生

地方の交通事業が儲からないのは当たり前。
ではなぜ、どうやって守るのか。
和歌山電鐵、中国バス等、異例の取組みで注目を集める、業界の旗手が明かす経営術。


タイトル: 日本一のローカル線をつくる
      たま駅長に学ぶ公共交通再生
発 行 日: 2012年2月15日 初版第1刷発行
著  者: 小嶋光信
発 行 者: 京極迪宏
発 行 所: 株式会社学芸出版社
装  丁: 上野かおる+中瀬理恵(鷺草デザイン事務所)
印  刷: オスカーヤマト印刷
製  本: 新生製本
図書符号: ISBN978-4-7615-1299-6


[まえがき]より
 実は、行きすぎた規制緩和で崩れ去り始めた地域公共交通を、ミクロ的な延命政策では、もう救うことができなくなっているのです。日本の公共交通に対する法律まで変え、財源を確保しなければ助からないというマクロの事実を読みとっていただきたいのです。
 両備グループとして私が携わってきた交通運輸事業の再生は、旅客船事業二社、新設一社、鉄道事業一社、バス事業一社、物流事業五社、タクシー事業五社と多岐にわたり、規制緩和後の交通運輸事業の衰亡の現実に立ち向かい、再生してきた現場から、多くの規制緩和の功罪を体験してきました。
 現場に立脚した政策やコンサルティング・学術論が少ない業界で、今回は規制緩和後の公共交通の経営環境の変化と課題を、再生の実例をもって論じていきたいと思います。
 本書は、その地域公共交通の再生をドキュメンタリーでお伝えしたいと思います。それが、元気なまちづくりのために、地域の誇りとそれを支える地域公共交通を救う一助となれば幸いです。

小嶋光信(こじま・みつのぶ)
1945年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、三井銀行勤務。
1973年に義父が経営する両備運輸に常務として入社し、経営再建を指揮。以後、両備グループ各社の役員を兼務する。1999年両備グループ代表、2007年両備ホールディングス社長に就任し、現在両備ホールディングス代表取締役会長兼CEO。和歌山電鐵ほか公共交通7社の赤字路線の再生を含め交通運輸事業15杜の再建を手がけ「地方公共交通の救世主」として知られる。

両備グループ
岡山県で列車、バス、タクシー、トラック、フェリーなど交通運輸業を中心に情報産業、生活関連産業など52社を展開。社員数約8,000人、売上高約1,300億円。


目次

 まえがき3

第1章 なぜ地域公共交通は衰退したのか 11
 赤字が当たり前のビジネスモデル 11
 地域公共交通事業が衰退した理由 17
 交通権は全国民の権利 19
 補助金から「公設民営」へ 20

第2章 公共交通を再生させるという決意 22
 岡山の公共交通離れ  22
 バスが直面していた問題 24
 路面電車が直面していた問題 26
 お客様目線の「わかりやすさ」「乗りやすさ」の追求
 公共交通の復権をかけた取り組み 30

第3章 歩いて楽しいまちづくり運動 36
 まちづくりは人々の意識改革から 36
 路面電車「MOMO(モモ)」の導入 41
 都心居住を進める「グレースタワー」の建設 43
 レトロでモダンな「SAIBUS(サイバス)」登場 45
 世界初! 二一世紀型バス「SOLARVE(ソラビ)」発進 48
 生まれない、公共交通存続の危機感 49

第4章 目からウロコの韓国バス事情 51
 イ・ミョンバク氏の交通改革 51
 韓国の視察で学んだこと 53

第5章 規制緩和は公共交通を衰亡させる 59
 岡山市バス業界の顧客争奪戦 59
 お客様第一に、競合から共同へ 62
 行政と事業者の深まる溝 64
 規制緩和の結末 67

第6章 「公設民営」の実証 津エアポートライン 69
 地元が匙を投げた旅客船事業 69
 多重投資による破綻 72
 経営再建の秘訣は徹底した現場志向 76
 公共交通事業の成否を分けるもの 78

第7章 たま駅長とユニークなアイデアで鉄道再生 和歌山電鐵 81
 不可能と思われた再生を引き受けた理由 81
 覆面視察で見抜いた再生の可能性 83
 忘れ去られていた地域の魅力 85
 本物の市民運動の存在 86
 「知って、乗って、住んでもらう」戦略 88
 再建の看板となった三毛猫たま駅長の活躍 90
 たま駅長の超出世物語 93
 水戸岡鋭治さんがデザインする、乗ってみたい電車 101
 鉄道再生後の嬉しい出来事 108

第8章 補助金の誘惑が経営不在・顧客不在を招く 中国バス 116
 誰にも助けられないバス会社に救いの手を 116
 現場に問題の答えがある 119
 現場管理の要諦 120
 補助金行政の副作用(1):経営のモラルハザード 124
 補助金行政の副作用(2):顧客不在の劣悪なサービス 126
 補助金は顧客サービスに還元を 129

第9章 地域公共交通の存続をかけた政策改革 131
 規制緩和でなぜ多くの公共交通が倒れたのか 131
 高速バスとツアーバスのアンフェアな競争 132
 規則緩和の功罪を検証 135
 地域公共交通の見直し機運 136
 公共交通政策の抜本的改革が必要 138
 公設民営のビジネスモデル 139
 国政を動かすための運動 141

第10章 なぜリスクばかりで得のない再生を決意したか 144
 創業者の経営理念「忠恕」 144
 「経世済民」を学び経営の道へ 146
 信託経営による人材育成 148
 岡山藩郡代・津田永忠との出会い 150
 企業の使命を問い直す 152

第11章 地域公共交通の変革 エコ公共交通大国構想 155
 世界一のエコ公共交通大国を目指す提言 155
 エコ公共交通大国の実証実験を岡山で 158
 公設民営のスキーム 164
 地域経営の時代 166

第12章 日本の公共交通経営の未来 170

 あとがき 174
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撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 306×442(原寸表示)