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No.1987 【交通新聞社新書031】鉄道公安官と呼ばれた男たち“国鉄のお巡りさん”
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2012-01-12 21:18:56
株式会社交通新聞社


書 名 : 交通新聞社新書031
      鉄道公安官と呼ばれた男たち
      スリ、キセルと戦った“国鉄のお巡りさん”
発行日 : 2011年8月15日 第1刷発行
著 者 : 濱田研吾
発行者 : 山根昌也
発行所 : 株式会社交通新聞社 http://www.kotsu.co.jp/
印刷・製本:大日本印刷株式会社
図書符号: ISBN978-4-330-23011-5


「鉄道公安官」とは、昭和2年から国鉄分割・民営化まで活躍した、「鉄道公安職員」の通称。現在、その役割は都道府県警による鉄道警察隊に引き継がれているが、当時はれっきとした国鉄職員であった。本書では、国鉄マンとしての誇りを持ちながら、駅や列車内でのスリ、窃盗、暴力事件などと戦い続けた、その全貌を、新たな資料とインタビューにより明らかにする。鉄道という閉じた「舞台」ならではの犯罪エピソードも興味深い。

「おわりに」より
 ひとくちに「鉄道公安」といっても、歴史的背景やエピソードは多く、鉄道公安職員の職務の範囲、装備、勤務形態、給料、「公安業務研究発表会」といった話は、詳しく言及する紙幅がなかった。鉄道公安制度の理論書や鉄道公安職員が主人公の小説は多いが、ノンフィクションはほとんどないと思う。本書が、鉄道公安史のさらなる考察を進めるきっかけになれば、うれしい。

濱田研吾〔はまだけんご〕
1974年大阪府交野市生まれ。ライター・編集者。社史や企業PR誌の執筆・編集のかたわら、昭和時代の芸能史、映画史、放送史、広告文化史、鉄道史を研究。著作や雑誌などに発表している。著書に『徳川夢声と出会った』(晶文社)、「脇役本・ふるほんに読むバイプレーヤーたち』(右文書院)、『三國一朗の世界・あるマルチタレントの昭和史』(清流出版)。

目次

プロローグ“ブランコの金”を追え!………10

第1章 1%未満のプロフェッショナル
 鉄道公安官という虚像………16
 黄金の腕、いっちゃん………21
 警備と捜査、ふたつの使命………27

第2章 それでも列車は走っていた
 汽笛一声、鉄道警察を………38
 敗戦の味、人間貨物の悲哀………43
 北国の駅で起きた悲劇………47
 「鉄道探偵を知っているか?」………52
 集団麻酔薬強盗の恐怖!………58
 ピストルを持った国鉄マン………62

第3章 誇りと重みの黒手帳
 憧れへの軌跡、それぞれ………72
 公安科の扉をあけて………76
 ルーキー始動、いざ配属!………80
 “上野の鬼平”と歩いた停車場………86
 眠れぬ夜の列車警乗………91
 荷物事故はつらいよ………95
 弾丸、緊張の5発………98

第4章 犯罪者は鉄道がお好き
 業務日誌、昭和26年8月………106
 枕、便所の排水管、盗人十色………112
 緊急配備! こだま号の美人局(つつもたせ)………117
 デカとアンコのリレー捜査………125
 情と職務のはざま。老スリの死………132
 夜行列車に巣くう、寝台盗………135
 「私のキッスが盗まれた!」………139

第5章 われら、強く優しき国鉄マン
 美女とマニアと大雪と………144
 裸の大将、大阪駅にて保護す!………149
 バレたへそくり、消えた花嫁………153
 その子の名は、鉄雄と鉄一郎………157
 良い子の前で腹話術………161
 静岡発、偽りの乗車券………164
 『INR公安36号』誕生秘話………169

第6章 鉄路の友は、デモのなか
 批判の矢面に立たされて………178
 つらき胸中、歌にこめ………183
 首都圏国電暴動顛末………187
 空港特急と殉職者之碑………193

第7章 昭和62年3月31日
 誇りの感謝状、消えゆく国鉄………202
 閣議決定。鉄道公安の落日………206
 警察へゆく者、ゆかぬ者………209
 春、それぞれの再出発………216
 「鉄道を愛する者になってほしい」………221

おわりに………226

資料編
I 鉄道公安関連年表………228
II 鉄道犯罪刑法犯発生・検挙件数・諸法令違反処置件数………239
III 鉄道妨害発生・検挙件数………240
IV 鉄道荷物事故発生件数………241
参考文献………242
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 316×498(原寸表示)