ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2013-10-29 18:40:20 |
株式会社交通新聞社
交通新聞社新書10月新刊 日本初の鉄道開業から140年余。その歴史は、鉄道会社の盛衰、路線敷設、車両やシステム開発等、さまざまな視点から語られているが、本書では、列車に乗る際に乗客にとって最大の関心事である、「座る」という点に着目。指定席の予約やシートの進化、車内設備の発達など、座席にまつわるトピックスをいろいろな角度から検証。著者の豊富な鉄道知識に乗車体験録を織り交ぜながら、黎明期から現在までの「座席」鉄道史を、懐かしい写真とともに紹介する。 ■書 名: 交通新聞社新書060 「座る」鉄道のサービス 座席から見る鉄道の進化 ■著 者: 佐藤正樹 ■発 売 日: 2013年10月15日 ■定 価: 840円(本体800円) ■体 裁: 新書判 ■ISBN: ISBN978-4-330-41913-8 ■発 売 元: 株式会社 交通新聞社 http://www.kotsu.co.jp/ ■おわりに より [前略]そんなショックがきっかけとなって、国鉄創業時から現在のJRまで、鉄道のサービスがどう進化したのかを調べ、まとめてみたいと思うようになりました。ただ、ひと口に鉄道のサービスといっても幅広く、最初はどこから手をつけてよいものやら皆目見当がつきませんでした。細大漏らさず書けば、それこそ、この新書本が数十冊になってしまうことでしょう。1冊にまとめるにはどこかで的を絞る必要がある……。そこで、私が一番関心を持っている「座る」ことに着目してみました。 考えてみれば、拙著『グリーン車の不思議』も座ることに着目した本でした。本書はその延長線上にあります。今回は、私の体験や感想も大いに盛り込みましたが、人によっては「それは違うのではないか」と思われるものもあるかもしれません。その点は、感じ方の違いということでご容赦ください。 鉄道利用者は座るための方法を考え、鉄道会社は快適に座ってもらうためにサービスを進化させる。そして、座席を確保し、旅が始まると悲喜こもごもの人間模様が描かれる。そう思うと、鉄道サービスと密接につながった「座る」ことを中心に鉄道が発展していったとも言えるでしょう。本書で辿っていった「座る」変遷から、激しく変貌していった鉄道の進化を感じ取っていただければ幸いです。 平成25年10月 筆者 【著者紹介】 佐藤正樹(さとうまさき) 1960年北海道札幌市生まれ。「鉄道ダイヤ情報」編集部を経て、1996年、郷里の札幌へ戻りフリーに。「鉄道ダイヤ情報」「旅の手帖」(交通新聞社)、「週刊鉄道データファイル」(デアゴスティーニ・ジャパン)などの雑誌媒体を中心に執筆。写真ブログ「札幌のスナ ップ」(http://kihayuni.cocolog-nifty.com/sapporo_snap/)を公開中。近著に「国鉄/JR列車編成の謎を解く」「グリーン車の不思議」(交通新聞社)がある。 「座る」鉄道のサービス−目次 はじめに………3 第一章 指定席連結列車の歴史 号車指定制が普及した座席指定列車………14 昭和30年代には全車座席指定列車が増える………17 座席指定列車が増えたのは車両費のツケ″を払うのが目的!?………20 寝台車が座席車に早変わり−ヒルネ″の始まり………24 特急の全車指定制が崩れたのは新幹線からだった………28 エル特急の登場後、貴重になった全車指定列車………30 座席で差別化を図り始めた着席保証だけではない指定席………34 国鉄末期に現れた会員制″という名の全車指定列車………39 指定席の価値観を変えたJRの新幹線………44 コラム/北海道の急行にロングシートの指定席があった………49 第二章 座席予約の進化 徹夜組まで出た昭和の指定席争奪戦の思い出………54 停車駅間できっぷを融通し合っていた初期の指定券販売………58 高速で座席台帳がクルクル回転! 職人技が求められた乗車券センター………61 マルスの変遷@−発券は手書きだった電算販売の初号機・マルス1………64 マルスの変遷A−電算化されても座席台帳が必要だった新幹線………69 マルスの変遷B−ヨン・サン・トオの増発が開発者を苦しめる………76 マルスの変遷C−出札窓口をひとつにまとめたマルス301………81 マルスの変遷D−インターネット時代に対応した現代のマルス………88 マルス501が可能にしたJR旅客6社独自の座席予約サービス………92 小さな駅のみどりの窓口がなくなる!?−リモートマルスの台頭………96 コラム/乗車率アップはマルスの代案表示「からまつ」の賜か?………103 第三章 あの手この手の自由席着席サービス 窓へ荷物を放り投げる自由席争奪戦………108 ワッペンで乗車整理をしていた新宿駅………111 ダフ屋の横行を防ぐために生まれた着席券………115 集団就職がもたらした自由席の風物詩−テント村と品川始発………119 青函連絡船で後回しにされた周遊券の自由席客………125 コラム/座席輸送力確保の苦肉の策とも−寝台車の座席車代用………131 第四章 国鉄ハザのボックスシート物語 薄縁付きが人気を集めた明治時代のボックスシート………136 狭いボックスシートの救世主だった「助板」………141 ネックピローの元祖? 夜行列車のボックスシートで提供された「軽便枕」………144 ハザのボックスシートに革命を起こしたスハ43系客車………146 レールバスの小さな小さなボックスシート………150 修学旅行用電車に登場した国鉄初の3人掛けシート………153 「くの字」で寝るのが苦痛だった特急型のボックスシート………160 国鉄型ボックスシートの完成型? 人間工学を採り入れた12系ハザのシート………164 「走るホテル」のロネがボックスシートのハザに大変身………171 コラム/ボックスシートの快適な過ごし方………177 第五章 座席周りの設備今昔 座席周りの設備では過去のものになりつつある灰皿………182 特急型では早くから普及していたテーブル………185 少数だがハットラック式もある荷物棚………189 座席を灯す小さな光−ロウソクと読書灯………193 車内の人間関係を微妙に揺るがす日除け………197 座席背面の小さな設備−網袋とチケットホルダー………203 座ったままで通話−クロ151形の車内電話………206 半世紀前も現在も消え去る運命にあったAV機器………210 大半は譲り合いで……座席のコンセント事情………216 フィット感を問われる下半身と頭部を支える設備………219 座席周りでもっともハイテクな設備−Suica R/W(リーダ/ライタ)………223 おわりに………………228 主要参考文献・映像・サイト………230 |
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