ほりうち(ccbu8181) 2015-03-05 18:40:52 |
旅のヒント 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。 ハノーバーを起点に巡るドイツ北部の田舎とベルリン探訪の旅 ゴスラー、クヴェトリンブルク、ヒルデスハイム、ブラウンシュヴァイク、リューネブルク、ツェレ 今月号の旅のヒントは、ドイツです。弊社が発行する一般向けメールマガジン1月号(一般旅行者向け)の読者プレゼントの質問で、「今年行ってみたい旅行地」で一番多かったのが「ドイツ」で、都市や地方、古城、街道などが上げられました。今回は、ハノーバーに4泊して、魔女が住むというブロッケン山のあるハルツ山地の小さな町をはじめ、エリカ街道沿いのリューネブルクやツェレ、世界遺産の町を訪れ、最後は、首都ベルリンへと移動します。この旅程では、何度も列車に乗るので、ジャーマンレイルパスを使います。 なお、「旅のポイント」では、訪れる都市の観光情報をはじめ、利用する空港や鉄道駅の構内設備や構内図、アクセスや交通情報などについて、弊社公式サイトの各ページにリンクしていますので、そちらも併せてご覧ください。 旅程 1日目 日本から、ヨーロッパの都市を経由してハノーバーへ。着後、ホテルへ。 ハノーバー泊 2日目 終日、ハノーバー市内散策。 ハノーバー泊 3日目 朝、ERXでゴスラーへ(約1時間6分)。散策後、HEXでクヴェトリンブルクへ(約1時間19分)。散策後、HEXとERXを乗り継いでハノーバーへ(約2時間37分)。 ハノーバー泊 4日目 朝、Sバーンでヒルデスハイムへ(所要時間約30分)。散策後、ICEでブラウンシュヴァイクへ(約23分)。市内散策後は、ブラウンシュヴァイクからハノーバーへはICで約32分。 ハノーバー泊 5日目 朝、ICでリューネブルクへ(約56分)。市内散策後、ICまたはICEでツェレへ(約37分)。市内散策後は、ツェレからハノーバーへはICで約18分。ハノーバーからICEでベルリンへ(約1時間39分) ベルリン泊 6日目 終日、ベルリン市内散策。 ベルリン泊 7日目 ベルリン・テーゲル空港から、ヨーロッパの都市を経由するなどして日本へ。 機内泊 8日目 日本着 旅のポイント: 列車で訪ねるハルツ山地の世界遺産の町 ゴスラーとクヴェトリンブルク ハノーバー国際空港のターミナルCにある鉄道駅からSバーンに乗って約17分でハノーバー中央駅に到着します。Sバーンは30分ごとに運行されていますので、とても便利です。ハノーバー中央駅には荷物用のロッカーやドイツ鉄道インフォメーションブース、カフェやレストラン、キオスクなどさまざまな設備が整っています。ハノーバーのおすすめ観光スポット情報、マップなどは、弊社公式サイト都市情報「ハノーバー」で画像とともに紹介しています。バロック様式のヘレンハウゼン王宮庭園、オペラハウスやマルクト教会、ライネ城や旧市街散策、緑豊かなライネ川沿いの散策など、ハノーバー王家ゆかりの町をお楽しみください。 3日目は、ハルツ山地の世界遺産の町を訪ねます。午前中は、ハノーバーからERXに乗って約1時間6分のゴスラーへと出かけます。ゴスラー駅には荷物用ロッカーの設備はありますが、ドイツ鉄道のインフォメーションブースやトイレの設備はありません。 ハルツ山麓の小さな町ゴスラーは、10世紀頃にハルツ山脈の鉱山で金銀銅などの採掘が始まり、ハンザ同盟にも加入して栄えたところ。今も木組みの家がずらりと並ぶ、とてもシャッターチャンスの多い可愛らしい町です。ゴスラー駅から南へ10分も歩くと、マルクト(中央)広場に到着。ここには観光案内所もあります。細い路地など歴史ある町並み散策が楽しめます。 午後、HEXでクヴェトリンブルクへと移動です。所要時間は約1時間19分です。クヴェトリンブルクも見事なまでの木組みの家がずらりと並ぶ魅力的な町です。旧市街となるマルクト(中央)広場の近くには木組の家博物館もあります。ロマネスク様式の聖セルヴァティウス教会と城博物館は必見です。クヴェトリンブルク駅には、ドイツ鉄道のインフォメーションブース、トイレ、荷物用ロッカーはありません。 ハノーバーから列車で30分圏内の古都を訪ねる 鉄道でエリカ街道沿いの古都へ 4日目は、ヒルデスハイムとブラウンシュバイクを訪れます。古都ヒルデスハイムには2つの世界遺産があります。11世紀頃建造の聖マリア大聖堂(現在改修工事中)と聖ミヒャエリス教会です。初期のロマネスク様式の代表的な建造物です。同時に、優れた美術作品の数々が残されています。旧市街のマルクト(中央)広場には木組みの美しい家が並んでいます。 午後は、ハンザ同盟都市であり、ライオンがシンボルの王都ブラウンシュバイクへと移動です。ヒルデスハイム駅からICEに乗ってわずか20分余りでブラウンシュバイク中央駅に到着です。ブルク広場のライオン像、その側にある聖ブラジイ大聖堂やダンクヴァルデローデ城などが見所ですが、この町で見逃せないのが、ドイツ屈指の古美術を集めたアントン・ウルリヒ公美術館(1700年代半ばオープン)です。17世紀のオランダの画家フェルメールファンにはお馴染みの美術館で、フェルメール作品「ワイングラスを持つ娘」が収蔵されています。このほか、レンブラント、ルーベンスらの作品を収蔵しています。同美術館は2015年まで改築工事中ですが、フェルメール作品など収蔵美術品の一部をダンクヴァルデローデ城で展示しています。ブラウンシュヴァイク中央駅からハノーバー中央駅へは、ICで約32分、REで約45分でそれぞれアクセスできます。 翌日は、ドイツ北部のエリカ街道沿いの2つの古都リューネブルクとツェレを訪れます。ハノーバー中央駅からICに乗って1時間足らずでリューネブルクに到着します。駅にはDBインフォメーションブースや荷物用コインロッカー、トイレなどの設備が整っています。リューネブルクは、かつて塩の産地として多いに栄え、バルト海沿いのリューベックまで良質なリューネブルク産の塩が運ばれました。マルクト(中央)広場にある観光案内所で地図をもらい、見所を教えてもらってから散策へ出かけましょう。ドイツ塩博物館も見所の1つ。オレンジ色の屋根が並び、メルヘンチックな町です。 午後、リューネブルクからハノーバーに向かう途中、ツェレで途中下車します。ICまたはICEで40分足らずでツェレ駅に到着です。ツェレ駅には荷物用コインロッカーやDBインフォメーションブースはありません。北ドイツの真珠と讃えられるツェレは、まるで絵本や童話の中にあるような町です。旧市街の家並みはカラフルな壁と木組みがとても印象的。見所は、市庁舎や城、この町で一番美しいといわれるホッペナーハウス、ボーマン民俗博物館などです。 ハノーバー〜ベルリン間はICEでわずか1時間40分 ベルリン中央駅はまるでショッピングモール! ツェレ駅からハノーバー中央駅へは、ICで20分足らず。ハノーバー中央駅に預けておいた荷物を持って、高速列車ICEに乗ると1時間40分ほどでベルリン中央駅に到着です。ガラス張りのモダンな外観が印象的なベルリン中央駅の構内には、ファッションや食料品関連のショップ、ドラッグストア、カフェやレストラン、フードコートなどの店舗がずらりと並びます。夜遅くまで、さらに日曜も営業しており、列車に乗らない人にとっても利便性の高い駅です。グランドフロア(日本でいう1階)から1つ上の階、または1つ下の階にドイツ鉄道(DB)の窓口があります。荷物預かりコーナーも設置されています。ベルリン中央駅の構内図も、レイルヨーロッパ公式サイトからダウンロードできます。 ベルリンのおすすめ観光スポット情報、マップなどは、弊社公式サイト都市情報「ベルリン」で画像とともに紹介しています。何度訪れても新たな発見の多いベルリンですが、美術に興味があれば、シュプレー川の中洲にある博物館島へ。冷戦時代の東西ベルリンの歴史を垣間見るには、チェックポイント・チャーリーや残されているベルリンの壁へ。 ベルリン中央駅から空港へは、エクスプレスバスを利用すると便利です。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・ジャーマンレイルパス3日間/1カ月有効(1等):ERX(ハノーバー中央駅⇒ゴスラー駅)、HEX(ゴスラー駅⇒クヴェルトリンブルク駅)、HEX&ERX(ブラウンシュバイク駅⇒ハノーバー中央駅<3日目>)、S(ハノーバー中央駅⇒ヒルデスハイム駅駅、ICE(ヒルデスハイム駅⇒ブラウンシュヴァイク中央駅)、RE(ブランシュヴァイク中央駅⇒ハノーバー中江欧駅<4日目>、IC(ハノーバー中央駅⇒リューネベルク駅、ICE(リューネベルク駅⇒ツェレ駅)、IC(ツェレ駅⇒ハノーバー中央駅)、ICE(ハノーバー中央駅⇒ベルリン中央駅)<5日目>) ●ジャーマンレイルパス(通用日5日と10日間)はキャンペーン中です。2015年3月27日までにご購入いただくと、20%割引きとなります。 ・ジャーマンレイルパスには、2人で同一行程を一緒に旅する場合、ツインパスをご利用いただけます。1人分のパスが50%割引きになるとてもお得なパスです。 ・大人に同伴する12歳未満の子供はジャーマンレイルパスが無料となります。 ・ジャーマンレイルパスを使って高速列車ICEにご乗車の際は、座席指定券は必要ありません。好きな時間のICEに有効な鉄道パスを持って乗車し、空いている席に座ってください。ただし、ハノーバー〜ベルリン間のように、ビジネス客需要の多い路線、または朝夕の通勤ラッシュ時等については、座席指定されることを強くおすすめします。満席の場合も多く、立ったまま目的地まで行くことになります。なお、ICEスプリンターにご乗車の際は指定券が別途、購入する必要があります。座席指定券をご購入の際には、お得なパスホルダー料金が適用されます。 Tips & インフォメーション ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。復路の列車の時刻も必ずご確認ください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 ・ドイツ観光局 ⇒ http://www.germany.travel/jp ・ドイツ旅行のためのアイデア: 「ドイツものしり紀行」(著者:紅山幸夫、新潮社、2005年)、 「ドイツ町から町へ」(著者:池内紀、中央公論新書、2002年) 「歩いてまわる小さなベルリン」(著者:久保田由希、大和書房、2014) 「旅名人ブック80 ベルリン/ドレスデン」(編集:旅名人編集部、日経BPコンサルティング、2010年) 「図説ドイツの歴史」(著者:石田勇治、河出書房新書、2007) |
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