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No.3706 (Re:3702) 旅のヒント:夏のスペイン南部を鉄道で巡る旅
ほりうち(ccbu8181) 2015-06-01 23:28:12

旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。


夏のスペイン南部を鉄道で巡る旅〜白い村、広大なひまわり畑を探して
 マドリッド、コルドバ、セビリア、カルモナ、アンテケラ、グラナダ

 今月号の旅のヒントは、初夏にかけて人気のスペイン南部を巡る鉄道の旅です。マドリッド、コルドバ、グラナダの3都市に宿泊し、高速列車AVEを利用して南部を巡ります。コルドバやグラナダでは世界遺産にも登録されるコルドバの歴史地区、グラナダのアルハンブラ宮殿を訪れます。さらに、セビリアを訪れたり、バスを利用して、白い壁の家が印象的な村カルモナ、そして広大なひまわり畑を見に行ったりします。<画像=マドリッド・アトーチャ駅構内((C)Ron Ellis)>


 旅程

1日目
 日本から、ヨーロッパの都市を経由して、マドリッドへ。着後、ホテルへ。
 マドリッド泊

2日目
 終日、マドリッド市内散策。
 マドリッド泊

3日目
 朝、AVEでコルドバへ(所要約1時間42分)。コルドバ市内散策。
 コルドバ泊

4日目
 朝、AVEでセビリアへ(約45分)。セビリア市内散策。
 コルドバ泊

5日目
 朝、バスで白い村カルモナへ(約1時間20分)。カルモナ散策。
 コルドバ泊

6日目
 朝、AVEでアンテケーラへ(約35分)。アンテケラ散策後、夕方、MDでグランダへ(約1時間34分)。
 グラナダ泊

7日目
 終日、グラナダ市内散策。アルハンブラ宮殿へ。
 グラナダ泊

8日目
 グラナダ空港から、ヨーロッパの都市を経由して日本へ。
 機内泊

9日目
 日本着



 旅のポイント:

マドリッドからコルドバへAVEで約1時間43分
 マドリッド・バラハス空港はマドリッド市街まで約15kmととても近く、空港〜市街地間は、RENFE近郊線と地下鉄8号線などで結ばれています。空港駅〜チャマルティン駅へは列車で約15分、アトーチャ駅までは30分足らずでアクセスできます。
 マドリッドの中心はソル広場(プエルタ・デル・ソル)。その周辺にはスペインが誇るプラド美術館や王宮、回廊が美しいマイヨール広場、といった見どころがあります。ショッピングなら、ソル広場周辺にスペインのハイストリート・ファッションブランドの店が並びます。マヨール広場の南側、ラ・ラティーナ辺りでは毎週日曜にラストロ(蚤の市)が開かれます。
 3日はコルドバへと移動です。マドリッドには大型のターミナル駅が2つあります。マドリッド・アトーチャ駅マドリッド・チャマルティン駅です。コルドバへはアトーチャ駅を利用します。アトーチャ駅は旧駅舎内のホームがあった場所を植物園にしています。その周りにはカフェやインフォメーションセンターなどがあり、とても気持ちの良い空間になっています。高速列車AVEに乗って、約1時間42分でコルドバ駅に到着です。
 コルドバ駅は新市街に位置していますので、駅前からタクシーまたはバスで旧市街へ。8世紀創建のメスキータ(スペイン語のモスクの意味)はコルドバのシンボル的存在です。メスキータ周辺に町の見どころが集中しています。メスキータはイスラム支配下に建造されたモスクでしたが、レコンキスタ後の16世紀にキリスト教の大聖堂に改築されました。圧巻は、850本以上もあるという赤と白の大理石でできた二重馬蹄形アーチの石柱が立つ「石柱の森」。このほか、川沿いのアルカサルの庭園やコルドバ美術館を訪れたり、ユダヤ人街を散策したり、民家の壁に季節の鉢植えの花が飾られている花の小路を歩いたり。ドン・キホーテに興味があれば、ポトロ広場へ。作者セルバンテスが投宿したという旅籠が残されています。


コルドバ〜セビリア間はAVEでわずか45分
 ひまわり畑に囲まれた白い町カルモナへ

 翌朝は、AVEでセビリアへ。セビリア・サンタフスタ駅に到着します。同駅は市街地の北東に位置しています。駅構内にあるインフォメーションで観光情報などを入手して、旧市街地へと出かけましょう。同サンタフスタ駅からセビリアのシンボルともいえるカテドラルとヒラルダの塔までは徒歩で30分足らず。バス(32番)やタクシーを利用してもいいかもしれません。カテドラル周辺には、イスラム風の宮殿アルカサル、インディアス古文書間、黄金の塔や救済病院など見どころが集中しています。サンタ・クルス街の散策も、セビリアらしい風景が広がります。
 5日目は、アンダルシアらしい風景を求めて白い村カルモナへと出かけましょう。コルドバ駅に隣接するバスターミナルからALSAのバスに乗って約1時間20分で到着です。小高い丘の上にあるカルモナの町は白い壁の家々が並び、町の周辺にはひまわり畑が広がっています。新市街でバスを降り、セビリア門を抜けて旧市街へと入りますが、セビリア門には観光案内のインフォメーションがありますので、町歩きの情報を入手し、サン・フェルナンド広場を中心に町歩きを楽しみましょう。町の周辺に広がるひまわり畑は、6〜7月頃に満開の花を咲かせます。


グラナダへ、途中アンテケラで途中下車

 6日目は、グラナダへと移動です。途中、アンテケラで下車して、町歩きを楽しみます。アンテケラも白い壁の家々が印象的な町。宗教的な建築物が多く残されています。たとえば、ルネッサンス様式とプラテレスコ(ゴシック)様式が混在するレアル・コレヒアタ・デ・サン・セバスチャン王立参事会教会、修道院コンベント・デ・サン・アグスティンなど。
 その後、グラナダへと中距離列車(MD)に乗って約1時間34分。グラナダ駅は市街地の西側にあります。徒歩で中心部へ行くことも可能。駅前からバス(3番、33番)に乗ってもいいかもしれません。グラナダといえば、イスラム時代の最高傑作とされる芸術が今に残されたアルハンブラ宮殿です。幻想的な雰囲気のナスル朝宮殿、パルタル庭園やアルカサバ、ヘネラリフェなどじっくりと見学したいところ。春から秋にかけては夜間に宮殿に入場することもできます。このほか、カテドラルや王室礼拝堂、サン・ファン・デ・ディオス博物館なども。迷路のようにも思える路地のあるアルバイシンの丘から眺めるアルハンブラ宮殿も一見の価値あり。夜はバルで、ビールやワインとともにタパスを堪能。
 グラナダ空港へは、グラナダ市街地からバスで約40分、またはタクシーで約20分でアクセスできます。
ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


 鉄道パス&チケット
・鉄道チケット(区間乗車券):AVE(マドリッド・アトーチャ駅⇒コルドバ駅<3日目>)、AVE(コルドバ駅⇔セビリア・サンタフスト駅<4日目>)、AVE&MD(コルドバ駅⇒アンテケラ駅⇒グラナダ駅<6日目>)

・今月号の旅のプランでは、列車に乗車する回数などから、鉄道パスは使わずにチケット(区間乗車券)を区間ごとに購入して利用します。この場合、事前にスケジュールが決まっていて、早めにチケットを購入することができれば、鉄道パスよりもお得です。AVEのチケット(区間乗車券)を購入する場合、座席指定券は含まれています。

・スペイン1カ国周遊の鉄道パスには、RENFEスペインパスユーレイルスペインパスがあります。今月号の「今月のことば」(P4〜5)では、両パスの特徴と違いについて紹介しています。ぜひご覧ください。


 Tips & インフォメーション
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。復路の列車の時刻も必ずご確認ください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。


・スペイン観光局⇒http://www.spain.info/ja/

・スペイン旅行のためのアイデア:
「添乗員ヒミツの参考書魅惑のスペイン」(著者:紅山幸夫、新潮社、2009)
「スペイン世界遺産と歴史の旅」(著者:武村陽子、彩図社、2007)
「旅名人ブックス64アルハンブラ宮殿」(著者:谷克二、日経BP、2002)

撮影日:
撮影場所:
キャプション: マドリッド・アトーチャ駅構内
画像サイズ: 380×256(84%表示)