ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-11-24 00:15:30 |
2015年11月吉日
株式会社東京堂出版 編集部 この度弊社では、『大日本帝国の海外鉄道』を刊行しました。 今のような航空機による移動が一般的でなかった頃は、長距離であっても鉄道による移動が一般的でした。そして戦前、日本が統治した朝鮮・台湾・樺太などに、物流と旅客の移動のため鉄道を整備しています。 知識としては知っていても、この地域の鉄道がどのように運行されていたかは詳しくは知られていません。しかし当時の時刻表を紐解けば、東京から朝鮮、満洲を経由してシベリア鉄道を通り、ヨーロツパヘと行く国際列車や、その切符の買い方が掲載されています。 当時の鉄道旅行の実態を、本書では詳細に紹介しています。どんな列車が走っていたのか、当時の切符の制度と買うための通貨はどうなっていたのか、今の「トクトクきっぷ」のようなお得な切符はあったのか、旅館で泊まるときの注意点など、地域別に記しました。南洋群島の鉄道や、満洲の鉄道についても触れています。 記 [書 名] 大日本帝国の海外鉄道 [著 者] 小牟田哲彦 [判 型] 四六判 [造 本] 並製カバー装 [頁 数] 344ページ [定 価] 2000円(本体価格) [発行年] 平成27年11月30日 初版発行 [発行者] 小林悠一 [印刷製本]図書印刷株式会社 [発行所] 株式会社東京堂出版 http://www.tokyodoshuppan.com/ [図書符号]ISBN978-4-490-20911-2 C0065 市販の時刻表の巻頭には、東京から朝鮮、満洲、その先の中国やシベリア鉄道を介したヨーロッバヘの国際列車の連絡時刻表が掲載され、内地の後に樺太、朝鮮、満洲、台湾など外地の鉄道時刻表も並んでいた。航空旅客輸送や長距離自動車交通が発達していなかった当時、長距離旅行と言えば列車に乗ることを意昧した。そうした外地の鉄道旅行の実態を文献から読み解き、現代の海外旅行ガイドブック風にまとめてみたのが本書である。(本書「はじめに」より) 〔著者略歴〕小牟田哲彦(こむた・てつひこ) 昭和50年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒業、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻修了。日本および東アジアの近現代交通史や鉄道に関する研究・文芸活動を専門とし、紀行作品や論文を多数発表。平成7年には日本国内のJR全線約2万キロを全線完乗。世界70ヵ国余りにおける鉄道乗車距離の総延長は8万キロを超える。『鉄馬は走りたい−南北朝鮮分断鉄道に乗る』(草思社)、『アジアの鉄道の謎と不思議』『今でも乗れる昭和の鉄道』(ともに東京堂出版)、『鉄道と国家−「我田引鉄」の近現代史』(講談社現代新書)など著書多数。日本文藝家協会会員。 大日本帝国の海外鉄道 目次 はじめに 3 概説 外地に関する基礎知織 〜本書で扱う大日本帝国の海外領土〜 第1章 台湾の鉄道旅行 01 台湾の鉄道事情概観 24 〜産業鉄道としての性格が強かった〜 02 日本統治時代の台湾の観光事惰 30 〜南国情緒の温泉と豊かな自然が魅力〜 03 台湾へのアクセスルート 38 〜内地からも大陸からも航路が多数〜 04 日本統治下にあった台湾への第一歩 42 〜出入域手続き、時差、両替事情〜 05 台湾の鉄道旅行とことば 45 〜中国風と日本風の名称が混在〜 06 台湾に広がる多彩な鉄道網 48 〜官営鉄道、製糖鉄道、そして手押し台車〜 07 台湾島を走った名物列車 56 〜長距離急行にも卜ロッコにも一等があった〜 08 台湾を上手に旅するトクトクきっぷ 66 〜外地で唯一の普通遊覧券が便利〜 09 台湾の鉄道名所を訪ねる 72 〜日本一高い駅は台湾にあった〜 第2章 朝鮮の鉄道旅行 01 朝鮮の鉄道事情概観 80 〜内地よりも高規格の国際鉄道として発展〜 02 日本統治時代の朝鮮の観光事情 87 〜戦跡巡りがメインルート〜 03 朝鮮へのアクセスルート 96 〜陸・海・空に開かれた多様な行路〜 04 朝鮮の出入域事情 101 〜同じ日本国内なのに税関検査があった〜 05 当初は混在した内地との時差 106 〜鉄道創業期は内地より32分遅かった〜 06 朝鮮旅行での両替事情 108 〜日本円と等価の朝鮮銀行券〜 07 朝鮮の鉄道旅行とことば 111 〜駅名標の文字は4種類〜 08 朝鮮各地の多彩な鉄道路線 116 〜国鉄と私鉄が観光客輸送で連携〜 09 朝鮮を駆け抜ける看板列車 123 〜「のぞみ」「ひかり」は朝鮮で生まれた〜 10 朝鮮を上手に旅するトクトクきっぷ137 〜内地からも現地でも種類はさまざま〜 11 朝鮮の鉄道名所を訪ねる 148 〜朝鮮の伝統駅舎や雄大な景勝路線〜 第3章 関東州の鉄道旅行 01 関東州の鉄道事情概観 160 〜人力のハンドカーから満洲への国際路線まで〜 02 関東州へのアクセスルート 163 〜陸・海・空から大連へ〜 03 関東州を旅するテクニック 166 〜通貨、ことば、割引きっぷなど〜 04 関東州の鉄道路線 169 〜旅順線と大連市電が観光客の足〜 第4章 満洲の鉄道旅行 01 満洲の鉄道事情概観 174 〜日本とロシアが鉄道権益を奪い合った〜 02 満洲の観光事情 182 〜満鉄沿線を中心に観光地化が進んだ〜 03 旅行時の治安について 191 〜満鉄附属地以外は安全確保に注意〜 04 満洲へのアクセスルート 199 〜大連ルートと朝鮮ルートが競合〜 05 パスボートがいらない外国・満洲 205 〜中華民国時代から日本人はパスポート不要〜 06 同じホームで並ぶ列車に時差がある213 〜満鉄と東清鉄道は26分違い〜 07 鉄道旅行者は複数の暦を便い分けよう218 〜時刻表の年号を読み解く〜 08 統一通貨がない満洲国以前の両替技術221 〜旅行者泣かせの複雑な通貨事情〜 09 満洲の鉄道旅行とことば 226 〜中国語、日本語、そしてロシア語〜 10 満洲開拓と欧亜連絡を担う満洲の各路線231 〜満鉄は全満洲の鉄道路線の1割強〜 11 万里の長城を越えた日本の鉄道路線248 〜国家主権を超越した異形の鉄道〜 12 満洲の大地を走る名物列車 266 〜国際色豊かな満洲の急行列車たち〜 13 満洲を上手に旅するトクトクきっぷ278 〜割高な満鉄の旅には割引切符が不可欠〜 14 満洲の鉄道名所を訪ねる 286 〜近現代史の現場が鉄道と隣り合わせ〜 第5章 樺太の鉄道旅行 01 樺太の鉄道事情概観 298 〜島の東西両海岸治いを路線が北上〜 02 樺太へのアクセスルート 306 〜冬は困難な宗谷海挟越え〜 03 樺太を旅するテクニック 309 〜日露駅名比較表で駅名確認を〜 04 樺太の鉄道名所ガイド 315 〜雄大なループ線が自慢の最北鉄道〜 第6章 南洋群島の鉄道旅行 01 知られざる南洋群島の鉄道 320 〜産業鉄道が散在する未知の島々〜 02 南洋群島の旅行案内 322 〜観光ガイドブックに記述なし〜 03 サイパン・テニアン・ロタの鉄道 328 〜旅客列車も走った南洋群島の代表的鉄道〜 04 パラオの鉄道 335 〜全容不明の鉱石運搬鉄道〜 【主要参考文献一覧】 338 |
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