ほりうち(ccbu8181) 2016-05-01 12:13:05 |
旅のヒント 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。 マドリッドとエジンバラを拠点に周辺の町と景勝ルートを走る鉄道の旅 (サラゴサ、ログローニョ、スターリング、カーライル、リーズ) 今月号の旅のヒントは、スペインのマドリッドと、英国エジンバラを起点にした1泊2日の旅をそれぞれご紹介します。マドリッドからは、高速列車AVE(=画像)に乗りサラゴサ経由でスペイン有数のワインの産地であるログローニョを訪れます。ログローニョはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路沿いの町でもあり、世界各地から巡礼のため人々が集まる町です。 もう1つの旅のルートは、スコットランドのエジンバラから郊外のリンリスゴー宮殿へと立ち寄り、その後古都スターリングを訪ねます。翌日には、エジンバラからイングランドの町カーライルへ列車で移動。ここから英国でも有数の景勝ルートとして知られるセトル・カーライル鉄道に乗り、美しいヨークシャー・デイルズ国立公園を横切ってリーズへと向かいます。 旅程(1): 1日目 朝、マドリッド・アトーチャ駅からAVEでサラゴサ・デリシアス駅へ(所要約1時間15分)。着後、市内散策。 【サラゴサ泊】 2日目 朝、サラゴサ・デリシア駅からICでログローニョ駅へ(約1時間42分)。着後、市内散策。 旅のポイント: マドリッド〜サラゴサ間はAVEで1時間15分 スペイン有数のワイン産地ログローニョへ マドリッド・バラハス空港はマドリッド市街まで約15kmととても近く、空港に接続する鉄道駅とマドリッド市街地の間は、RENFE近郊線と地下鉄8号線などで結ばれています。マドリッド市街地には2つの大型のターミナル駅として、マドリッド・アトーチャ駅とマドリッド・チャマルティン駅があります。同バラハス空港駅〜マドリッド・チャマルティン駅へは列車で約15分、アトーチャ駅までは30分足らずでアクセスできます。 マドリッドの中心はソル広場(プエルタ・デル・ソル)。その周辺にはスペインが誇るプラド美術館や王宮、回廊が美しいマイヨール広場といった見どころがあります。ショッピングなら、ソル広場周辺にスペインのハイストリート・ファッションブランドの店が並びます。マヨール広場の南側、ラ・ラティーナ辺りでは毎週日曜にラストロ(蚤の市)が開かれます。 マドリッドから高速列車AVEに乗って約1時間15分でサラゴサ・デリシアス駅に到着します。駅にもほど近く、イスラム時代の11世紀建造のアルハフェリア宮殿、エブロ川沿いのピラール広場に面したピラール聖母教会、ムデハル建築の傑作ラ・セオ(カテドラル)、古代ローマ時代の遺跡カエサラウグスタ劇場など見所は尽きません。サラゴサ・デリシアス駅から旧市街へ直接行く場合は市バスか、タクシーを利用するのが便利。 その後、インターシティ(IC)に乗ってログローニョ駅へは約1時間42分でアクセスできます。ログローニョは、リオハ州の州都であり、ワインの産地としてよく知られています。ログローニョ駅から北へと歩いて約10分で旧市街へ。エスポロン公園にあるインフォメーションセンターで観光情報を手に入れて、町歩きを始めましょう。メルカード(市場)、リオハ美術館、カテドラル、さらにエブロ川沿いには闘牛場もあります。入り組んだ路地にはバルやカフェがあり、町歩きの途中、地元産ワインを飲みながらくつろぎの一時を。一歩町を出ると、郊外には一面にぶどう畑が広がっています。もう1泊して、郊外のワイナリー巡りのバスや現地ツアーを利用するのもいいかもしれません。9月下旬にはブドウの収穫祭が開かれ、リオハ州の伝統舞踊が披露されるなど大いに盛り上がります。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・チケット(区間乗車券):AVE(マドリッド・アトーチャ駅⇒サラゴサ・デリシアス駅)、IC(サラゴサ・デリシアス駅⇒ログローニョ駅) 旅程(2): 1日目 朝、エジンバラ・ウェーバリー駅からスコットレイル(ATOC)の列車でリンリスゴー駅へ(所要約20分)。着後、リンリスゴー宮殿へ。その後、ATOCの列車でスターリング駅へ(約30分)。着後、古都散策。 【エジンバラ泊】 2日目 朝、エジンバラ・ウェーバリー駅から列車でカーライルへ(約1時間15分)。市内散策後、景勝ルートの1つセトル・カーライル鉄道に乗ってリーズ・シティ駅へ(約2時間45分)。 旅のポイント: エジンバラを起点に周辺の古都を巡る カーライルからリーズへ、英国有数の景勝ルートを走る スコットランドのエジンバラのターミナル駅は、エジンバラ・ウェーバリー駅です。ロンドンとエジンバラを結ぶイースト・コースト本線の北側の終着駅です。構内には、の駅窓口(チケットオフィス)付近には、カフェやファーストフード店のほか、生活雑貨を扱うBootsなどもオープンしています。 ウェーバリー駅の南側が旧市街、北側が新市街です。この町の最大の見どころで、スコットランドの象徴であるエジンバラ城と、エリザベス女王が毎夏訪れるというホリールード宮殿を東西に結ぶ石畳が通称ロイヤル・マイル(ハイストリート&キャノンゲート)です。この通りを起点に散策しましょう。エジンバラ滞在中、スコットランド王家ゆかりのリンリスゴー宮殿(15世紀建造)へは、エジンバラからスコットレイル(ATOC)の列車に乗って約20分リンリスゴー駅で下車します。リンリスゴー湖畔に佇む宮殿を見学したら、古都スターリングを目指しましょう。 リンリスゴー駅からスコットレイル(ATOC)の列車に乗って約30分でスターリング駅に到着です。スターリング駅の見所は西側に集中しています。そのひとつが岩山に建つスターリング城で、ルネッサンス様式の優雅な佇まいでありながら、砦としての役割を果たしています。ここから眺める緑の森と湖といった自然風景はとても印象的。このほか、ホーリールード教会、スターリングの歴史を知るならスターリング・スミス美術館&博物館へ。町の中心からは少し離れていますが、スコットランド独立の英雄ウィリアム・ウォリスのモニュメントへは路線バスに乗って10分程でアクセスできます。スターリング駅からエジンバラ・ウェーバリー駅へは列車で約55分です。 翌日は、スコットランドとイングランドの境界にある町カーライルへ。トランスペニン(ATOC)の列車に乗って約1時間15分でアクセスできます。カーライル駅のすぐ前にある16世紀建造のシタデル(要塞)、ギルドホールやカーライル大聖堂、マーケットホール、11世紀建造のカーライル城などが主な観光ポイントです。 カーライルは、車窓の風景が美しい路線として人気の高いセトル・カーライル鉄道の発着駅でもあります。カーライルから約2時間45分で、終点のリーズ・シティ駅に到着です。草を食む羊や緑豊かな丘陵地帯や岩がゴツゴツしたムーア(荒野)を車窓に見ながら、美しいヨークシャー・デイルズ国立公園を横断する人気路線です。リーズでは、まず初めにリーズ・シティ駅構内にあるインフォメーションセンターで町の情報を入手。ショッピングの町としても知られているリーズは、リーズ・シティ駅の北東側にショッピングセンターが点在しています。 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。 鉄道パス&チケット ・チケット(区間乗車券):ATOC(エジンバラ・ウェーバリー駅⇒リンリスゴー駅⇒スターリング駅⇒エジンバラ・ウェーバリー駅)、ATOC(エジンバラ・ウェーバリー駅⇒カーライル)、セトル・カーライル鉄道(カーライル駅⇒リーズ・シティ駅) ・ブリットレイルパス所持者は、セトル・カーライル鉄道にもブリットレイルパスでご乗車いただけます。 Tips & インフォメーション ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 ・スペイン政府観光局公式サイト⇒http://www.spain.info/ja/ ・英国政府観光庁公式サイト⇒https://www.visitbritain.com/jp/ja/visitbritain |
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