ほりうち(ccbu8181) 2017-01-30 21:25:18 |
旅のヒント
高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。 ウィーンとプラハを拠点に古都を巡る鉄道の旅 今月の旅のヒントは、中欧の人気都市ウィーンとプラハを拠点に古都や村を巡る8日間の鉄道の旅をご紹介します。使用する鉄道パスは、オーストリアとチェコで有効なユーレイルパス。ウィーン滞在中には隣国スロヴァキアの主都ブラチスラバへ日帰りで訪れます。またウィーンからプラハへは高速列車レイルジェットで移動し、プラハを拠点にビールの町プルゼニと国民的絵本画家ヨゼフ・ラダの故郷フルシッツェ村を列車で訪れます。 地元の人々が日常的に利用するリージョナルエクスプレスや普通列車に乗って旅することで、人々の生活の一端を垣間見るはず。なお、この旅で利用するユーレイルオーストリア-チェコ共和国パスは2017年から、料金がL(Low)カテゴリーに変更となり、昨年よりもお得になるのもうれしいところです。<画像=プラハ中央駅のホーム(C)Ingolf -Flickr.com> 旅程: 1日目 日本から、空路ウィーンへ。着後、ウィーン市内のホテルへ。 【ウィーン泊】 2日目 終日、ウィーン市内を散策。 【ウィーン泊】 3日目 朝、ウィーン中央駅からREでブラチスラバ中央駅へ(約1時間6分)。ブラチスラバへエクスカーション。市内散策。 【ウィーン泊】 4日目 朝、ウィーン中央駅からRJでプラハ中央駅へ(約3時間56分)。その後、プラハ歴史地区を散策。 【プラハ泊】 5日目 朝、プラハ中央駅からECでプルゼニ駅へ(約1時間36分)エクスカーション。 【プラハ泊】 6日目 朝、プラハ中央駅から普通列車でミロショヴィツェ・ウ・プラヒ駅へ(約41分)。徒歩30〜40分でフルシッツェ村へ。 【プラハ泊】 7日目 プラハから、ヨーロッパの都市を経由して帰国の途へ。 【機中泊】 8日目 日本到着。 旅のポイント: REに乗ってウィーン〜ブラチスラヴァ間は1時間6分 旅の始まりはウィーンです。中欧の玄関口でもあるウィーン国際空港から市街地へはリムジンバスやシティエアポートトレイン(CAT)、あるいはSバーン(近郊列車)などでアクセスできます。宮廷文化息づくオーストリア、かつてハプスブルク家の都としてウィーンは大いに栄えました。旧市街にウィーンの歴史的な見所が集中しています。シュテファン大聖堂、ホーフブルク王宮、旧城壁跡、国立オペラ劇場、美術史博物館や自然史博物館。さらにバロック様式の傑作であり、ハプスブルク家の夏の離宮であったシェーンブルン宮殿はマストで訪れたいところ。現在オーストリア・ギャラリーとなっているベルヴェデーレ宮殿も見逃せません。モーツァルトやベートーヴェンといった偉大な音楽家の足跡を訪ねてもいいかもしれません。ショッピングなら、マリアヒルファー通りやノイバウガッセ通りへ。 3日目は、ウィーン中央駅からリージョナルエクスプレス(RE)に乗って約1時間6分で、隣国スロヴァキアの首都ブラチスラヴァに到着です。ブラチスラヴァ中央駅から南へ20分ほど歩くと、城壁に囲まれた旧市街へたどり着きます。14世紀に建てられたというミハエル門からフラヴネー広場へ。噴水があり、旧市庁舎(現座歴史博物館)、カフェなどが並びます。またミハエル門の塔には武器博物館があり、ここからは旧市街が一望できます。聖マルティン教会、その側にあるブラチスラヴァ城も主な見所。城内の歴史博物館には入場できます。城のある高台からは旧市街や対岸が一望にできます。 高速列車レイルジェットでウィーン〜プラハ間は3時間56分 翌日は、チェコ・プラハへと移動です。ウィーン中央駅からオーストリア連邦鉄道が運行する高速列車レイルジェット(RJ)に乗って約3時間56分でプラハ中央駅(プラハ本駅)に到着です。レイルジェットは最高時速230kmで、ブダペスト〜ウィーン〜ザルツブルク〜ミュンヘン線と、ウィーン〜ザルツブルク〜インスブルック〜チューリヒ線などを運行しています。食堂車が連結されているほか、バー/ビュフェ車両では軽食やスナック、ドリンク類を販売しています。車内ではWi-Fiによるインターネット接続が可能です。車内設備や座席指定、主な停車駅とそれら都市間の所要時間、乗車体験レビューなどについては、弊社公式ウェブサイトで詳しくご紹介しています。 プラハ中央駅はかつてフランツ・ヨーゼフ皇帝駅と呼ばれていました。ファーストフード店やスーパーマーケット、ショップなどが営業し、地下鉄C線のプラハ中央駅にも直結しています。列車に乗る前、あるいはウィーンから到着した際、少し時間を割いて、駅構内3階へ。同駅がかつてフランツ・ヨーゼフ皇帝駅と呼ばれていた頃の雰囲気を感じることができます。アールヌーボー様式の大きなドーム天井の豪華な装飾はその優美さに圧倒されるでしょう。3階にあるカフェにもぜひ立ち寄ってみてください。 プラハ歴史地区として世界遺産にも登録されるプラハ観光の拠点は旧市街広場。ティーン教会、旧市庁舎と天文時計など、見所満載です。カレル橋を渡り、プラハ城へ。小さな家が並ぶ黄金小道は、かつて番兵の住居だったところ。作家フランツ・カフカが20世紀初頭に暮らした家も残されています。 5日目はプラハ中央駅からユーロシティ(EC)に乗って約1時間36分、チェコ西部の古都プルゼニに到着します。プルゼニ中央駅から徒歩10分ほどで公園に囲まれた旧市街へ。共和国広場を中心に町を散策しましょう。市庁舎や塔が聳える聖バルトロミュイ教会、さらに地下道博物館などは観光スポット。プルゼニは中世の頃からビールを醸造し、世界的にもビール生産地として有名。淡い色のピルスナービールの発祥の地でもあります。ビール好きにはビール醸造博物館もおすすめ。本場のピルスナービールを味わったら、プラハへと戻りましょう。因みに、プルゼニは、ドイツ語でプルゼンと発音されます。 ローカル列車で絵本画家ラダの村へ 翌日は、チェコを代表する絵本画家ヨゼフ・ラダ(1887〜1957年)の故郷でもある、長閑で小さな村フルシッツェへ。多くの動物が登場するラダの絵は、どれもコミカルで風刺のきいた作風が特徴。今も多くの人々に愛されています。プラハ中央駅から普通列車に乗って約40分、ミロショヴィツェ・ウ・プラヒ駅に到着です。ここから長閑な田舎路を約30〜40分も歩くと、フルシッツェ村に到着します。春から秋にかけて天気の良い日は緑豊かな田舎の風景を楽しみながらの心地よい散歩が楽しめます。ラダの別荘を改装した「ヨゼフ・ラダとその娘アレナの記念館」では、イラストや絵本、ラダが使っていたという道具なども展示しています。同記念館の公式ウェブサイトによると、記念館は月と火曜が休館で、英語、ドイツ語、日本語での館内ガイドツアー(約30分)もあるようです。レストランなど建物の外壁に描かれたラダの絵や看板を探してフルシッツェ村を散策するのも楽しいものです。 ※ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。 ※また、列車情報、車内で提供される食事やサービスについても予告なく変更されることがあります。ご乗車の際には事前にご確認ください。 鉄道パス&チケット ・ユーレイルオーストリア-チェコ共和国パス(2カ月の有効期間のうち通用日4日間):RE(ウィーン中央駅⇒ブラチスラヴァ中央駅⇒ウィーン中央駅<3日目>)、RJ(ウィーン中央駅⇒プラハ中央駅<4日目>)、EC(プラハ中央駅⇒プルゼニ中央駅⇒プラハ中央駅<5日目>)、普通列車(プラハ中央駅⇒ミロショヴィツェ・ウ・プラヒ駅⇒プラハ中央駅<6日目>) ・ユーレイルオーストリア-チェコ共和国パスには、2〜5人で同じ行程を一緒に旅するのに割引きが適用されるお得なセーバーパスがあります。大人1人に同伴する4歳以上12歳未満の子供向けパスは無料です。割引きが適用されるユース(12歳以上28歳未満)パスやシニア(60歳以上)パスもあります。大人と子供のファミリー向けのパスも。 ・レイルジェット(RJ)にご乗車の際には、別途、座席指定券を購入しなければなりません。 Tips & インフォメーション ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 ・オーストリア政府観光局 ⇒ http://www.austria.info/jp ・チェコ政府観光局 ⇒ http://www.czechtourism.com/jp/home/ |
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