ほりうち(ccbu8181) 2018-03-05 21:54:26 |
Trip Planning 高速列車、夜行列車、シーニックトレインなど、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が都市や町を結び、地元の人々にとって大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や現地の人々の日常生活を垣間見みたり、列車での国境越えという体験をしたり、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーではレイルエキスパートらによる列車を利用したヨーロッパ旅行のモデルプランをご紹介します。 高速列車と夜行列車を乗り継ぎ巡る人気の4カ国 (スペイン、フランス、スイス、チェコ)ー Part 1 レイルヨーロッパジャパン メールマガジン編集部 今月号の旅のヒントは、レイルエキスパート養成講座を修了し、優秀な成績でレイルエキスパートに認定された方々を対象に実施した鉄道研修旅行のプランをご紹介します。 2017年11月末から12月にかけて11日間に渡り、人気のヨーロッパ4カ国(スペイン、フランス、スイス、チェコ)を高速列車と夜行列車を乗り継いで巡りました。季節はちょうどクリスマスシーズン。各地のクリスマスマーケットを訪れたほか、観光地として特に人気の高いバルセロナやパリとともに、まだ日本において観光地としての人気が定着していない、フランスのル・マンやニーム、さらにはチェコのプラハやチェスケー・ブジェヨヴィツェにも訪れました。2回に分けてご紹介します。今月号はバルセロナ、ニーム、パリ編です。<画像=ニーム駅ホームに発車したTGV (C)NoriM> ※ このプランは、2017年11月現在の情報に基づき記載されています。 旅程: 1-2日目 羽田空港からカタール航空にてドーハ経由でバルセロナへ。バルセロナ国際空港からはバスでランブラス通り沿いのホテルへ。荷物をホテルに置いて、サグラダ・ファミリア大聖堂やカサ・ミラ、カサ・バトリョを見ながら散策。夕食は、Mussol Arago にて伝統的なカタロニア料理。 【バルセロナ泊】 3日目 朝食後、午前中は町の散策。お昼頃、バルセロナ・サンツ駅からフランス-スペイン高速列車に乗って南仏ニームへ(所要約3時間30分)。ランチは車内で。ニーム駅到着後、散策へ。夕食は、旧市街にある地元の人々で賑わうレストランL’Imprevu で。 【ニーム泊】 4日目 朝食後、ニーム市内散策。古代ローマ時代の円形劇場やメゾン・カレ、中央市場など旧市街を散策。ランチは、メゾン・カレを望むカレ・ダール(総合文化センター)3階にあるレストランLe Ciel de Nimes で。午後、高速列車TGV に乗ってパリ・リヨン駅へ(約2時間55分)。夕食は、老舗キャバレーParadis Latin でショーを見ながらディナー。 【パリ泊】 5日目 朝食後、パリ市内散策。ギャラリー・ラファイエットなどでショッピング、ランチは店内アンジェリーナで。午後は、キャトル・ル・スー・ザン・パラプリュイ社のシトロエンレトロカーでパリ散策。その後、パンテオンへ。<ラ・デファンス地区のグランダルシュ(新凱旋門)前広場のクリスマスマーケット> 夕食は、シャンゼリゼ通りやサン・ジェルマン・デ・プレなどのブラッセリーで。 【パリ泊】 6日目 朝食後、パリ・モンパルナス駅からTGV に乗ってル・マンへ(約55分)。着後、ル・マン24時間サーキット場と博物館へ。その後、ル・マン旧市街を散策。<リパブリック広場のクリスマスマーケット> 夕食は、フランス料理のLa Ciboulette で。ベジタリアン料理もあります。 【ル・マン泊】 7日目 朝食後、出発までル・マン旧市街の散策。お昼頃、TGV に乗ってパリ・モンパルナス駅へ。メトロでパリ・リヨン駅へ移動。TGV リリアに乗ってバーゼルSBB駅へ(約3時間)。着後、ホテルへ。<バールフュッサー広場とミュンスター広場のクリスマスマーケット> 夕食は、Wacker & Schwob でスイス名物のチーズフォンホンデュをどうぞ。 【バーゼル泊】 8日目 朝食後、トラムでバイエラー財団美術館へ。ランチは、バーゼル美術館併設のビストロで。午後は、バーゼル市内散策と、ベシュレでチョコレート作り体験。夕食は、バーゼルSBB 駅近くのホテル・オイラーで。夜、IC に乗ってチューリヒ中央駅へ。ユーロナイトに乗り換えて、チェコへ。 【車中泊】 9日目 ユーロナイト車内で朝食。チェスケー・ブジョヨヴィツェで下車後、市内散策へ。お昼頃、IC でプラハ本駅へ。その後、プラハ市内散策。プラハ城、カレル橋へ。夕食は、旧市街のレストランで。<クリスマスマーケット(プラハ旧市街、プラハ城、チェスケー・ブジョヨヴィッツェ)> 【プラハ泊】 10日目 早朝、プラハ国際空港からカタール航空でドーハへ。夕方、ドーハ・ハマド国際空港に到着。ドーハ市内観光。夕食は、スークの中のローカルレストランで。 【ドーハ泊】 11日目 早朝、ドーハ・ハマド国際空港からカタール航空で、東京へ。夜、羽田空港到着。 ※日程表の発着時間は乗車日により変動することがあります。 旅行プランの概要とコンセプト ヨーロッパが誇る人気の高速列車で乗って移動 高速列車や夜行列車に乗ってヨーロッパの人気都市を巡る日程です。フランスやスペイン、ドイツやスイス、イタリアなどでは鉄道の高速化が進んでいますが、11日間の旅行期間中、フランス-スペイン高速列車、TGV、TGV リリアといった高速列車、IC、ユーロナイト(夜行列車)に乗ってフランス、スペイン、スイス、チェコの4カ国を巡りました。テーマは各国各都市の個性的なクリスマスマーケット巡りでした。 もちろん、クリスマス以外の時期であっても、ル・マンやニームといった日本では観光地としてそれほど知られていない歴史ある都市と、人気の高い都市を組み合わせることで、リピーターにもおすすめできるプランになっています。11日間のプランですが、5〜7日間のプランとして前後半に分けてのツアーにするのもおすすめ。今回、利用した鉄道パスは、ユーレイル グローバルパス。この他にも、ユーレイル セレクトパス3カ国(スペイン、フランス、スイス)でもいいかもしれません。チューリヒから夜行列車ユーロナイトに乗車の際は、お得なパスホルダー料金で寝台指定券をご購入いただけます。 定番バルセロナやパリと組み合わせたい 古代ローマ遺跡が残る南仏ニーム バルセロナは、ランブラス通り沿いのシタディーンホテルに宿泊しました。午前中3〜4時間の自由時間を利用して、カタルーニャ広場からコロンブスの塔までの約1.5km のランブラス通りを中心に徒歩で散策。シタディーンホテルの東側には、古代ローマ時代の遺跡が残されています。ランブラス通りの喧噪とはかけ離れた静かな空間で石棺、水飲み場、カフェなどのある小さなマドリッド広場になっています。この日は地元の小学生が先生と一緒に訪れていました。ランブラス通り沿いには、バルセロナ最大規模の活気溢れるサン・ジュセップ市場があります。色鮮やかな果物やチョコレート、香辛料、パンなどの各種食料品が並び、地元の人々の生活を垣間見る瞬間でした。さらに、お土産店が並ぶランブラス通りをのんびりと歩き、ガウディの初期傑作と言われるグエル邸を見学しました。さらに歩くと目の前にはコロンブスの塔と港が目に飛び込みます。 次に訪れたのは、南仏ニームです。フランス-スペイン高速列車に乗って約3時間30分。車両は2階建てのTGV です。バー/ビュフェ車両でランチを購入し、2階席で食べながらのんびりと列車の旅を楽しみました。 ニームは、古代ローマ時代の遺跡(円形劇場やメゾンカレ)が保存状態良く残されています。ニーム駅から徒歩でこれら遺跡、旧市街の散策が楽しめます。古代の遺跡と現代的建築が絶妙のバランスで点在し、人々の生活の中に溶け込んでいます。2018年6月にはAntic Roman Art Museum がオープン予定。 プロヴァンス地方では、アヴィニョンやエクス・アン・プロヴァンス、マルセイユといった都市が人気であり、観光拠点として利用する観光客も少なくありません。ニームは、それほど観光地化されていないだけでなく、ニームを拠点にして、例えばアヴィニョンへはTER で約30〜35分、マルセイユへもTER などで約1時間20分で乗り換えなくアクセスでき、マルセイユからはエクス・アン・プロヴァンスへも乗り継げます。ニームの近くにはポン・デュ・ガールやカマルグ湿原地帯など魅力溢れる観光地も少なくありません。 ニームは、高速列車TGV の停車駅でもあります。TGV に乗ると、パリ・リヨン駅までは約2時間55分でアクセスできます。車内の様子は当メールマガジン12月号で、またパリ・リヨン駅については、1月号にてそれぞれ写真で紹介しています。ぜひご覧ください。 パリ滞在中、ユニークな体験として、レトロでかわいい車シトロエンに乗ってパリ市内を巡りました(=画像(C)NoriM)。1時間など時間を区切って、パリ市街地を巡りました。ルーブル美術館を走り抜け、セーヌ河沿いを走り、シテ島のノートルダム寺院の隣を通り抜けました。シトロエンという車に乗って、オープンカーの状態でパリの喧噪な町を走り抜けるという体験はもちろん、ドライバーさんの案内を聞きながら、知っているパリとはまた違った“表情”のパリの街角を見るという点において、と ても新鮮な体験でした! 4 Roues sous un parapluie(キャトル・ル・スー・ザン・パラプリュイ社)のシトロエンで巡るパリ散策は、初めてパリを訪れた人はもちろん、リピーターにおすすめしたいアクティビティです。 ユーレイルパスは、スペイン、フランスでのボーナス特典が充実しています。シティカードや私鉄、宿泊施設、フェリーの割引き、アウトレットショッピングなど、各都市によりさまざまな割引き特典をご利用ください。 次回3月号では、フランスのル・マン、スイスのバーゼル、チェコのプラハとチェスケー・ブジェヨヴィツェの列車の旅をご紹介します。 なお、レイルエキスパート向けの研修旅行のテーマのひとつがクリスマスマーケット巡りでした。クリスマスマーケットと言えば、ドイツがとてもよく知られていますが、パリ、ル・マン、バーゼル、プラハとチェスケー・ブジェヨヴィツェといった、ドイツとは雰囲気の異なるクリスマスマーケットを巡りました。これら5都市のクリスマスマーケットの様子は改めて画像とともにご紹介します! ※ ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。 ※ また、列車情報、車内で提供される食事やサービスについても予告なく変更されることがあります。ご乗車の際には事前にご確認ください。 鉄道パス&チケット: ・ユーレイル グローバルパス(通用日連続タイプ15日間):フランス-スペイン高速列車(バルセナ・サンツ駅 ⇒ ニーム駅<3日目>)、TGV(ニーム駅 ⇒ パリ・リヨン駅<4日目>)、TGV(パリ・モンパルナス駅 ⇒ ル・マン駅<6日目>)、TGV(ル・マン駅 ⇒ パリ・モンパルナス駅<7日目>)、TGV リリア(パリ・リヨン駅 ⇒ バーゼルSBB 駅<7日目>)、IC(バーゼルSBB駅 ⇒ チューリヒ中央駅<8日目>)、ユーロナイト(チューリヒ中央駅 ⇒ チェスケー・ブジェヨヴィツェ駅<8日目>)、IC(チェスケー・ブジェヨヴィツェ駅 ⇒ プラハ本駅<9日目> ・ユーレイルパスを所持して、当プランで利用した高速列車(フランス-スペイン高速列車、TGV、TGVリリア)や夜行列車(ユーロナイト)に乗る際、別途、座席/寝台指定券が必要となります。この場合、お得なパスポルダー料金でご購入いただけます。 ・ユーレイル グローバルパスは、大人向けのパスのほか、2〜5人で同一行程を一緒に旅するグループ向けのお得なセーバーパス、12歳以上28歳未満の人に適用されるユースパスがあります。12歳未満のお子様は無料です。 ・19時ルールが適用されます。午後7時以降に出発し、午前4時以降に目的地に到着する直行便の夜行列車に乗車する際には、ユーレイルパスの利用日欄に翌日の日付(到着日)のみを記入します。その際、乗車日には列車に乗っていないこと、および到着日がパスの有効期間内であることが条件となります。 Tips: ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。また、乗り継ぎの際は余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 スペイン旅行をもっと楽しくするためのヒント: ・スペイン観光局 ⇒ http://www.spain.info/ja/ ・フランス観光開発機構 ⇒ http://jp.france.fr/ ・スイス政府観光局 ⇒ http://www.myswitzerland.com/ja/home.html ・チェコ政府観光局 ⇒ http://www.czechtourism.com/jp/home/ |
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