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No.5391 【クラッセ】田中正恭著『日本縦断客車鈍行の旅』昭和51年夏
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2018-06-17 22:09:51
                          株式会社クラッセ
                       http://www.k1asse.co.ip

この度小社では、鉄道紀行書の執筆を続けております田中正恭氏の『日本縦断客車鈍行の旅』−昭和51年夏、旧型客車で稚内から長崎ヘ−を刊行する運びとなりました。
 本書は、今から42年前の昭和51年の夏、全国各地の幹線やローカル線では蒸気鐵関車からディーゼル機関車、電気機関車に牽引された客車鈍行列車がごく普通に鉄路を走り続けていた模様を、時代背景を織り交ぜながら軽妙な筆致で綴った鉄道紀行書です。登場する客車鈍行列車は、戦前戦後に製造された古色蒼然とした旧型客車です。車両の両端にあるデッキのドアは手動式の開き戸で、開けっ放しで走っていることが日常茶飯事でした。当時から鉄道ファンである著者は、この時代に何かひとつ、記録に残るような旅をしたいと考え、先達の宮脇俊三氏や種村直樹氏がこなし多くの鉄道ファンたちが辿った最長片道切符とは別の形で、日本一周を実行したいと考えました。それが、本作の客車鈍行列車による日本縦断の旅です。
 途切れなく客車鈍行だけでつながる路線をつないだ連続乗車券を作り、稚内から長崎まですべての区間を客車鈍行だけで日本縦断をしようという計画でした。旧型客車鈍行列車が全廃されてしまった今、単なるノスタルジーや思い出を著すのではなく、JR以前の鉄道の時代考証を文章にて残しながら、あの味わい深い客車鈍行列車の旅を、本書で手に取るように味わっていただける鉄道紀行書ではないかと、著者、版元ともども自負しております。


書  名 日本縦断客車鈍行の旅
      −昭和五十一年夏、旧型客車で稚内から長崎ヘ−
発  行 2018年6月20日 第1刷
著  者 田中正恭
体  裁 四六判 ソフトカバー224頁
定  価 1600円(税別)
発 行 人 富田康裕
発 行 所 株式会社クラッセ
装  幀 Kareha Design
印刷製本 モリモト印刷
図書符号 ISBN978-4-902841-23-7 C0026


[著者略歴]
1955年、神戸市生まれ。甲南大学卒。鉄道紀行作家。生来の鉄道ファンを自認。大手広告代理店に勤務する傍ら1981年に国鉄全線、2000年には国内の鉄道全線を走破。また、国鉄全駅の入場券を所蔵するなど切符収集家でもある。海外もシベリア、カナダの大陸横断鉄道など、世界27ヵ国を鉄道旅行。鉄道を中心としたノンフィクション系の執筆活動を続けている。熱心なプロ野球ファンでもあり、通算観戦数1000試合以上。主な著書に『モンゴル発シベリア行商列車』(文芸社)、『鉄道全線三十年』(心交社)、『消えゆく鉄道の風景』(自由国民社)、『夜汽車の風景』、『よみがえれ、東日本!列車紀行』(クラッセ)、『終着駅』(自由国民社)、『プロ野球と鉄道』(交通新聞社)などがある。

旅のプロローグ より
 だが、その時すでに一人旅を始めてから五年、そんな旅にすっかり慣れてしまった私は、最初のころのような新鮮な喜びが薄れ、まるで義務感に縛られているようなマンネリを感じていた。そんな心情を吐露したのが、旅立ちの日の日記であった。
 けれども、時間の自由が利く学生時代にやらねば、一生後悔するだろうと考え直し、この旅立ちの日を迎えたのである。そして、その長い旅が終わった時、大きな達成感を味わうことができたのだった。
 本稿は、そんな若き日の私の旅日記である。客車鈍行が全廃されてしまった今、あの味わい深い鈍行列車の旅を楽しむことはできないが、当時の国鉄の情景を回想しながら、現在の各地のようすとオーバーラップさせながら綴ってみたいと思う。

*目 次

旅のプロローグ 8

 一 旅立ち、北海道へ 20
 二 稚内から新旭川経由、上川へ(宗谷本線〜石北本線) 28
 三 層雲峡そして、上川から網走へ(石北本線) 39
 四 網走から釧路へ(釧網本線) 48
 五 釧路〜滝川〜岩見沢〜東室蘭の強行軍(根室本線・函館本線・室蘭本線) 52
 六 東室蘭〜函館〜青森〜八戸(室蘭本線・函館本線・青函連絡船・東北本線) 63
 七 八戸から盛岡を経て仙台へ(東北本線) 72
 八 台から羽前千歳経由、秋田まで(仙山線・奥羽本線) 79
 九 秋田から新津へ、そして新発田駅事件(羽越本線) 86
一〇 新津から郡山を経て岩沼、そして再び仙台へ(磐越西線・東北本線) 94
一一 仙台(岩沼)から上野へ(常磐線) 103
一二 上野から、高崎経由軽井沢へ(東北本線・高崎線・信越本線) 113
一三 軽井沢から長野善光寺参りの後、直江津へ(信越本線) 123
一四 直江津から福井へ(北陸本線) 130
一五 福井から敦賀経由、綾部まで(北陸本線・小浜線・舞鶴線) 141
一六 綾部から松江、出雲市へ(山陰本線) 151
一七 出雲市から門司、いよいよ九州へ(山陰本線・山陽本線) 163
一八 門司から大分・別府へ(日豊本線) 173
一九 大分から、宮崎・都城経由、吉松へ(日豊本線・吉都線) 178
二〇 吉松から西鹿児島経由、熊本へ(肥薩線・日豊本線・鹿児島本線) 189
二一 熊本から鳥栖経由、佐賀へ(鹿児島本線・長崎本線) 200
二二 佐賀から旅の終着駅、長崎へ(長崎本線・佐世保線・大村線・長崎本線) 208

旅のエピローグ……そして、あれから四二年 213
あとがき 220
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キャプション:
画像サイズ: 428×630(75%表示)